婚約破棄された令嬢は森で静かに暮らしたい

しざくれ

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魔女さん

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「契りを結んだことがある……? そういえばおまえどこかで」


 王子が悩む仕草をしてしばらくの間を開け、はっと思い出す。


「おまえソフィアか? ……ふ、ふははは……ふっはっははは!!」
「……なにが面白いんですか」
「なにっておまえ! そうかソフィアだったのか!! それは益々幸運だ。よかったな、この俺がもう一度婚約を結んでやる!!」


 王子が性懲りもなく、まるで鶏のような脳みそを披露する。
 周囲で話を聞いている騎士やドラゴンもさすがに呆れている。


「……きも」
「は?」
「さすがにキモいと言ったのです。冗談はその頭だけにしてください。あ、冗談みたいな頭をしてるから冗談しか言えないんですか? 哀れですね」


 興味のなさそうな眼差しで王子を見る魔女。
 王子は唖然とする。


「お、おまえ! 俺が婚約を結んでやると言っているんだぞ!!」
「拒絶します」


 徹底的に王子を離す魔女の目には決意があった。
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