男はエルフが常識?男女比1:1000の世界で100歳エルフが未来を選ぶ

ひらだいら

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20話 未来の選択の第一歩

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チートを公表するにあたって最低限の自由は確保したかった。

男である時点で過労死はしないだろうが、護衛と言う名の監視や好奇な目にさらされる続ける可能性は考えられる。
他人の視線を気にしつつ動くというのはなかなかストレスがたまるもので、今の生活での気配を消せて個人情報を漏らさない施設員でさえ異性ということもあり気になる時は気になる。

俺は強い男ではない。物理的にも精神的にもである。
重要人物になるのは仕方なしとして受け入れるとしても、注目の中で精神をすり減らすサービスを提供するつもりはない。

理解あるパトロンが俺には必要だ。

魔法研究者である立花 譲たちばな ゆずるには、最初ユニーク魔法の注意事項などを見つけてくれる人物として秘密裏に接触して極秘で頼るつもりだった。

だが、よくよく考えると立花は俺と同じ男で、俺が魔法が使えなくなるほど精神的に繊細だとデータではなく実際に知っている人物であること、更には魔法研究の第一人者であり魔法学校の特別講師。魔法のためな労をいとわず女性にも顔が広い。

まさに、俺のパトロンに相応しい人物であると思い至った。

だから、彼頼るべく治癒魔法を再び使えるようになった事やユニーク魔法を保持していることを自覚した事、その簡単な概要を書き記し手紙を送った。

彼が直接施設クロノスに訪れたという事は、動くにあたり周りの女性には俺の情報が多少の情報が洩れている推測は出来る状況のはずだ。

男はふらっとコンビニにも行けない。護衛の人間が付いていれば大丈夫。ではあるがその前に護衛人が代わりに買い物に行くなど不要な外出は周り女性が回避するような動きをする。外出理由・場所をあらかじめ聞き護衛シミュレーションを考えたり、危険がある場合には警察と協力して見守りなんかもする。

立花は久成と同じく一軒家住みで施設住みとは違い組織的な護衛人は居ないはずだが、護衛人の優秀さに差はないと思う。施設とは違い一軒家向けの護衛の仕方があり人数が限られるからこそ連携が密であることも考えられるからだ。実際に俺が実家住みだったころの護衛人達は優秀だった。

それに彼には奥様が複数人いたはずだし、魔法学校にいる時間も多いだろうからその関係者。護衛人だけでなくそれらも周りの人間として含まれるだろう。

もう治癒魔法もユニーク魔法の存在も隠せない。

友人を助けただけで、手紙を送っただけで、人生が変わったのが分かる。
もう俺の未来は変わった。

治癒魔法もユニーク魔法も使わないひた隠しにする選択肢もあっただろう。

未来に男の立場が低いものに変わらない限り、引きこもり気味でボランティア感覚・日常の気分転換で奉仕活動を時々するだけの、それでも穏やかな人生を送れただろう。

それでも昔に傷を治したくて俺に辿り着いた友人を助けない選択も、
助かる病人達を知らない無かったことにする選択も俺は選びたくなかった。

だからこの選択に後悔はない。

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