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廃鉱山の中は、アンデッドだらけ?

にじゅうご。『コハク!! 右手頭上だ、気をつけろ!!』──ラジエさんの叫びに顔を上げると、死霊と恨みがましい表情の霊魂が迫っていた

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     👻

「コハク!! 右手頭上だ、気をつけろ!」

 ラジエさんの叫びに顔を上げると、死霊レイスと、恨みがましい表情の坑夫達の霊魂が迫っていた。
 っきゃーっ なんて叫びながら、避けて走り回る。

 動く死体リビングデッドを燃やした時に燃え残ったと言うことは、サラピーちゃんの火では浄霊出来ないって言うこと。
 アレに触られたら、私も冥の気のモノヘルノスウォーカーデッドになってしまう。
 太陽のもとへは出られなくなり、生気エナジーを失った生きながらに死した存在になって、呪いを解いてもらうまで彷徨さまよう事になる。

 逃げ回るのに、なくしたら困るので『生命を宿した大輪の花』を握り直し、サラピーちゃんをイチゴポーチの中へ突っ込む。

〈オイ! コノ仕打チハ酷クナイカ!?〉

 サラピーちゃんが何か叫んでたみたいだけど取り合ってるヒマはない。すぐにサラピーちゃんとは別の物を探す。

 ト音記号のチャームトップがついた『奏でるHappy♡バトン』を取り出し、由緒正しきポーズを取る余裕もないままに振り回す。
 錫が触れ合うような澄んだ音がすぐに鳴り出し、何でもいいからアレらを眠らせる音楽~と念じると、お祖母ちゃん得意の子守唄のメロディが流れ出す。

 死霊は、ポタッと地に落ち、ふるふるしていたが、そのまま地面に吸い込まれるように消えて行く。
 坑夫達の霊魂はその場に集団でうずくまって、動かなくなった。

「ホント、コハクちゃんのお祖母様の魔導具は アーティファクト デタラメに優秀だねぇ」
「ギルドカードの役割ロール欄にアイテムマスター?とあったけれど、ハテナは取っていいんじゃないか?」
「ていうか、アイテムマスター、魔導具マ アーティファクト スターそのものでしょ」
「精霊サラマンダーをマジックアイテムにしてしまうなんて、まさにアイテムマスターだよな」
〈俺様ハまじっくあいてむジャネェ!!〉
「凄いな、空間拡張収納袋ストップドワイドインベントリの中でも自己主張出来るのか⋯⋯ 中で止まったりしないんだな。回復もしてたし」
〈まあ、精霊だからな。生き物のように、時間や物質固定の制限は受けんのだろう。生き物はなるべく入れないでくれよ、仮主。特に我は絶対入らぬぞ?〉
「え? ケルピーちゃんを中になんて入れないよ。前に、捕まえたバッタを入れてお家まで持って帰ったことがあったけど、家族に見せようと取り出したら、なんか水分抜けて、凍ったみたいにカチカチになってて、ビックリして落としたら粉々になっちゃったの」

 ぞおっ

 その場に居るみんなが青褪めた。

〈すでにやったことがあったのか⋯⋯〉
「子供の頃のことだよぉ。バッタさん、お墓作ろうにも触れたら粉々で拾えなかったの。お祖母ちゃんにすっごく怒られて、あれ以来、二度と生き物入れないって決めたの。
 同じ元生物のはずの、食べ物や飲み物が平気なのは謎なんだけど、アイテムだからだってお祖母ちゃん言ってた」
「それで、よくサラマンダーを入れようなんて思ったわね?」
「サラピーちゃんは精霊で、壊れるような物質体マターボディを持ってないから、ぜんぜん平気だと思ってた⋯⋯ 入れる瞬間はとっさのことで、そこまで考えてなかったし」
〈コノ扱イニハ断固抗議スルゾ!!〉
「コハクちゃんにかかれば、精霊サラマンダーも、トカゲの形した火属性の霊魂で、喋る火を吹く便利アイテムなんだな」
〈ダカラあいてむジャネェ!!〉





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