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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!

じゅう。『夏も終わり、早足で駆け抜ける秋。陽が落ちるとかなり涼しくなってくる』──寝泊まりの心配の相談はギルドで!

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 夏も終わり、早足で駆け抜ける秋。陽が落ちるとかなり涼しくなってくる。

 実は、街を取り囲む壁の内側で野宿をする、という手もあるにはある。

 宿に支払う余裕のない駆け出しの冒険者。
 安宿は、従業員や宿泊客の枕返し(盗難)の可能性など、セキュリティ面に信用できないという者。同じ信用がなく危険なら、お金を払いたくないのだろうか。
 何か事情があり、人目に触れられたくなくて、こっそり野営する者。

 そういった特殊な事情のある人達が、市街を取り囲む城壁のそばで、テントを張るのである。

 城壁の外のほりのそばでキャンプする人達も居るけど、城門が閉まるまでに街に入るのが間に合わなかった旅人や、都市部に用があって来た、別の街の要人を護衛してきた傭兵団なんかであって、登録冒険者ハンターは少ない。

 また、基本的に、身を守る術に自身のある男性が殆どだ。

「まあ、コハクちゃんは止めといた方がいいわね」

 アミナさんも、おそらく誰に訊いても、賛成はしないよね。

「お宿に泊まるなら、それなりの依頼を定期的に引き受けて成功させないといけないし、今は、そんなに手持ちはないっていうか、アレフ達と一緒にいたら生活の不安はそんなになかったので、今日のフィリシール代とお小遣いほどしか……」
「あら、アレフ達と一緒にいて、生活の不安がなかったのなら、分配金は貯まってるんじゃないの?」

 アミナさんの疑問ももっともである。

「それが……」
「まあ、細かい事情は訊かないわ。あまり自由が効くお金はなくて、今後の活動に不安があるって事よね?」
「はい」

 アミナさんは、頰をおさえてため息を吐いて、俯いた私の頭を見下ろす。

「セキュリティ面に信用があって、清潔、かつお値段が手頃、という宿や集合住宅も、ないではないわ。集合住宅を借りるなら、ギルドが保証人になってもいいわね。コハクちゃんなら」

「では……」

「でも、よく考えて? 安宿や長屋を借りるのは可能だけど、あなたは、このまま、この街を拠点に冒険ハントを続けるの?」
「え……」

 正直、それは考えてなかった。

 故郷の町を出てきた時は、このギルド、この街を拠点にして、冒険者ハンターになるつもりだった。

 でも、この先、依頼を請けにも達成してもギルドに顔を出して、アレフ達に出会ったら、気不味くないかな。

 捨てられたと言えば言い方は悪いけど、彼らも、あの場に残された役に立たない私の事に気が向かなかったのだろうけど、ダンジョンに置き去りにされたのだ。

 捨てられた身で、次に顔を合わせても「久しぶり! 元気にしてた?」なんて明るく言える自信はない。

 彼らだって、気まずいかもしれない。

 でも、今更、知らない街へ行って、新たな関係を築きながら、慣れないソロハントをやって行く自信もまた、なかったのだった。







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