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第7章 土の大龍穴編
119 契約魔法
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僕とクリスタは土魔法の練習を続けた。
エルデボロス様の眷属であるアルさんたちがずっと指導をしてくれたおかげで、クリスタのグラウンドウォールは実戦で使えるぐらいに仕上がっていた。
僕も硬度を意識しながら土魔法を使うことで、グラウンドランスとグラウンドウォールの効果は飛躍的に向上していた。これなら実戦でも十分に使えそうだ。
練習を続けているとルシアとエルデボロス様が戻ってきた。
「二人とも土魔法の修得が進んだようだね」
「はい。アルさんたちの指導のおかげで僕もクリスタも形になってきました」
「それはよかった。私たちは大龍穴の確認作業に区切りがついたから戻ってきたよ」
『明日の朝、最終確認をして終わる予定だ。今日はここに宿泊させてもらうことにしたぞ』
「そうなんだ。エルデボロス様、ありがとうございます」
「クロノルシア様御一行の宿泊は大歓迎だよ。ゲストルームはたくさんあるからそれぞれ自由に使ってもらっていいよ。あとでアルたちに案内させよう。あっ、そうそう! ここには私の自慢の天然温泉もあるからゆったりと疲れを癒すといいよ」
ここにも天然温泉があるの! ヴァン様もアクアもこだわりの入浴施設を作ってたけど、エルデボロス様のところにもあるのか。龍族はお風呂が好きなんだな~。
そんなわけで土の大龍穴に泊まることになった。僕たちはルシアが用意してくれた夕食を食べて、それぞれゲストルームで休むことにした。
僕とルシアで一緒に温泉に入ったんだけど、とてつもない広さにびっくりしたよ! 100人入ってもまだまだ余裕のとんでもない広さ。僕たちのあとでクリスタも入ったんだけど、広くてのんびり入れて最高だったらしい。温泉の気持ち良さに感動してたね。
翌日、ルシアとエルデボロス様は朝一で大龍穴の確認に行って、1時間ほどで戻ってきた。
『念のために今日もエネルギーの流れを確認したが何の問題も無かったな。エルデボロスよ、引き続き大龍穴の管理を頼んだぞ』
「もちろんでございます。土の大龍穴は少々やんちゃですが私にお任せください。
クロノルシア様の用件がお済みでしたら、レアンデルたちに契約魔法について教えてやってもいいですかな?」
『ああ構わんぞ』
「それではレアンデル、クリスタ。そちらの椅子に座るとしよう」
僕とクリスタは朝食を食べたテーブルのところに移動する。エルデボロス様が魔法を教えてくれるなんてすごく楽しみだ。
「さて、契約魔法について説明をしよう。人間界でよく知られているのは奴隷化に使うことだ。人間界では奴隷魔法とも呼ばれているね。正しくは契約魔法による奴隷化だ。契約魔法とはその名の通り魔法を使って契約をすることだ。例えば奴隷化であれば奴隷が主に危害を加えないことや、命令に従うことを誓約とし、違反した場合は痛みなどのペナルティを課すといった契約を魔法で行う。契約魔法が属性魔法などと一番異なるところは、その効果が永続的で無ければ意味がない。それを解決するために便利なものが二つある。何だか分かるかね?」
エルデボロス様から問われて、僕とクリスタは目を合わせる。とりあえず僕から答えてみよう。
「一つは魔道具でしょうか?」
「正解だ。契約魔法を行使する魔力を使う方法として魔道具を補助として使うのは非常に効果的だ。もう一つは分かるかね?」
今度はクリスタが答える。
「魔法文字だと思います」
「その通り! 魔法文字を用いて、契約内容と、互いに契約を遵守するためのルールを取り決める。
この魔法文字こそ契約魔法の使い手の優劣を決める重大な要素なのだ」
魔法文字。僕はまだ授業で習ってないけど、学園では高等部三年生から習うんだったよな、確か。
深く勉強したい人は、専門の学校もあるって父上が言ってたな。
「私は土の大龍穴の管理者であり、研究者でもある。研究の主なテーマは二つ。一つが錬金術。もう一つが魔法文字だ。そして錬金術と魔法文字の研究を活かした結果の一つがアルたちゴーレムの眷属化というわけだ」
なるほど。エルデボロス様は錬金術と魔法文字の研究をしてるから、ゴーレムを眷属にすることができたんだね。
「契約魔法の中でも眷属化は特殊なのでな。私たちのように魔力を膨大に持つ者しか使えない。魔道具も必要とせず、眷属にする者の魂と契約を結ぶイメージだ」
魂と契約……。分かるような気もするけど、理屈は全然分からないな。
「しかし無機物であるゴーレムには魂が無い。そこで魔法文字を使って眷属化を実現することを構想し、魔法文字の組み合わせを試しまくって、長い年月をかけて完成した魔法文字の文章を特別なオリハルコンに刻むことで、ゴーレムの眷属化に成功したのだ」
普通に聞いてるけど、この話って誰にも話したらいけないレベルのとんでもない発見なのでは?
