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29話 ユニーク魔法と後ろ盾
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「朝火 桃・・・ああ、火属性の子だな。」
「そう、ピンク髪の子。知ってるんだ?」
図書館を出た俺は行く場所をとくに思い浮かばず魔法学校の本館にある立花の研究室に行き、先ほど会った火属性の魔女の事を聞いてみた。
「火属性特化で優秀な子だったな。確か消防士をしていいるはずだ。」
「今は、消防士やめて個人で火消しをしているらしいよ。それで上手くいってないみたい。」
「それは勿体ないな。ユニーク魔法も火消しに打って付けだったはずだが・・・」
どうから立花からも覚えめでたい子のようだ。
前世を思い出すきっかけとなった人生の分岐点に恋愛のほかに社会不安があって、おそらく今後良くも悪くも変化していくはずだ。
もしも社会不安により治安悪化するとして放火とか起きるのかな?放火って刑が重いだけあって予想もしない規模に広がる事もある。放火以外にも自然発生型の火事、事故による火事どれにしろ消すのにも時間がかかる。被害も大きい。
「俺の【テレポート&エスケープ】と連携出来たら世のためになると思わない?」
社会不安を少しでも小さくできたらいいと思い言ってみた。
「・・・お前に結婚するのか?」
「!?いや、そこまで考えてなかった。単純に世のためになるかな?って思っただけ」
「気を付けろ、朝火じゃなくても可能性があると勘違いするぞ。しかしお前が女でも大丈夫なら複数人移動が可能かどうかの実験はありだな。被験者に男はもしもの時に面倒だからな。適当に選んだと言って呼んでみるか?彼女のほかに2人ほど私が選んでおこう。」
手に物を持っての移動が出来る事は研究の中で確認できているから出来る可能性は十分ある。
「うん。良いね頼んだよ。」
「にしても、世のためか私のセールストークのような事を言うのだな。」
「そうなんだ。俺の場合は・・・施設で悠々と引きこもって暮らしてた期間がそれなりに長いからね。途中から奉仕活動もしたけど全然回数こなしてなかった。世間がそっとしておいてくれた分を返そうかって100歳になってそう思えるようになったよ。」
「殊勝な事だな。ベテラン職員でなかったら泣きはらしていた事だろう。」
後ろに控えていた鈴木さんを見る。涼しい顔をしている。
「ハハ、茶化さないでよ。」
「・・・まぁいい。暇なら私の研究成果でも見ていくといい。これは複数人のユニーク魔法の例が書かれている。」
立花は本棚から自身の本を取り出し俺に差し出した。
「ありがとう。ありがたく読むことにするよ。」
えっと最初は病魔悪食(びょうまあくじき)・・・
「最初からスゴイの載ってるね。病魔悪食なんて聞いたことない。」
「だろうな。10代の若い子だ。病気を黒い瘴気に具現化させ、それを吸い込む事で病気を軽くするユニーク魔法だ。お前のように完治させる事は出来ないが、この子のおかげで研究費を多く集めることが出来た。」
「スゴイね。この子は結婚してたりパトロンいるの?」
歴史上に治癒系のユニーク魔法を使う人がいたのは知ってたけど若い子でいるとは思わなかった。立花の事だから、それも考えてこの本を俺に渡してくれたんだろう。
俺も重要人物として縛られないためにパトロンを探している最中だ。(立花がパトロン1人目(仮))
参考にしておきたい。
「結婚はしてないな。彼女は後々この魔法学校の養護教諭。つまり保険の先生になる事が決まっている。校長が積極的に勧誘してたから、しいて言うなら学校が後ろ盾か?」
「変な輩に利用されないようで良かったよ。」
魔法学校の校長は200歳越えのおばあちゃん魔女だ。俺が魔法学校に通ってた時は副校長だったが老齢の前校長から引き継ぐ形で校長になったそうだ。強かさは変わらないだろうから彼女は良い後ろ盾を得ただろう。
「・・・言っておくが、お前に何かあったら私だけでなく学校が出るからな。それにお前はヒーラー、男でお前に感謝している者は多いはずだ。心配するな。」
「ヒーラー80年休業してたのに?」
「80歳以下の若者はともかく、男のヒーラーで身内とその紹介以外で診る奴は変わり者だ。それも毎回駆けつけるんだから印象に残らないはずがない。」
