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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!

なな。『ラスエルさんが、食事中すまし顔で話してくれる』──わたしは、ちゃんと役に立っていた

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 ラスエルさんが、食事をしながら、こちらを見ずに、すまし顔で話してくれる。

「まだ、クリス様が補助魔法の一部しか扱えず、皆様の回復を、薬草や外用薬に頼っていた頃、癒やしの杖を振るわれてパーティを救ってくださったと。

 戦闘の疲れや、嫌な依頼主と会った後など、皆様の体調も気分も落ち込んでいた時に、明るい音色を奏でる杖を振るわれて、歌って踊られたり、愛らしいお声で楽しい話をされて皆様を和ませたと。

 それまで、味気ない携帯食や、野営場で獲れたものを単純に火を通すだけで食したりしていたものが、コハク様の手料理で、栄養面も味覚も救われたと。

 魔法の収納袋で荷物をたくさん持ち出せるようになり、コハク様が加入なさった事で、クエストに出るのが、格段に楽になったと。

 魔法の杖マジックツールを使われるのでレベルは上がらないものの、その働きは、一人で何役もこなして、とても助けられていると、仰られていましたよ」

 ──誰のこと? 随分と有能なサポーターさんの話に聴こえるけど。

 嘘みたい…… ラスエルさんが、私を気遣って言ってくれる嘘にも思えるけど、細かいところまで知ってるあたり、本当にクリスが、一度はそういうふうに言ってくれてたのかもしれない。

 ──嬉しい。私でも、みんなの役に立っていた時があったんだ。

 目のまわりがカーッと熱くなり、鼻がぐずっとなってくる。
 食事中に、お行儀が悪いね。

「ご、ごめんなさい。スープの湯気かな」

 誤魔化しきれるとは思わないけど。

 二人は、そうですね。熱いので気をつけて食べてくださいね。とだけ、見てないフリをしてくれた。

 よかった。メンバーにいて、良かったと思ってもらえた時期がちゃんとあったんだ。この二年は、無駄じゃなかったよね。

 サポーターだもん。アレフ達が一人前になる手助けをしたら、卒業するのは当たり前だよね。うん。

 私は、最後まで泣きながら食べてた。








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