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冥くて昏い地の底に眠るモノ
じゅうよん。『とにかく、ターレンさんは片っ端からアンデッドに『一輪の安らぎの花』を振って振って振りまくる』──単体づつ処理なので大変そうです
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🎭
とにかく、ターレンさんは片っ端から、アンデッド達に『一輪の安らぎの花』を振って振って振りまくる。
「凄いわねぇ。ほとんど魔力は使わないで、このアイテムの力で浄化したるみたいよ?」
「そうなのか?」
「だって、まったく疲れないもの」
「そんな事あんのかね? コハクちゃん、あれと同じ花まだあるのか?」
「んーと、……ごめんなさい、ないみたい」
ポーチの中に手を突っ込んで探してみるけど、何も手には当たらない。
「いやいや、あれ一本あるだけでも全然違うよ」
ついでなので、サラピーちゃんを摑みだし、周りの溶岩流の熱を無効化してもらう。
〈オマエ、ヒト使い荒イナー?〉
顎の下をこしょこしょ撫でてあげると喜んだみたいで、ジタバタ踊っている。可愛いなぁ。
サラピーちゃんは炎の精霊なので、冥気の影響を受けないように、熱を抜き取ってもらったあとはポーチに戻す。
〈オイ、扱イ、ヒドクネーカ?〉
「頑張ってくれたから、お家に帰ったら、御飯いっぱいあげるね?」
〈ゴハン……ぺっとジャネェシ。何喰ワス気ダ?〉
トカゲの食べるものって、蝿とかコオロギとか虫よね? 身体大きいし、イグアナだったら、野菜や鶏のササミとかでもいいのかな?
火蜥蜴っていうくらいだもの、宵風の森へ行く途中の街道にある、火の草原の火焰蠅が群生してるところに連れて行ったげたら、自分でとれるかな?
サラピーちゃんと初めてのお散歩、楽しみだな♬
〈ナンカ、嫌ナ予感スルゼ〉
先程のように歩き回らない分、フィルタさんもキールさんも、溶岩だった熱い鉱石を、魔力や闘気を載せた衝撃波で壊していくのはあっという間だった。
熱を、魔力を失い、地割れに引っ込んでいく溶岩だった鉱石。
動く死体も減っていき、あとは大本の古代神。
いや、これ、どうしたらいいんでしょうね?
と、みんなで眺めていたら、また、なげき始める。
ぅわんわんわんわんわんわんゎん……
こんな状況でなかったら、グラスハープみたいで、聴いてても悪くない音なんだけど、冥・昏属性というだけあって、どこか気鬱な気分になってくる。ほんと、音は澄んでていいのに。
「あの音、止めないとだめみたいだね」
「……だな」
黒いツヤピカの球体が震えて音を出す度に、死霊や動く死体、それらを食べるという屍喰鬼がどこからともなく湧き上がるので、キリがないのである。
「魔力が∞って事は、音を出すのを止めるとか、ぶっ壊すとかしねぇと、延々と呼び出されるのか?」
「いずれこちらの体力が尽きて、付き合ってあげられなくなるわね」
アネッタさんがそう言った途端、ピタッと嘆く音が止まった。
んん? どーゆーこと?
とにかく、ターレンさんは片っ端から、アンデッド達に『一輪の安らぎの花』を振って振って振りまくる。
「凄いわねぇ。ほとんど魔力は使わないで、このアイテムの力で浄化したるみたいよ?」
「そうなのか?」
「だって、まったく疲れないもの」
「そんな事あんのかね? コハクちゃん、あれと同じ花まだあるのか?」
「んーと、……ごめんなさい、ないみたい」
ポーチの中に手を突っ込んで探してみるけど、何も手には当たらない。
「いやいや、あれ一本あるだけでも全然違うよ」
ついでなので、サラピーちゃんを摑みだし、周りの溶岩流の熱を無効化してもらう。
〈オマエ、ヒト使い荒イナー?〉
顎の下をこしょこしょ撫でてあげると喜んだみたいで、ジタバタ踊っている。可愛いなぁ。
サラピーちゃんは炎の精霊なので、冥気の影響を受けないように、熱を抜き取ってもらったあとはポーチに戻す。
〈オイ、扱イ、ヒドクネーカ?〉
「頑張ってくれたから、お家に帰ったら、御飯いっぱいあげるね?」
〈ゴハン……ぺっとジャネェシ。何喰ワス気ダ?〉
トカゲの食べるものって、蝿とかコオロギとか虫よね? 身体大きいし、イグアナだったら、野菜や鶏のササミとかでもいいのかな?
火蜥蜴っていうくらいだもの、宵風の森へ行く途中の街道にある、火の草原の火焰蠅が群生してるところに連れて行ったげたら、自分でとれるかな?
サラピーちゃんと初めてのお散歩、楽しみだな♬
〈ナンカ、嫌ナ予感スルゼ〉
先程のように歩き回らない分、フィルタさんもキールさんも、溶岩だった熱い鉱石を、魔力や闘気を載せた衝撃波で壊していくのはあっという間だった。
熱を、魔力を失い、地割れに引っ込んでいく溶岩だった鉱石。
動く死体も減っていき、あとは大本の古代神。
いや、これ、どうしたらいいんでしょうね?
と、みんなで眺めていたら、また、なげき始める。
ぅわんわんわんわんわんわんゎん……
こんな状況でなかったら、グラスハープみたいで、聴いてても悪くない音なんだけど、冥・昏属性というだけあって、どこか気鬱な気分になってくる。ほんと、音は澄んでていいのに。
「あの音、止めないとだめみたいだね」
「……だな」
黒いツヤピカの球体が震えて音を出す度に、死霊や動く死体、それらを食べるという屍喰鬼がどこからともなく湧き上がるので、キリがないのである。
「魔力が∞って事は、音を出すのを止めるとか、ぶっ壊すとかしねぇと、延々と呼び出されるのか?」
「いずれこちらの体力が尽きて、付き合ってあげられなくなるわね」
アネッタさんがそう言った途端、ピタッと嘆く音が止まった。
んん? どーゆーこと?
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