男はエルフが常識？男女比1：1000の世界で100歳エルフが未来を選ぶ

34話 ユニーク魔法修行完了

立花や魔法学校の全面的協力もあり3カ月という期間でユニーク魔法の理解がかなり深まった。

例を挙げておこう。
【テレポート＆エスケープ】
→・移動範囲：日本全域
　・複数人移動：俺に触れている事と、俺が心の中で了承していれば一緒に移動できる。
　・注意事項：疲れるから連続使用の際は片道にならないように力をセーブする必要あり。

【治療ガラガラ】
→・病人経過：今の所、具合が悪くなったり再発は見つからない。
　・治せる範囲：ガンから虫歯までさまざま
　・抽選人選：当選者（病人）は俺と会った事がある人物である確率が高い。
　・注意事項：完治までのカウントダウンの時間は個人差がある。球体に表示されている病気しか治せないため複数病気持ちなど、必ずしも健康になるわけではない。

【テレポート＆エスケープ】の複数人移動の実験で、俺に触れている事が条件だけど、俺の任意で一緒に連れていける事が分かった時は実用性が一気に上がった事が分かり嬉しかった。

チート複数により、国などから重要人物とみられそうな俺にとっては護衛連れず1人で移動は危ない。
元から危険な場所には移動できないにしろ使用を認められず、宝の持ち腐れも有りえた。

【治療ガラガラ】はまだ治験数が少ないのか多いのか分からないけど、かなり慣れてきた。極端に言えば球体渡して治るのを短時間待つだけだからな。

なお、【治療ガラガラ】を使用しても俺はやっぱり疲れないし当選者がキラキラ光るのも変わらない。
それでも今のところは問題が見当たらないので、それが通常だと思われる。

3か月色々あったが、記録などを細かく取らないといけない事を条件に、施設クロノスに戻っても良いと譲ゆずるから言われた。

『立花』

『・・・俺は譲だが？』

『うん？・・・そうだね。』

『『・・・』』

『譲。ちょっと聞きたいことがあるんだけど』

『ああ、なんだ？』

食事会で下の名前で呼んだのが何気に気に入ったらしく立花呼びでは無視してくるようになった。後、食事会を機に社交ダンスを仕込まれ初心者ながらも簡単にだが踊れるようになった。
仲間意識も高まったし、今はもう人生の先輩というよりも博識な友人かな？

クロノスへの帰り方は【テレポート＆エスケープ】で一瞬だ。人も物も施設員も一緒に帰れる。研究兼訓練の一環で3回程クロノスの自分の部屋には行っているし、クロノスには事前に連絡もしているから問題もない。

「それじゃあ帰るね。」

「ああ、また手紙でもよこせ」

「テレポートで月1で来てくれてもいいわよ。」

譲と校長が見送ってくれた。
そうそう、火属性の朝火さんは校長の計らいで個人の火消しから試験を受けて消防士に戻ったらしい。

消防士を辞めたのは1つの所に勤め続けて周りに悪い影響は無いかという漠然な不安と魔女を怖がる新人の消防士に配慮した結果らしい。

ピエロ恐怖症に並びこの世界では魔女恐怖症という恐怖症があり、生理的に受け付けることが出来ない人がいるそうだ。誰も悪くない仕方のないことだ。

朝火さんの新しい職場は空港から近い消防署だから万が一飛行機に火の危険があったらすぐ駆けつけることが出来き、彼女なら多くの人達を救えるだろうとの事だ。

活躍できる人が潰れずやっていけそうで良かった。

俺は腕を前に出し護衛人たちが俺へ触れる。目を合わせた後、最後の挨拶をした。

「それじゃあまたね。」