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魔族の小瓶 ── 私の手にはおえそうにありません!?

ご。『公爵様は、ご子息ふたりと同じ、亜麻色のゆるいウェーブの髪をきちんと整え、新緑色の瞳が知的で落ち着いた雰囲気の人だった』──緊張しマスヨ

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     ♕

 公爵様は、ご子息ふたりに⋯⋯じゃない、ご子息ふたりそっくりな、亜麻色のゆるいウェーブの髪をきちんと整え、新緑色の瞳が知的で、落ち着いた雰囲気の人だった。

「君が、プラチナ級冒険者クラスハンターなのかい?」
「初にお目もじいたします、クリステルパルスシティより参りました、はな楽羅ささら琥珀こはくと申します。公爵閣下におきましては、」
「ああ、堅苦しい言葉はいいよ。貴族同士の会合でもないし、一般人の子供が、緊張して難しい言葉を発するのは見ていて痛々しい。閣下なんて言葉、よく知っていたね」
「お心遣い痛み入ります」

 緊張して、貧血起こしそうなの、バレバレでしたか。
 楽にしていいと言われてホッとするけど、気を抜きすぎると、さすがに失礼だしその程度のやつって舐められるよね。

「なかなか⋯⋯ 貴族との付き合いが?」
「貴族令息としてではなく、探索仲間として、ですが」
「ほう?」
「父様! この方は、かの次代の勇者様と期待されているユースフェルス公爵家の嫡男アレフヴァルドさまや、弱冠17歳で助祭司ディアコノスの位を賜った神聖術の天才と名高いエルフエーレ侯爵家のクリストファさまと共に活躍されてるんですって! 僕と年は変わらなそうなのに凄いですよね」

 やや鼻息荒く語る少年。恥ずかしいからやめてください。今は言えないですけど、そのアレフ達に解任されたんですよ、私。

 やや震える手で、ギルドカードを差し出す。
 能力値ステータス技能スキル才能タレントは、冒険者ハンターとしての手の内なので隠蔽してても失礼には当たらないので、名前、年齢、性別、役割ロール称号タイトルを開示して見せるのが通常である。
 マスコットや脳天気、能なし平民などの恥ずかしいのは隠蔽したけれど、敢えて、特殊技能エクストラスキル称号タイトルはハッタリの意もこめて開示しておいた。

「なるほど、幻獣ファンタス魔導道具アーティファクトを使って、探索究明に長けた冒険者ハンターなんだね。戦闘に関する記載がないが、それもアイテムと幻獣で補うのかい?」

 知的な瞳の印象を裏切らない公爵様。さすがに、役割ロール特殊技能エクストラスキル、称号などから、私の冒険スタイルを見抜いてる。

「はい。防御や探知にはこのスニャイム達が担ってくれてますし、魔物を退けたり排除するのは、状況に応じて、杖や妖精達を使い分けます」
「トラブルシューターと錯綜調停者アルヴィティウムがついているのはいいね。運気が高いのも合わせて、事件解決が早そうだ。ぜひ奮起活躍してくれたまえ。
 ここへは、探索目的で? なにか依頼を受けてなのかな?」

 来た! ここからが大事な場面だよー。







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