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2話 制限速度40キロ

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季節外れの寒空に手袋まで完備の防寒バッチリの格好。

「・・・・ん?・・・んん?」

ゾンビが周りに見えないことを加味しても建物の中にいないことに不思議と恐怖を覚えずにいるのは生きている事での高揚感からだろうか?

だが俺は巨大ゾンビ(筋肉モリモリ)に殺されたはず・・・初手で食いちぎられたはずの横っ腹をさすりながら即死じゃなかったから痛かったな。と、五体満足で動ける状態なのを確認しつつ思いのほか冷静に自分が死んだことを仕方ないと受け入れられている。

「三途の川とか無いのか?」

一面冬景色。俺以外の幽霊?はどこだ?トボトボとある事になった。そして少ししてある考えに思い至る。

「そう言えば、瞬間移動すればいいのか・・・ぇ?」

今の発言についてはストレスとか心細さからくるもので説明出来るとして、目の前に倒れてる人間?幽霊?ゾンビ?が現れたのは何だ!?
周りを見渡せば自分が道路に立っている事を自覚しする。下は雪で隠れて土やアスファルトの黒さを確認出来ないが上には制限速度40キロの道路標識があるからだ。

あの世、文明発達してるんだナ。

さて、現状を考えるに場所が変わったという事は俺が移動した?もしもそうで、この人が幽霊でなければ俺は作り話のように命の危機を切っ掛けに超能力に目覚め巨大ゾンビから逃げ延びたのかもしれない。

その人は髪が長いから女性だろうか?それとも長髪の男性?うつぶせに倒れていて顔が確認出来ない。俺はすぐに逃げれるように少し離れ大きな声を出した。

「おい!!大丈夫か!!そのままだと死ぬぞ!!」

・・・・返事は無く、かすかに体が動いたという事もない。この大声で反応しないとなるとゾンビである可能性は低いだろうが、ちゃんとしゃがんで手で体制を変えようとしたいところだがゾンビだった場合、靴や服で覆われていない首や顔をゾンビに近づける事になる。近くに長生きの棒でもあればいいんだが無いので俺はその人を足でうつ伏せから仰向けにしようとしたが足が入らなかった。

「・・・」

俺はしゃがみ、その人の腹の下の周りに少し積もっている柔らかい雪を手ではらった。(もちろん手袋付けたまま)予想通り隙間が無い。凍り付いて地面の雪と言うか氷と張り付いてカチコチだ。念のために頭部も見てみたが案の定張り付いていて人間だったら窒息か低体温で間違いなく死んでいる状態だろう。

立ち上がり空を見上げる。面白味も無い曇り空と静けさ

「・・・・・・ハァ・・」

死人なんてゾンビで見慣れてると思ったのにやるせない気持ちになる。
・・・近くに家は見えないし道路という事はこの推定人間さんは車に乗ってただろうに何で行き倒れしてるんだ?

そう思ったら、また景色が変わった。

目の前あった死体は消え去り、ボンネットが開かれたままの車が現れた。
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