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廃鉱山の中は、アンデッドだらけ?
にじゅう。『回復魔法を覚えるまで私の杖に頼っていたのが悔しかったのか、クリスは、神聖魔法を教えてもらえるようになるとすべての術を取得した』
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回復魔法を覚えるまで、私の杖に頼っていたのが悔しかったのか、クリスは、神殿で祀る神様に神聖魔法を教えてもらえるようになると、冒険を一時お休みしていっきに、取得出来るだけのすべての術を特訓した。
事前に魔導書で術の発動条件や呪文なんかは勉強していたので、使用許可が下りるなり、ひたすら実践あるのみ!だった。
そのかいあって、中級と言われる、多くの上位聖職者がマスターしている神聖魔法はすべて扱えるようになっているし、一部上級魔法まで使えるのだ。すごい努力家だと思う。
惜しいのは、使える魔術の数が多くても、能力値の伸びがまだまだで、消費魔力であるMP(マジカリティサイコス)が足りず、上級魔法になるとそんなに連発はできなくて、立て続けに神聖魔法を繰り出せば、たちまちのうちに魔力枯渇を起こす。
神聖魔法は一般魔術に比べて負担が大きい。
神様の奇蹟のチカラを借りて行使するものだから、MPも多く消費するし聖属性の強い力を体内に受ける影響も大きく、すぐに疲れてしまうらしい。
一般魔術のように、範囲を縮めたり効果を弱くしたり調整して消費魔力を抑えて使う、或いは消費魔力の一部を体力で置き換え変換して補う、という自由度がなく、消費MPが50で発動する術は常に50消費される。そして置き換え変換しなくても体力も少しづつ消費されるらしい。
保有MPと体力をつけることが今後の課題だって言ってたっけ。
「街に帰って、神殿の人達に助力を頼むとして、素直についてきてくれるかしらね」
アネッタさんの呟き。まさに、それも心配の一つだった。
神はすべての人を平等に慈しむとか、この世界にあるすべてのもの(物や者ではなくもの)が神の子であるとか、それこそ救いの手は惜しむべきではないなんていう奉仕の心を説いた説教まであるし、実に大層なお題目を称えてはいるけれど。
街の小さな教会はともかく、たくさんの信者が訪れる神殿になると、なぜか不思議と、奇蹟のチカラを出し惜しむ。
薬師や呪い師、医術師では治療しきれない大怪我の治療や呪いを解いてもらう、なんていう場合、びっくりするような多額の浄財を求められたりもする。
私達家族も、その被害者?のひとりである。
以前お兄ちゃんがパニックになった羊の群れに跳ね飛ばされて大怪我をした時、お父さんがお兄ちゃんを抱えて駆け込んだ神殿では、治癒魔法を使う前に浄財を求められ、それがまた、私達の綿羊毛などの収入(何ヶ月もかかる絨緞やフェルト糸、綿羊毛糸や織物、羊の毛皮、羊肉や羊の乳のチーズなんかの売上全部で)三年分だったと言う。
ちなみに、後から駆けつけたお祖母ちゃんが激怒して、その場でお兄ちゃんを完治させたのは、近隣の大ニュースだった。
お布施をとったり浄財をねだったりせず、強い魔法は負担も大きいのに文句も言わず恩に着せたりしないで、綺麗に完治させる奇特な人物は誰なのか、と話題になったし、しばらくは多くの人が、奇蹟の聖女を探し求めた。
神殿側も、無料でポーンとお兄ちゃんを完治させた(孫なんだから当たり前)お婆ちゃんのことは絶対に口外しなかった(自分達のプライドを守りたかったのか、浄財を求める対象をお祖母ちゃんにとられたくなかったのかは不明)し、お祖母ちゃんも周りに自分が治したなんて言いふらさなかったので、お祖母ちゃんを聖女だと崇める人や、怪我を治してくれって詰めかけたりする人は、その後もいなかった。
回復魔法を覚えるまで、私の杖に頼っていたのが悔しかったのか、クリスは、神殿で祀る神様に神聖魔法を教えてもらえるようになると、冒険を一時お休みしていっきに、取得出来るだけのすべての術を特訓した。
事前に魔導書で術の発動条件や呪文なんかは勉強していたので、使用許可が下りるなり、ひたすら実践あるのみ!だった。
そのかいあって、中級と言われる、多くの上位聖職者がマスターしている神聖魔法はすべて扱えるようになっているし、一部上級魔法まで使えるのだ。すごい努力家だと思う。
惜しいのは、使える魔術の数が多くても、能力値の伸びがまだまだで、消費魔力であるMP(マジカリティサイコス)が足りず、上級魔法になるとそんなに連発はできなくて、立て続けに神聖魔法を繰り出せば、たちまちのうちに魔力枯渇を起こす。
神聖魔法は一般魔術に比べて負担が大きい。
神様の奇蹟のチカラを借りて行使するものだから、MPも多く消費するし聖属性の強い力を体内に受ける影響も大きく、すぐに疲れてしまうらしい。
一般魔術のように、範囲を縮めたり効果を弱くしたり調整して消費魔力を抑えて使う、或いは消費魔力の一部を体力で置き換え変換して補う、という自由度がなく、消費MPが50で発動する術は常に50消費される。そして置き換え変換しなくても体力も少しづつ消費されるらしい。
保有MPと体力をつけることが今後の課題だって言ってたっけ。
「街に帰って、神殿の人達に助力を頼むとして、素直についてきてくれるかしらね」
アネッタさんの呟き。まさに、それも心配の一つだった。
神はすべての人を平等に慈しむとか、この世界にあるすべてのもの(物や者ではなくもの)が神の子であるとか、それこそ救いの手は惜しむべきではないなんていう奉仕の心を説いた説教まであるし、実に大層なお題目を称えてはいるけれど。
街の小さな教会はともかく、たくさんの信者が訪れる神殿になると、なぜか不思議と、奇蹟のチカラを出し惜しむ。
薬師や呪い師、医術師では治療しきれない大怪我の治療や呪いを解いてもらう、なんていう場合、びっくりするような多額の浄財を求められたりもする。
私達家族も、その被害者?のひとりである。
以前お兄ちゃんがパニックになった羊の群れに跳ね飛ばされて大怪我をした時、お父さんがお兄ちゃんを抱えて駆け込んだ神殿では、治癒魔法を使う前に浄財を求められ、それがまた、私達の綿羊毛などの収入(何ヶ月もかかる絨緞やフェルト糸、綿羊毛糸や織物、羊の毛皮、羊肉や羊の乳のチーズなんかの売上全部で)三年分だったと言う。
ちなみに、後から駆けつけたお祖母ちゃんが激怒して、その場でお兄ちゃんを完治させたのは、近隣の大ニュースだった。
お布施をとったり浄財をねだったりせず、強い魔法は負担も大きいのに文句も言わず恩に着せたりしないで、綺麗に完治させる奇特な人物は誰なのか、と話題になったし、しばらくは多くの人が、奇蹟の聖女を探し求めた。
神殿側も、無料でポーンとお兄ちゃんを完治させた(孫なんだから当たり前)お婆ちゃんのことは絶対に口外しなかった(自分達のプライドを守りたかったのか、浄財を求める対象をお祖母ちゃんにとられたくなかったのかは不明)し、お祖母ちゃんも周りに自分が治したなんて言いふらさなかったので、お祖母ちゃんを聖女だと崇める人や、怪我を治してくれって詰めかけたりする人は、その後もいなかった。
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