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琥珀・もうすぐ14歳・♀・遊び人Lv.1!

にぃ。『本当は、あの日アレフに誘われなかったら、私はこうして一人で初級クエストを受けていたはずなのだ』──2年経ってるけど、初心から始めよう

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 本当は、あの日、アレフに誘われなかったら、私はこうして一人で初級の依頼クエストを受けていたはずなのだ。

「初心に戻るってやつよね!」

 ──2年経ってしまったけど、それでも無駄な二年じゃなかった。

 お料理技能スキルだってLv2になったし。

 一人では絶対に行けないような怖いダンジョンで、たくさん宝箱を鑑定して、いくつかの魔導具を アーティファクト ゲット出来たし。こればかりは、一人では絶対無理。

 それに、アレフ達とでなければ、踏破出来てなかっただろうし、宝箱から出て来た魔導具も、他のメンバーと分配して売られたり、手元に残せたのはもっと少なかったに違いない。
 


 アレフ達は、まだ宵風の森のダンジョンの中だろう。どの辺まで進んだかな。
 朝早く出て、ダンジョンに潜って早いうちに戦闘になって、そこで別れたから、まだ太陽は高い位置にある。

 フィリシールをカゴいっぱいくらい、普通の人なら探すのは大変だろうけど、私は技能スキル薬草学ピュロニカル』のおかげで、よく間違われるフィロシラと取り違えたりしないし、こうしてなにげに草地を見ても、あ、ある! ってすぐに目にとまる。

 ふふふ。もう、10株の束が出来るくらい見つかったわ。

 やはりすれ違う人の中には、私の頭の上のチルちゃんを見てギョッとするようだけど、誰も突っ込んでこない。

 本当にみんなの思うスライムだったとしても、私が魔物遣いディアブロテイマーで、この子達は使役してるブロブだと思ってるのだろう。

 私が持つ【薬草学ピュロニカル】の技能スキルを、チルちゃんやチットちゃんと心の一部を同調して共有する事で、草地を跳ねながら進むチットちゃんも見つけられるし、私も見つけるし、私の頭の上のチルちゃんは、更に【探索サーチ】を使って正確に見つけるのだ。

 採集系のクエストのルールとして、根こそぎ集めるのはタブー。
 根を残したり、複数生えている中から数株だけ取る。全滅させたら、次から困るし、何よりこの一帯の生態系を壊しかねない。

 それでも順調に見つかる。

 凄いね。街道から何mも離れてない位置なのに、こんなに見つかるなんて。

 他の人達は、フィリシールが生えてるって気づかないのかな? フィロシラだと思ってるのかな?

 ちょっと疲れたね、おやつにしようか。……なんて言う間もなく、サクサク仕事は捗り、あっという間にカゴいっぱい盛りもり零れそうなほど集る。

 押し付けてギュウギュウに詰めると、せっかくの虹色の花や効能のある葉が傷むし、ふわっと入れるだけなので、依頼主の意図と違ったら困るので、予備のカゴにも摘み集めておく。

「ふふふ。チットちゃん、チルちゃんのおかげで、今日中に終わったね」

 ふたりも嬉しそうに揺れている。

 暗くならないうちに、街に帰れたのだった。












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