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今度こそ、ソロデビューです!?
はち。『ギレウォッタさんには無限収納空間拡張袋。ただし、擬似製品。』──報酬と扱いが向上した件③
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👜
ギレウォッタさんには、無限収納空間拡張袋。
ただし、擬似製品。本当の無限収納ではなく、空間歪曲魔法で中が波濤の郷の中心にある魔法の泉の底に繋がっていて、そこは見た目は水でも本当は純粋な水霊の溜まったもので、中に置いてある物は、酸素や時間に触れることなく保存できるらしい。
「波濤一族の長が絶えるまでは誰にも触れることは敵いませんし、私達が滅びても、水霊がそこを離れない限り、半永久的に保存されます」
置き場の容量は、折を見て長が拡張してくれるらしい。
「こ、こんな素晴らしいもの、いただき過ぎなのでは⋯⋯」
震えながら受け取り、もらい過ぎと言いつつもでも決して返そうとかテーブルに一時置こうとかしない。
ギレウォッタさんの使っているウエストバッグも空間拡張収納袋だけど、容量に制限付きですら、お屋敷や鉱山など巨額の遺産を処分して手に入れた物なのに、誰も手が出せない閉ざされた妖精の郷の奥にある精霊の泉の底に、波濤一族の長と精霊という何重ものセキュリティ付きで、無限収納出来るのだ。
(滂沱で)泣いて喜び、ベルトに通して装備した。
「考古学者で、あらゆる学術的遺物や魔導道具などを収集研究されていると伺いました。きっとこういう物が喜ばれると思ったのですが、そんなに喜んで頂けると、こちらも恐縮してしまいますわ」
私達人間からすれば驚異の魔法の道具だけど、妖精の姫様から見たら、ただの革袋に、空間魔法で自分達の倉庫へ繋いだだけの物なのだ。価値観の違いって凄いね。
「ラジエ様は、今回の件で、一度お生命を落とされるという事態に、私どもは顔を上げられない思いです」
そう言って、ソファから降りて土下座までしてみせたルーナ姫様は、東の国で皇族が持つと言われる佩玉に見える物を差し出した。
つやつやに磨かれたドーナツ型の薄い石を、七色の飾り紐で腰帯などに提げるらしい。同じく七色の房飾りが下がっている。
「一見、ただの縞瑪瑙の飾りですが、身代りの玉と言いまして、生命に関わる悪運を、持ち主に変わって受け止めるものでございます」
それは、あの時持っていれば、死なずに済んだくらいの強力な魔道具だね。ラジエさんはありがたく頂戴し、ベルトではなく首から下げて、シャツの中に入れた。
「傷ついたり紐が切れて落ちたりしたら大変だ」だそうです。
どれもみんな、お祖母ちゃんのお手製アイテムより凄いと思うのだけど、姫様はそんなことないと言う。
「コハク様には、何を差し上げても見劣りしてしまうような気がして、悩みました」
そう言って、小さな小石をテーブルに置いた。
ギレウォッタさんには、無限収納空間拡張袋。
ただし、擬似製品。本当の無限収納ではなく、空間歪曲魔法で中が波濤の郷の中心にある魔法の泉の底に繋がっていて、そこは見た目は水でも本当は純粋な水霊の溜まったもので、中に置いてある物は、酸素や時間に触れることなく保存できるらしい。
「波濤一族の長が絶えるまでは誰にも触れることは敵いませんし、私達が滅びても、水霊がそこを離れない限り、半永久的に保存されます」
置き場の容量は、折を見て長が拡張してくれるらしい。
「こ、こんな素晴らしいもの、いただき過ぎなのでは⋯⋯」
震えながら受け取り、もらい過ぎと言いつつもでも決して返そうとかテーブルに一時置こうとかしない。
ギレウォッタさんの使っているウエストバッグも空間拡張収納袋だけど、容量に制限付きですら、お屋敷や鉱山など巨額の遺産を処分して手に入れた物なのに、誰も手が出せない閉ざされた妖精の郷の奥にある精霊の泉の底に、波濤一族の長と精霊という何重ものセキュリティ付きで、無限収納出来るのだ。
(滂沱で)泣いて喜び、ベルトに通して装備した。
「考古学者で、あらゆる学術的遺物や魔導道具などを収集研究されていると伺いました。きっとこういう物が喜ばれると思ったのですが、そんなに喜んで頂けると、こちらも恐縮してしまいますわ」
私達人間からすれば驚異の魔法の道具だけど、妖精の姫様から見たら、ただの革袋に、空間魔法で自分達の倉庫へ繋いだだけの物なのだ。価値観の違いって凄いね。
「ラジエ様は、今回の件で、一度お生命を落とされるという事態に、私どもは顔を上げられない思いです」
そう言って、ソファから降りて土下座までしてみせたルーナ姫様は、東の国で皇族が持つと言われる佩玉に見える物を差し出した。
つやつやに磨かれたドーナツ型の薄い石を、七色の飾り紐で腰帯などに提げるらしい。同じく七色の房飾りが下がっている。
「一見、ただの縞瑪瑙の飾りですが、身代りの玉と言いまして、生命に関わる悪運を、持ち主に変わって受け止めるものでございます」
それは、あの時持っていれば、死なずに済んだくらいの強力な魔道具だね。ラジエさんはありがたく頂戴し、ベルトではなく首から下げて、シャツの中に入れた。
「傷ついたり紐が切れて落ちたりしたら大変だ」だそうです。
どれもみんな、お祖母ちゃんのお手製アイテムより凄いと思うのだけど、姫様はそんなことないと言う。
「コハク様には、何を差し上げても見劣りしてしまうような気がして、悩みました」
そう言って、小さな小石をテーブルに置いた。
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