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ドラゴンさんは竜の王様。
彼の一言が「あの国滅ぼせ」だとすれば、その国は一夜にして滅ぶ。
それほどの発言力と影響力を持っている。
いくつもの山が連なる場所にたくさんの竜を集めたドラゴンさん。
黒色、赤色、黄色、青色、緑色、紫色、橙色、さまざまな色のドラゴンがいた。
数は異様そのもの。
「人の『王国』とやらが憂う目に会っている。本来なら救う必要もない矮小で卑屈なゴミ共であるが、故あって救ってやることにした。各自、自由に動け」
ドラゴンさんが言うと、たくさんの竜が一斉に羽ばたいた。
☆
帝王さんがいた。
彼は帝国という国の王様だ。
複雑な家庭の事情があり、実力相応ながらも早くに帝王となった。
王国などと同じ列強国のくくりにされている。
だが、帝国のとある面において各国から異端扱いされていた。
それは軍事。
帝国は貿易や農業があまり活性化していない。
しかし軍隊の練度や傭兵の質、なおかつその規模は莫大だった。
そのおかげか傘下の国は多数いて、列強の中でも群を抜いている一つだ。
それを若くして上手くまとめている帝王さん。
彼は部下の面々に言った。
「ちょっくら他の国に奪われるのはシャクだから王国に手を貸す。……そして王国を丸ごと奪い取って魔女を――」
最後の方は誰も聞き取ることができなかった。
だが、帝王の野心はいつものことなので誰一人として気に留めることはなかった。
☆
圧倒的な力を持つ二つの勢力が動き出した瞬間だった。
彼の一言が「あの国滅ぼせ」だとすれば、その国は一夜にして滅ぶ。
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「ちょっくら他の国に奪われるのはシャクだから王国に手を貸す。……そして王国を丸ごと奪い取って魔女を――」
最後の方は誰も聞き取ることができなかった。
だが、帝王の野心はいつものことなので誰一人として気に留めることはなかった。
☆
圧倒的な力を持つ二つの勢力が動き出した瞬間だった。
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