死ぬのって怖くない

あせとあみのふぇん

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君は。

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「君にとって、私は何でしたか?生きる意味に匹敵しますか?」

そう問えるなら、是非問いたい。

でもきっと、君にとって私は、生きる意味の風上にも置けないだろう。

ただのお遊びだったかもしれない。

でも私は君に生きて欲しいとおもう。

同じ次元の世界で、同じ社会をみて、
同じ朝を迎えて、同じ様な身体をもって、
同じような夜を迎えて。

幸せなんてなくても、私にはその事実さえあれば、私の生きる意味だ。

でも君は、私と別れた日、

「もう、思い残すこととか大して無いんだよね。この歳で結婚してない男なんてさ、普通に考えてやばいじゃん?笑
年齢差的にも、君の事好きなのも多分、俺おかしかったんだと思うわぁ、」

と言った。

何度かその話は聞いていたけれど、

(私が居ればきっと、きっと大丈夫だ。
私が貴方の生きる意味になるし、なれるし、きっと貴方も私のために生きていてくれる。)

そう過信していた。
自分という存在にも。
自分のその価値にも。

その笑い声も、私に好きだというその声も、

全てフェイクだと言うなら、私はこの世の全てを疑わないと生きていけないだろう。

笑い声にフェイクがあって欲しくなかった。

心から笑えるなんて、綺麗事の塊なのも分かっている。

でも笑うという動作に、偽りがあるのはあまりにも苦しすぎる。

想像出来るだろうか?

私にはできない。

愛想笑いなんてものじゃなくて、ただ楽しそうに、屈託のない笑い声で笑うなんて、偽りで可能なのか?



きっと彼は、私の想像の範囲外に存在していた。

でもそんな彼は私に別れを告げた。

「もう関わるな」

そう言っている気がした。

私は、彼が1番辛い時に手を握って、受け止めて、引き止めてあげられないのか?

なぜなぜなぜなぜ!?


ずっと辛かった。

別れを告げられたことよりも、明日を生きる君を想像したくても出来ず辛そうな君を目の当たりにした悲しみと、そう君に思わせる世の中に、怒りを感じて、自分のための悲しさなんて、泣く吐息に混ざって消えた。


私は君の生きる意味にはなれない。


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