『エルデは簡単に説明しているが、それを実現するのは膨大な検証作業が必要だからな。誰にでもできることではないぞ』
そうだよね。新しい何かを出来るようになるってことはものすごいことだよ。
ルシアに褒められたエルデボロス様は、どうだ、すごいだろと言わんばかりの表情を浮かべて、満足そうに頷いていた。
エルデボロス様の眷属であるアルさんたちがずっと指導をしてくれたおかげで、クリスタのグラウンドウォールは実戦で使えるぐらいに仕上がっていた。
僕も硬度を意識しながら土魔法を使うことで、グラウンドランスとグラウンドウォールの効果は飛躍的に向上していた。これなら実戦でも十分に使えそうだ。
練習を続けているとルシアとエルデボロス様が戻ってきた。
「二人とも土魔法の修得が進んだようだね」
「はい。アルさんたちの指導のおかげで僕もクリスタも形になってきました」
「それはよかった。私たちは大龍穴の確認作業に区切りがついたから戻ってきたよ」
『明日の朝、最終確認をして終わる予定だ。今日はここに宿泊させてもらうことにしたぞ』
「そうなんだ。エルデボロス様、ありがとうございます」
「クロノルシア様御一行の宿泊は大歓迎だよ。ゲストルームはたくさんあるからそれぞれ自由に使ってもらっていいよ。あとでアルたちに案内させよう。あっ、そうそう! ここには私の自慢の天然温泉もあるからゆったりと疲れを癒すといいよ」
ここにも天然温泉があるの! ヴァン様もアクアもこだわりの入浴施設を作ってたけど、エルデボロス様のところにもあるのか。龍族はお風呂が好きなんだな~。
そんなわけで土の大龍穴に泊まることになった。僕たちはルシアが用意してくれた夕食を食べて、それぞれゲストルームで休むことにした。
僕とルシアで一緒に温泉に入ったんだけど、とてつもない広さにびっくりしたよ! 100人入ってもまだまだ余裕のとんでもない広さ。僕たちのあとでクリスタも入ったんだけど、広くてのんびり入れて最高だったらしい。温泉の気持ち良さに感動してたね。
翌日、ルシアとエルデボロス様は朝一で大龍穴の確認に行って、1時間ほどで戻ってきた。
『念のために今日もエネルギーの流れを確認したが何の問題も無かったな。エルデボロスよ、引き続き大龍穴の管理を頼んだぞ』
「もちろんでございます。土の大龍穴は少々やんちゃですが私にお任せください。
クロノルシア様の用件がお済みでしたら、レアンデルたちに契約魔法について教えてやってもいいですかな?」
『ああ構わんぞ』
「それではレアンデル、クリスタ。そちらの椅子に座るとしよう」
僕とクリスタは朝食を食べたテーブルのところに移動する。エルデボロス様が魔法を教えてくれるなんてすごく楽しみだ。
「さて、契約魔法について説明をしよう。人間界でよく知られているのは奴隷化に使うことだ。人間界では奴隷魔法とも呼ばれているね。正しくは契約魔法による奴隷化だ。契約魔法とはその名の通り魔法を使って契約をすることだ。例えば奴隷化であれば奴隷が主に危害を加えないことや、命令に従うことを誓約とし、違反した場合は痛みなどのペナルティを課すといった契約を魔法で行う。契約魔法が属性魔法などと一番異なるところは、その効果が永続的で無ければ意味がない。それを解決するために便利なものが二つある。何だか分かるかね?」
エルデボロス様から問われて、僕とクリスタは目を合わせる。とりあえず僕から答えてみよう。
「一つは魔道具でしょうか?」
「正解だ。契約魔法を行使する魔力を使う方法として魔道具を補助として使うのは非常に効果的だ。もう一つは分かるかね?」
今度はクリスタが答える。
「魔法文字だと思います」
「その通り! 魔法文字を用いて、契約内容と、互いに契約を遵守するためのルールを取り決める。
この魔法文字こそ契約魔法の使い手の優劣を決める重大な要素なのだ」
魔法文字。僕はまだ授業で習ってないけど、学園では高等部三年生から習うんだったよな、確か。
深く勉強したい人は、専門の学校もあるって父上が言ってたな。
「私は土の大龍穴の管理者であり、研究者でもある。研究の主なテーマは二つ。一つが錬金術。もう一つが魔法文字だ。そして錬金術と魔法文字の研究を活かした結果の一つがアルたちゴーレムの眷属化というわけだ」
なるほど。エルデボロス様は錬金術と魔法文字の研究をしてるから、ゴーレムを眷属にすることができたんだね。
「契約魔法の中でも眷属化は特殊なのでな。私たちのように魔力を膨大に持つ者しか使えない。魔道具も必要とせず、眷属にする者の魂と契約を結ぶイメージだ」
魂と契約……。分かるような気もするけど、理屈は全然分からないな。
「しかし無機物であるゴーレムには魂が無い。そこで魔法文字を使って眷属化を実現することを構想し、魔法文字の組み合わせを試しまくって、長い年月をかけて完成した魔法文字の文章を特別なオリハルコンに刻むことで、ゴーレムの眷属化に成功したのだ」
普通に聞いてるけど、この話って誰にも話したらいけないレベルのとんでもない発見なのでは?
『エルデは簡単に説明しているが、それを実現するのは膨大な検証作業が必要だからな。誰にでもできることではないぞ』
そうだよね。新しい何かを出来るようになるってことはものすごいことだよ。
ルシアに褒められたエルデボロス様は、どうだ、すごいだろと言わんばかりの表情を浮かべて、満足そうに頷いていた。
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