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今度こそ、ソロデビューです!?

じゅういち。『なんだよ、そんなに驚くことか?』──報酬と扱いが向上した件⑥

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「なんだよ、そんなに驚くことか?」

 そりゃそうでしょ? 私は隠蔽中だけど謎の職業【遊び人】で基礎レベルは1だよ!?
 それが、条件付きとはいえ、上級冒険者ハイクラスハンターとか、ありえないでしょう。

 私は驚きのあまり大声で叫んじゃったけど、まわりのみんなは無反応──というか、声を上げたりしなかった。
 フィルタさんやギレウォッタさんは柔らかく微笑んでるし、ラジエさんもアネッタさんも、ウインクまでよこして親指をサムズアップしてくれる。
 ターレンさんもルーナ姫様も、自分の事のように喜んでくれてる。
 なんでみんな肯定的なの? 基礎レベル1なんだよ?

「いやな、色々考えたんだが、勿体ないんだよ」
「勿体ない?」
「そう。戦闘になれば戦えないというが、そのお祖母様の魔導道具アーティファクトを使って、普通では考えられない効果を次々と起こす力は、他の冒険者ハンターにはない技術スキルで、一般的な技能スキルと違うからといって、無視できるものではないし、使えるのがコハクだけだから、ギルドカードのステータス画面に表示されないからって、ないものでもなく、事実コハクはその力で冥府の王インフェルヌスを鎮めてしまった。紛れもない功績だろう?」
「はい」
「その力を使える時に使わないのは勿体ないと思うんだ」

 だから、戦闘職の上級者がサポートすることを前提として、パーティを組んだ時だけ、私は上級冒険者の扱いになるらしい。です。

「もちろん、上級者としてクエストを受理したら、報酬は上級者への利率で支払われるぞ? 美味しいものがたくさん食えるな?」
「うぅ! 美味しいものがたくさん⋯⋯」
「この街の近辺じゃない依頼も受けられるぞ? 去年、初めて海を観たんだろ? もっと色んなところへ行けるんだ。経費で」
「おお⋯⋯! 経費で旅行⋯⋯」
「な? いいだろう?」

 コクコクと、壊れたキツツキのおもちゃのように頷く。

 新しいギルドメンバー規約書にサインをする。
 それをアミナさんが事務処理すると、私のギルドカードが、銅板みたいな色だったのが、プラチナカードに変身する。

 ふおお⋯⋯ プラチナ!! カード!!

 規約にもあったけど、これで王立図書館や魔導士研究所の一部にも立ち入れるようになるし、ギルドや街でのダンジョン素材の買い取りや備品の購入も、色を付けてもらえたりするのだ!
 ⋯⋯ん? 今までも、オマケしてもらったり、割り増しで買ってもらったりしてたような? あれ? 街での優待権については、今までと変わってない? あれ? おかしいな?

「よし! これでコハクは、(条件付きで)上級冒険者ハイクラスハンターだ!! おめでとう」

 こうして、前代未聞の、基礎レベル1の上級ランカー冒険者が誕生してしまったのだった。

 どうしてこうなった?






 
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