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廃鉱山の中は、アンデッドだらけ?

じゅう。『なぜ滝のような音がするのか、なぜ絡まり縺れ塊になってグールが雪崩れてくるのか』──それはこの場にいる誰にもわからなかった

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     👻

 なぜ滝のような音がするのか、なぜからまりもつかたまりになって、屍喰鬼グールが雪崩れてくるのか。

 それはこの場にいる誰にもわからなかった。

 見るだけで背を走る嫌悪感。見た事もないおぞましさ。

 ──あれに触りたくない

 素直な感想だった。

 でも、逃げ場がないのだ。私達の後ろは床が抜けて地の底へと続く大穴で、空を飛べない私達は、進むことができない。

 かと言って、程なくあの気持ち悪い塊の濁流に飲み込まれそうである。

 前門の屍喰鬼グールだまり、後門の奈落の底。

「どっちもいや~!!」

「そらそうだ」
 ラジエさんが応えてくれた。

 その声を合図に、全員が動き出した。

 ラジエさんは隣の坑道のランプにつなぎ直したロープに繋がれている。
 ギレウォッタさんも、壁とフィルタさんに繋がっている。
 壁に両手を突っ張っていたキールさんは、もちろん手は離し、私を抱えてフィルタさんに投げ、球技のようにパスした。
 私を受け止めたフィルタさんは、ギレウォッタさんと繋がっているロープを自身と私を纏めて巻きつけ、ギレウォッタさんと一緒に穴へ跳んだ。
 キールさんもラジエさんのロープを摘み、自身の腕に何周も巻いて、ラジエさんと一緒に穴へ跳んだ。

 私は、それを見ているだけだった。

 こうして記すと長い時間のように思えるけど、実際はほんの数秒間のことで、誰も言葉を発しないし、合図や取り決めがあった訳でもない。
 なのに、示し合わせずに咄嗟にこれだけの事を、瞬時に判断して行動に移したのだ。

 さすがは上級冒険者ハイクラスハンターですね。
 
「やればなんとかなるもんだな」
「言葉で示し合わせなくてもちゃんと解ってくれたんだな、嬉しいよ」
「それはいいが⋯⋯」

 ロープで繋がって、三人と二人は、足場のない壁にぶら下がっている。

 このあと、どうするんだろう⋯⋯


 程なく、屍喰鬼グールの塊は、坑道から溢れだし、その轟音の通り滝のようになって、大穴へ落ちていった。

「はっ! この、アレが落ちていった先に、アネッタさんとターレンさんがいるのでは?」
「うわっ⋯⋯それはヤバいかも」
「いや、飛行術や浮遊術を使っていたから、効きは悪くても、そう大怪我をせずに降りれたんじゃないだろうか? だったら、瓦礫や何かが落ちてくる事を予想して、真下からは移動している⋯⋯と思いたい」
「なんせ、何も見えないからなぁ」
「それ以前に、瘴気と冥気ヘルノに身体が蝕まれて動けなくなってないか?」
「真下を避けて移動する空間があればいいですけど」
 そんな都合よく行くだろうか?

「元々鉱山だったのなら、そして、あの釣瓶があった事を思えば、底まではそんなに高くなくて、横穴がいっぱいあった、と思うんだが」
「そ、そうですよね! 鉱山なんだもの、横穴いっぱいですよね」

 その横穴に、魔物や不死者アンデッドがたくさん詰まってないといいけれど。





 ❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈


 ここで今更注釈するのも何なんですが、セリフが並んでいる時、たいてい気楽にホイホイ喋っているのは生物使いクリーチャーテイマーラジエ、魔導士アネッタと、ちょっと知的ぶった中性的なのが考古学者で探検家のギレウォッタです。

こういう印入れようかと思いましたが、こういう手段取ると、作家志望としてはどうなのかと、やめました。
 
「やればなんとかなるもんだな」㋶
「言葉で示し合わせなくてもちゃんと解ってくれたんだな、嬉しいよ」㋖
「それはいいが⋯⋯」㋫

「はっ! この、アレが落ちていった先に、アネッタさんとターレンさんがいるのでは?」㋙
「うわっ⋯⋯それはヤバいかも」㋶
「いや、飛行術や浮遊術を使っていたから、効きは悪くても、そう大怪我をせずに降りれたんじゃないだろうか? だったら、瓦礫や何かが落ちてくる事を予想して、真下からは移動している⋯⋯と思いたい」㋒
「なんせ、何も見えないからなぁ」㋶
「それ以前に、瘴気と冥気ヘルノに身体が蝕まれて動けなくなってないか?」㋖
「真下を避けて移動する空間があればいいですけど」㋙

 こんな印なくても誰の台詞かわかるように書けないとだめですよね⋯⋯
 ガンバリマス






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