捻れて歪んで最後には

三浦イツキ

文字の大きさ
上 下
25 / 33
契約の夜

八(R18)

しおりを挟む
 体中が熱い。

 ちゃんと抗えていたのはいつまでだったか、すっかり快楽に呑み込まれた私の頭は幾度となく溺れ、それでもまだ置き去りにできない理性から湧き上がる羞恥で今にも焼き切れてしまいそうだった。

「ッあ……や、だっ……! また、変に、な、ぁっ!」
「教えただろう。きもちいい、と言うんだ。いつ覚える?」

 最初こそ到底入らないと思っていた彼の指が私の中で動くたび、淫らな音とともに背骨を小さな火花が駆け上がった。腰から広がるそれはやがて脳を痺れさせ、全身が痙攣してまた熱が上がる。もう何度目かもわからない。

 私がこんなことになっているのは魔術のせいだと言い聞かせつつも、笑い混じりの彼の低い声が耳をくすぐるたびに心臓が跳ねている。

 頼りない下着の紐はとっくの昔に解かれ、いつの間にか指は一本から二本に増え、やけに楽しそうな彼は私の体を弄び続けた。それは初めて知るその感覚が性的な快楽であると教えるには十分で、まるで望んでこの行為に耽っているかのような錯覚に陥らせる。

「だいぶ慣れたように見えるが、そろそろ次に進んでも?」
「な、んでも……いいから、早く、終わらせてください……!」
「そのように言われては寂しいな」

 一纏めに片手で封じていた私の両手首を解放すると、そのまま肩を掴んで体の向きを変えさせ、ベッドへ押し倒す。咄嗟に胸を隠す私を見て僅かに目を丸くしたが、すぐに愉快そうに唇を歪めた。

「まだ余裕があると捉えて良いか?」
「……そう、かも……しれま、せんね」

 虚勢も全て、どうせ見通しているのだろう。

「ゆっくり呼吸するんだ。体の力を全て抜いて」

 浅ましく濡れた秘所に何かが押し当てられる。軽く息を飲んで、できる限り力を抜いた。これが終わればきっと開放される。早く街に出て、教会で神様に謝らないと。

 思考を他へ飛ばしかけたのを強引に引き戻すように押し入ってきたそれは圧倒的な質量を持っていた。指とは全然違う。動きは遅いが、無理に内側から腹を広げられている。痛みがないことが不思議なくらいだ。

「むり、そんなっ……入らな、い……!」

 精一杯の強がりをすぐさま突き破られ、浅い呼吸を繰り返しながら訴えると動きが止まった。彼は腰を掴んだ手を片方だけ離し、私の頭の上へついて額にキスをひとつ落とす。

「私の指示通りに呼吸しろ。吸って……吐いて……、上手いぞ」

 いつになく湿った声に操られながら喉を震わせる。異物感は引かないが、苦しさだけは和らいでいくように思えた。

 そして、先程まで嫌というほど与えられたあの甘い欲が奥に潜んでいることに気づいてしまう。そんなものを求めてなどいないのに。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...