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コハク、遊び人Lv1 初めての大きな依頼に緊張シマス

ごぉ。『燃やした美味しそうな脂の匂いや血の臭いが他の魔物を呼び寄せるとの事で、穴を掘って埋めます』──みんな本当に手際がいいなぁ

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     ⛏️

 魔導師のアネッタさんが燃やした、美味しそうな脂の匂いのするボアもそうだけど、魔剣士のフィルタさんが切り落とした首や精霊術士のターレンさんの切り刻んだボアの子供などの血の臭いも、他の野生動物や魔物を呼び寄せるとの事で、とにかく穴を掘って、埋めて行く。
 ラジエさんの解体したボアの残り、肉の切り落としや脂身、骨に、特に内臓が強い臭気を放っていて、鼻のいい野生動物ならかなり遠くからでも寄ってくるとの事だった。

 人が埋まりそうなほど深めに掘り、死骸や解体した残りを埋めて行く。
 ターレンさんの精霊やアネッタさんが錬金術で作ったゴーレムであっという間だった。

「ここから先は、都度の処理はせず、まずは波濤はとうの一族の郷まで行こう」

 ラジエさんの言う通り、いちいち処理してると時間がとられるし、肉食の野生動物を呼び寄せ、キリがない。

〈隠す! みんな、森からめーない! バリア!!〉

 チットちゃんが大声を張り上げる。キールさん以外には、ニャニャニャーンとしか聴こえないらしい。

 ふんわりとメンバー7人全員が淡い薄緑の蛍光色に光り、その光が小さくなっていき、全身の表面を膜のように覆って光は消える。

「チットちゃん?」

 チルちゃんの鑑定技能スキルで見たところ、メンバー全員の能力値ステータス平均値より弱い外敵エネミーには、私達を認識できないとのことだった。
 クリスの神聖領域ホーリーエリアに似てるかな? あっちは寄って来ないものだけど、こちらは側にいても認識できないという。

「東海の地の上級職忍者NINJA砂海さかいの地の暗殺者ASSASSINみたいだな……」

 おお! あまり見かけないらしいけど、東海の大国と島国には、忍者と呼ばれる、音もなく気配を消して活動できて身体能力が人の限界値を超えてそうな超人が居るって聞いたことあるよ!
 砂漠とオアシスばかりの砂海にも、忍者に似た隠密行動の得意な、暗殺や特殊工作の上手な人がいるって。どちらも会った事はないけど。

「自分の生国に、忍者は数人居るが、俊敏性や瞬発力、集中力なんかは、能力値ステータスがカンストしてるんじゃないかって噂もあるな」
「砂海のアサッシンも似たような噂はあるけど、あった事ないからなぁ」

 魔剣士のフィルタさんは、東海の出身なのか。それこそ、飛竜に乗らないと、何ヶ月もかかる遠い国なんだよね。間に砂海や魔樹海や天空山脈があって、人の足ではなかなか移動が大変らしいから。

「海路や海岸線の小国の街道を行けば、時間はかかるがまだ楽だよ」

 行く機会があったら、海ぎわの小国を巡る街道を歩くことにしよう。

 チットちゃんの認識阻害魔法のおかげで、時折野生動物には遭うけど気づかれず、その日は野営地まで戦闘なく進めた。

 職業レベル1の、各能力値ステータスも一般人並みの私がいても、外敵に気づかれないくらい、みんなの能力値ステータスが高いってことなのね──








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