「そっか・・そう言ってくれるのは嬉しい。」
過去を褒めてもらえるのは恥ずかしい嬉しいの両方がある。
「そう、ピンク髪の子。知ってるんだ?」
図書館を出た俺は行く場所をとくに思い浮かばず魔法学校の本館にある立花の研究室に行き、先ほど会った火属性の魔女の事を聞いてみた。
「火属性特化で優秀な子だったな。確か消防士をしていいるはずだ。」
「今は、消防士やめて個人で火消しをしているらしいよ。それで上手くいってないみたい。」
「それは勿体ないな。ユニーク魔法も火消しに打って付けだったはずだが・・・」
どうから立花からも覚えめでたい子のようだ。
前世を思い出すきっかけとなった人生の分岐点に恋愛のほかに社会不安があって、おそらく今後良くも悪くも変化していくはずだ。
もしも社会不安により治安悪化するとして放火とか起きるのかな?放火って刑が重いだけあって予想もしない規模に広がる事もある。放火以外にも自然発生型の火事、事故による火事どれにしろ消すのにも時間がかかる。被害も大きい。
「俺の【テレポート&エスケープ】と連携出来たら世のためになると思わない?」
社会不安を少しでも小さくできたらいいと思い言ってみた。
「・・・お前に結婚するのか?」
「!?いや、そこまで考えてなかった。単純に世のためになるかな?って思っただけ」
「気を付けろ、朝火じゃなくても可能性があると勘違いするぞ。しかしお前が女でも大丈夫なら複数人移動が可能かどうかの実験はありだな。被験者に男はもしもの時に面倒だからな。適当に選んだと言って呼んでみるか?彼女のほかに2人ほど私が選んでおこう。」
手に物を持っての移動が出来る事は研究の中で確認できているから出来る可能性は十分ある。
「うん。良いね頼んだよ。」
「にしても、世のためか私のセールストークのような事を言うのだな。」
「そうなんだ。俺の場合は・・・施設で悠々と引きこもって暮らしてた期間がそれなりに長いからね。途中から奉仕活動もしたけど全然回数こなしてなかった。世間がそっとしておいてくれた分を返そうかって100歳になってそう思えるようになったよ。」
「殊勝な事だな。ベテラン職員でなかったら泣きはらしていた事だろう。」
後ろに控えていた鈴木さんを見る。涼しい顔をしている。
「ハハ、茶化さないでよ。」
「・・・まぁいい。暇なら私の研究成果でも見ていくといい。これは複数人のユニーク魔法の例が書かれている。」
立花は本棚から自身の本を取り出し俺に差し出した。
「ありがとう。ありがたく読むことにするよ。」
えっと最初は病魔悪食(びょうまあくじき)・・・
「最初からスゴイの載ってるね。病魔悪食なんて聞いたことない。」
「だろうな。10代の若い子だ。病気を黒い瘴気に具現化させ、それを吸い込む事で病気を軽くするユニーク魔法だ。お前のように完治させる事は出来ないが、この子のおかげで研究費を多く集めることが出来た。」
「スゴイね。この子は結婚してたりパトロンいるの?」
歴史上に治癒系のユニーク魔法を使う人がいたのは知ってたけど若い子でいるとは思わなかった。立花の事だから、それも考えてこの本を俺に渡してくれたんだろう。
俺も重要人物として縛られないためにパトロンを探している最中だ。(立花がパトロン1人目(仮))
参考にしておきたい。
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「変な輩に利用されないようで良かったよ。」
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「・・・言っておくが、お前に何かあったら私だけでなく学校が出るからな。それにお前はヒーラー、男でお前に感謝している者は多いはずだ。心配するな。」
「ヒーラー80年休業してたのに?」
「80歳以下の若者はともかく、男のヒーラーで身内とその紹介以外で診る奴は変わり者だ。それも毎回駆けつけるんだから印象に残らないはずがない。」
「そっか・・そう言ってくれるのは嬉しい。」
過去を褒めてもらえるのは恥ずかしい嬉しいの両方がある。
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