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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!
はち。『通いの使用人達が仕事を終えて静かになったエルフエーレ別宅』──二年間の名残りをかみしめて、いざ、旅立ちます!
しおりを挟む通いのメイドや下男たちが仕事を終えて帰って、静かになったクリスのためのタウンハウス。
執事のいないこの屋敷には、唯一執事に上り詰める可能性のある従僕のサイゼルさんが、家令に代わってクリスの銀食器を磨く。
家政婦長もいないので、侍女のラスエルさんが、ハウスキーパー達の仕事を管理していく。
夕食後は、彼女達は忙しい時間帯だ。
私は、辛さや恥ずかしさも手伝って、何も言わずに、屋敷を出た。
赤煉瓦の二階建てタウンハウス。
タウンハウスとは、社交シーズンだけ王都にやってきて過ごすためのものなので、王都に常駐する職についているか裕福な上位貴族以外、普通はテラスハウスタイプにして、庭も殆どないものだが、ここはちがう。
家名を継がない三男のクリスのために、ご家族が用意したもので、活動拠点として、小さいながらも坪庭や前庭を有し、玄関ポーチには馬車停めもある、上位貴族の血縁者の住まうに相応しい、こじんまりながらも立派な屋敷である。
そこは、男爵家嫡男エドガーや、公爵家のアレフの手前、あまり粗末なものは選択肢になかったのだろう。
技能【薬草学】を持っている私のために、調理場から裏庭に出たすみっこに、小さな菜園がつくられている。主にハーブとサラダに使える野菜を育てていた。
庭師さんが、ちゃんとあとを引き継いでくれるよね。
食事の間、お部屋に待っててもらった、スニャイムたち。お屋敷の人たちがスライムと思って慌てないためだ。
ラスエルさんとサイゼルさんには見られたけど、最初は、飼いならした使役スライムだと思ったみたい。
ラスエルさんは、この子達が妖精だと聞くと、つんつん押してみたり、チルちゃんを抱き上げてみたりしていた。結構、生き物好きらしい。
小さなチットちゃんは肩に、抱えるよりかは小さなチルちゃんは頭の上が定位置となりつつある。どちらも、妖精だけに重さは殆どない。
「よっし、それじゃ、行こっか」
スニャイムふたりと、遊び人Lv1コハク。
さてさて、どんな旅が待ってるかな?
応援ありがとうございます!
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