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尽してくれた少女を見殺しにした僕ら──クリストファ
に。『もうやめてくれ!! 死人のような顔色のアレフが叫んだ』
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「もうやめてくれ!!」
死人のような顔色のアレフが叫んだ。
「今、僕らが責任の有りどころを論じあっても何も変わらない。事実、コハクは行方しれずだ。僕はどんな罰でも受ける。ギルドマスターが僕を殺人犯だと判断されるなら、おとなしく罪を償うよ」
今にも泣きそうな顔でアレフが言い放ち、冒険者協会クリステルパルスシティ支部の中へ入っていく。
「すみません、ギルドマスターを」
「あら、アレフヴァルド様。いらっしゃい。マスターなら、ちょうどお茶の時間のはずよ」
コハクがなついていた受付嬢のアミナが僕達に声をかけてくれ、カウンター横の応接室に案内してくれる。
やけに手際がいいな?
僕達が来る事を知っていたのだろうか⋯⋯
「こっちが話があると言ったからじゃない?」
そうだろうか?
「おう、アレフ、クリス。どうした? 死人みたいな顔じゃねぇか」
今でも現役でいけそうな厚みのある立派な体躯に、なんでも見通せそうな(事実鑑定技能を持っている)鋭い眼光の偉丈夫、ギルドマスターがのっそりと入室してくる。
「ああん? お前たちのマスコット姫のちびっ子はどうした?」
メンバーで長椅子に座っていて、挨拶に立ち上がっても四人のままなのだ。すぐにコハクがいない事はわかるだろうし、何より、ギルドマスターはコハクを娘のように可愛がっていた。
ギルドマスターのコハクを探す言葉に、アレフが大粒の涙を零す。
「お、おお? どうしたよ。大の男が泣くなや。なんだ、仲よさそうだったのに、フラレたのか?」
「申し訳ありません!!」
ギルドマスターの戯けたような揶揄うような言葉を打ち消すように、アレフが前置きなくいきなり謝罪した。
アレフは、テーブルに頭を打ちつけそうなほど深く頭を下げる。それを、ギルドマスターは険しい顔つきで見下ろした。
「何があったか、話せ」
「僕は、私は、取り返しのつかない事をしてしまいました」
「それだけじゃ、何を謝っているのか判らん。とにかく、詳しく一から順を追って話せ。話はそれからだ」
「はい」
形のいい、やや薄めの唇を噛み締め、血が滲むほど強く拳を握って、アレフは俯き、震えている。
やがて、意を決したように、顔をあげた。
「もうやめてくれ!!」
死人のような顔色のアレフが叫んだ。
「今、僕らが責任の有りどころを論じあっても何も変わらない。事実、コハクは行方しれずだ。僕はどんな罰でも受ける。ギルドマスターが僕を殺人犯だと判断されるなら、おとなしく罪を償うよ」
今にも泣きそうな顔でアレフが言い放ち、冒険者協会クリステルパルスシティ支部の中へ入っていく。
「すみません、ギルドマスターを」
「あら、アレフヴァルド様。いらっしゃい。マスターなら、ちょうどお茶の時間のはずよ」
コハクがなついていた受付嬢のアミナが僕達に声をかけてくれ、カウンター横の応接室に案内してくれる。
やけに手際がいいな?
僕達が来る事を知っていたのだろうか⋯⋯
「こっちが話があると言ったからじゃない?」
そうだろうか?
「おう、アレフ、クリス。どうした? 死人みたいな顔じゃねぇか」
今でも現役でいけそうな厚みのある立派な体躯に、なんでも見通せそうな(事実鑑定技能を持っている)鋭い眼光の偉丈夫、ギルドマスターがのっそりと入室してくる。
「ああん? お前たちのマスコット姫のちびっ子はどうした?」
メンバーで長椅子に座っていて、挨拶に立ち上がっても四人のままなのだ。すぐにコハクがいない事はわかるだろうし、何より、ギルドマスターはコハクを娘のように可愛がっていた。
ギルドマスターのコハクを探す言葉に、アレフが大粒の涙を零す。
「お、おお? どうしたよ。大の男が泣くなや。なんだ、仲よさそうだったのに、フラレたのか?」
「申し訳ありません!!」
ギルドマスターの戯けたような揶揄うような言葉を打ち消すように、アレフが前置きなくいきなり謝罪した。
アレフは、テーブルに頭を打ちつけそうなほど深く頭を下げる。それを、ギルドマスターは険しい顔つきで見下ろした。
「何があったか、話せ」
「僕は、私は、取り返しのつかない事をしてしまいました」
「それだけじゃ、何を謝っているのか判らん。とにかく、詳しく一から順を追って話せ。話はそれからだ」
「はい」
形のいい、やや薄めの唇を噛み締め、血が滲むほど強く拳を握って、アレフは俯き、震えている。
やがて、意を決したように、顔をあげた。
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