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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!

きゅ。『まずは、街の外に出るか、どこかお宿を借りるか考える』──ひとり旅は危険がいっぱい?

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 まずは、街の外に出るか、どこかお宿を借りるか考える。

 無限収納袋祖母のイチゴポーチのおかげで、寝袋や簡易テントはあるから、野宿が出来ない訳じゃない。

 野営すればお金は要らないけど、野獣や魔物、もしかしたら夜盗や人攫ひとさらいに遭う可能性もある。
 索敵技能スキルのあるチルちゃん達に任せれば、何かが近寄って来てもわかるけど、撃退出来るかどうかは別だ。おそらく、ほぼ間違いなく出来ない。

 レベルが上がって、攻撃手段を身につけるか、安全圏を構築する結界魔法が使える(としたらたぶんチルちゃん達だよね)ようになるまで、危険は避けよう。


 *******


 お役所やお店と違って、実は『冒険者ハンター協会ギルド』は年中無休である。

 夜警を任される依頼への手配や準備と待機、急な魔物や野獣の襲来や、大規模な犯罪組織や他国からの襲撃に備えて、窓口は広く開放されているのだ。

 まあ、陽が落ちてからは、たまにギルド内に住み込みの女性職員もいるけど、たいていが男性職員である。

「あら、コハクちゃん、今日はよく来るわね?」

 アミナさんがいた。

 アミナさんは、10代の頃、ギルマスについて冒険に出ていた女傑でもある。
 だから【目利き】を持ってるんだね。しかもLvMAX。

「どうしたの? こんな夜分に。もう、食堂なんかも閉まる時間帯よ」
「うん。あの、ちょっと相談が……」

 冒険者ハンター協会ギルドは、何も冒険者ハンターの斡旋とサポートだけが仕事じゃない。

 会員登録されたギルドメンバーの、生活や能力、仲間内での問題トラブルなど、個人的プライベートな悩みごとの相談窓口もあるのだ。


 カウンターを男性職員に任せたアミナさんと、談話室へ行く。

 幾つかのテーブル──二人掛け、四人掛け、六人掛けが整然と並び、それぞれの間に立てられた遮音魔法のかかった遮蔽板で囲われている。

 二人掛けのテーブルに向かい合って座る。手には、談話室入り口横に設置された、魔力をそそぐか魔石で動くドリンクサーバーから、それぞれ好みの飲み物を注いできた。
 魔力がほぼ無い私は、ギルドカード内臓の魔石の力で稼働させる。

 アミナさんは頭がスッキリする香草茶、私は甘めでリラックス出来る、ドライフルーツ入りはちみつ茶を選んだ。
 アミナさんはお仕事の都合もあるのだろう。


「それで?」
「あの、クリスのタウンハウスを出てきたんですけど、今夜は、ううん、しばらくは、野宿よりお宿に泊まったほうがいいかと思うんですけど、良心的な料金で、安心できるお宿を紹介してもらえませんか?」

 アミナさんは、一瞬驚いた表情をしたが、すぐに納得の頷きで応える。

「そうか。そうよね。パーティから外れたのだもの。ずっとそのままお世話になんかなれないわよね。お姉さん、ウッカリしてたわ」
 
 私は、もうすぐ14歳になる。ある程度のお仕事なら一人前に任される歳だが、まだ大人とは言い切れない年齢でもある。

 アミナさんは、初めてここに来た時から、保護者のような気持ちで接してくれていた。だから、相談してみようと思ったのだ。








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