男はエルフが常識?男女比1:1000の世界で100歳エルフが未来を選ぶ

ひらだいら

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38話 婚活パーティー1

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なんやかんや過ごしているとすぐ婚活パーティーこと男女社交パーティーの日になった。
大規模パーティーも対応出来る大きな社交館の男性側通路をゲンさんと一緒に歩く、後ろには護衛人としてクロノス施設員さん8人がついている。

この規模の大きな社交館は初めて来るが、通路は他の社交館とそう変わらないらしい。
男性側通路とは男性とその護衛人しか原則通ることが出来ない通路で、一般女性が意図的に迷い込まない限り遭遇しない仕組みとなっている。なお一般女性が男性側通路で発見された場合、不審者もしくは危険人物としての対応がされ、悪質な場合は警察を呼ばれ不法侵入で捕まる可能性もある。

男は芸能人のようなもので、道を同じにしてしまえば男女どちらも通るのに不便な場合が出てくる。最悪ドミノ倒しも起きえる。そのため、男性も利用する可能性の高い施設や店では男女別で通路や部屋が用意されている事も珍しくない。

「ゲンさん初めてなのに落ち着いてるね。」

「ん?誰が初めてだと言ったんじゃ?」

「ぇ!初めてじゃないの?」

マジか、流石200歳越えと言うべきか、経験豊富。
ゲンさんは恋愛したいタイプだったのか、お金が欲しいタイプだったのかどっちなんだろう?若い頃を知らないから意外と浪費家だったり、意外と恋に恋する事もあった可能性もあり得るよな。

「若い頃にだが、ワシの家族は過干渉でそれが嫌で2度ほどパーティーに参加したことがある。」

「結婚してないって事は、いい人が居なかった?」

「いや、過干渉の相手が家族から結婚相手に代わるだけだと気付いて施設入りを決めた。ああ、そうそうパーティーに疲れて会場の椅子に座っとるとすぐには逃げない獲物として女たちに囲まれるからな。疲れたら休憩室に移動するんじゃぞ?」

「やっぱり、囲まれちゃうんだぁ・・・」

「結婚に興味ある男だと見なされるからな。心配する事はない握手会の延長だと思えばいいんじゃ」

握手会では女性達は列になって並んでるから囲まれることはないので少し心配だ。ただ、ゲンさんが落ち着いているので俺もそこまで緊張せずに済んでいる。

まぁ、自分たちが連れてる施設員(護衛人)の他に社交館は社交館でちゃんと黒服のボーイならぬガール(施設員と遜色ないレベルの館員)もいるから変な事を起こそうとする人は居ないだろう。集まる女性達も第1夫人~第3夫人を狙えるポテンシャルがあって目の肥えてる人達だろうしね。

「・・・わぁ・・多いね。」

「・・そうじゃな」

会場には多くの女性達がおり、入ってきた俺達に目線が向けられる。
握手会で大人数と会う事はあるが俺の場合せいぜい50人から100人程度の規模だ。
それがここでは300人以上確定。400人。いや500人は超えてるかもしれない大人数の女性たちがいて男たちは・・・見えるところに5人も無いな。会場が広いのと女性に囲まれて見えないだけだったりするかな?それでも少なそうだ。俺は後ろに控える施設員さんに質問してみることにした。

「男性参加者って何人か分かる?」

「9名と聞いておりますが、当日に不参加を決める方や、大勢の女性を見てもう帰られた方もいるかもしれません。」

「10人いないんだ・・・」

「パーティは今日だけじゃないからな。他の日に来る者もおるじゃろ」

「なるほど」

俺達は今日だけだけど、この規模を何日もやるのか、凄いな。
男側は奉仕活動じゃないからお金貰えないけど、男なら誰でも参加OK・参加費無料。女性たちはある程度の選定があるはずだし、参加費だって少なくない金額払ってると思うんだけどその日だけなのか連日参加なんだろうか?

ゲンさんは俺が会場の雰囲気に固まっているのに気付いたのかズンズンと歩き出し、俺は慌てて付いていく、
パーティー会場はあと100人ぐらいは入っても余裕のあるほど広く、テーブル席もあるが多くの人が立食というスタンスで少人数のグループになって談笑している。会場中央では少数ながら女性同士でダンスをしている人達がいる。

音楽はCDでなく生演奏。ゲンさんは黒服のガールからシャンパングラスを受け取ったので俺も同じのを貰った。一口を付けてみると美味しいので安心する。お酒は立花邸宅で飲めるが強くはない事が分かったので、このパーティーでは何杯も飲まないように気を付けなければならない。近くの壁際にお酒が並んだカウンターがあり、バーテンダーらしき人もいるのでアルコール0の飲み物が欲しい時はそこを利用するとしよう。

「落ち着いたか?」

「そうだね。ありがとうゲンさん。」

俺としては大勢の女性の中を突っ切るゲンさんの落ち着きように驚きである。
そう思っていると黒髪で長い髪の女性が声をかけてきた。

「お2人はお友達ですか?」

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