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第7章 土の大龍穴編
114 土の大龍穴を目指す
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「ここがモントオールか!! 山の上の方は雲で見えないや。とんでもない高さだね!」
僕たちはルシアの転移で世界一高い山であるモントオールの麓にやってきた。クリスタもモントオールを見て「景色もすごいですが、何か神秘的な力を感じます」と感動している。
僕にとって山と言えば、火龍様が住むセントウェリス火山なんだけど、高さだけで言えば倍以上はありそうだ。
『お主の学園の教科書には、火龍がいる山は聖火山セントウェリス、土龍がいる山は霊峰モントオールと書いてあったな。モントオールはセントウェリスの倍ぐらいの高さだが、土龍エルデボロスがいるのは地下の洞窟だ。とりあえず今から登るわけではないから、身構える必要はない。洞窟の入り口はすぐそこだ。出発するぞ』
僕たちの目の前にはゴツゴツとした岩がたくさんあって、その奥にはぽっかりと口を開けているかのような洞窟の入り口が見えていた。
ルシアについて歩いて行くと、その入り口の前で足を止めた。
『土の大龍穴は、洞窟の奥深くまで潜って行かねばならん。走って行けばそんなに時間はかからないがな。それで二人とも奥の方を見てみるがよい』
奥の方を見てみると真っ暗だ。日光が当たらないんだから当然か。
「真っ暗闇の中を走るのは厳しいってことだよね。僕たちは魔力は見えるけど、真っ暗な中で足元や壁に注意して走るのは難しそうだね」
『そういうことだ。我は暗闇だろうと関係なく見えるが、お主たちはそうではない。目を魔法で強化しても、暗闇が見えるようになる効果は得られないからな』
「僕が火魔法で明るくするのはどうかな?」
『その手段もあるが、洞窟の中で火魔法を使い続けるのはダメだ。以前、我が勉強のときに教えたであろう。お主たち人間種は呼吸をして酸素を取り入れなければ生きていられない。火魔法を使えば酸素が少なくなるのだ』
そういえば、以前の勉強のときに酸素について教えてもらったね。人間界では詳しく習わない知識だが……とか言いながら。あの授業面白かったな。
「それでは用心しながら、なるべく急いで行くしかないのでしょうか。私が使える魔法を考えてみましたが、暗闇で役に立ちそうなものが思い浮かばないです」
クリスタも色々考えて見たんだろうけど、暗闇を解決する上手い方法は無いようだ。
『ふむ。レンはどうだ? 何か急いで行ける方法は浮かばないか?』
う~ん。何か方法があるかな。こんな風にルシアが聞いてくるということは、きっと答えがあると思うんだよな。……あっ! もしかして!
「探知魔法を上手く使えばいけるのかも? ちょっとやってみるよ」
僕が今使っている探知魔法の対象は、魔力を持っているものにしている。探知魔法の画面には、洞窟を上から見たような地図も表示されている。これを立体的に見ることが出来れば……。
「おお! 画面には洞窟の内部がきれいに映し出されたよ! これを見れば走ることも出来そうだ!」
探知魔法の画面上には、鮮明に洞窟の様子が映っている。これなら暗闇でも何とかなりそうだ。
『そうだ。いつもお主が使っている探知魔法も色々な使い方ができる。一つの使い方にとらわれてはいかんぞ』
「本当にそうだね。勉強になったよ」
『他にはないのか?』
「えっ?」
『他には方法が無いのかを聞いておる』
探知魔法以外の方法? 何かあるかな……。いや、ダメだ。浮かんでこない。
『ふむ。探知魔法も正解ではあるがな。普通ならばそれでよい。
しかしお主は空の紋章の所有者。時空間魔法の使い手なのだ。空間を把握するのは基本技術だぞ』
「時空間魔法か……。それは考えてなかったな」
『転移をするときは見えない空間を把握する必要があるのは分かるな。まだお主は目の前に転移する訓練をしている段階だが、ここはちょうどいい修行の場だ。目の前の暗闇の空間を頭の中で把握しながら進め。実際に転移する必要はない。見えない空間を把握する訓練だ』
そういうことか。僕は転移の訓練のおかげで、見える範囲なら頭の中で空間を把握することが出来るようになった。
それを暗闇の中でも実践すればいいわけか。
「分かった。洞窟に入ったらやってみるよ」
すごくやりがいがありそうな修行だぞ。頑張って修得しないとな。
「……あの~、私は探知魔法も使えないのですが、どうしたら良いでしょうか……」
ごめんごめん。クリスタのことを放置しちゃってたよ。
『探知魔法が使えぬのか。お主ならば習いさえすればすぐに覚えられたであろうに。ふむ。それなら今から我が指導してやろう』
「ありがとうございます!」
それから30分ぐらいクリスタに探知魔法の使い方を教えるルシア。
『……ふむ。やはり魔法に関しては総合的に高い素質を持っているな。
基本的な使い方は今教えた通りだ。今回は探知魔法に慣れるぐらいの気持ちで付いてくるとよい。優先することは、障壁魔法を意識せずとも使えるようになることだからな』
「はい。分かりました。教えていただいてありがとうございます」
それでは、土の大龍穴を目指すとしますかね!
僕たちはルシアの転移で世界一高い山であるモントオールの麓にやってきた。クリスタもモントオールを見て「景色もすごいですが、何か神秘的な力を感じます」と感動している。
僕にとって山と言えば、火龍様が住むセントウェリス火山なんだけど、高さだけで言えば倍以上はありそうだ。
『お主の学園の教科書には、火龍がいる山は聖火山セントウェリス、土龍がいる山は霊峰モントオールと書いてあったな。モントオールはセントウェリスの倍ぐらいの高さだが、土龍エルデボロスがいるのは地下の洞窟だ。とりあえず今から登るわけではないから、身構える必要はない。洞窟の入り口はすぐそこだ。出発するぞ』
僕たちの目の前にはゴツゴツとした岩がたくさんあって、その奥にはぽっかりと口を開けているかのような洞窟の入り口が見えていた。
ルシアについて歩いて行くと、その入り口の前で足を止めた。
『土の大龍穴は、洞窟の奥深くまで潜って行かねばならん。走って行けばそんなに時間はかからないがな。それで二人とも奥の方を見てみるがよい』
奥の方を見てみると真っ暗だ。日光が当たらないんだから当然か。
「真っ暗闇の中を走るのは厳しいってことだよね。僕たちは魔力は見えるけど、真っ暗な中で足元や壁に注意して走るのは難しそうだね」
『そういうことだ。我は暗闇だろうと関係なく見えるが、お主たちはそうではない。目を魔法で強化しても、暗闇が見えるようになる効果は得られないからな』
「僕が火魔法で明るくするのはどうかな?」
『その手段もあるが、洞窟の中で火魔法を使い続けるのはダメだ。以前、我が勉強のときに教えたであろう。お主たち人間種は呼吸をして酸素を取り入れなければ生きていられない。火魔法を使えば酸素が少なくなるのだ』
そういえば、以前の勉強のときに酸素について教えてもらったね。人間界では詳しく習わない知識だが……とか言いながら。あの授業面白かったな。
「それでは用心しながら、なるべく急いで行くしかないのでしょうか。私が使える魔法を考えてみましたが、暗闇で役に立ちそうなものが思い浮かばないです」
クリスタも色々考えて見たんだろうけど、暗闇を解決する上手い方法は無いようだ。
『ふむ。レンはどうだ? 何か急いで行ける方法は浮かばないか?』
う~ん。何か方法があるかな。こんな風にルシアが聞いてくるということは、きっと答えがあると思うんだよな。……あっ! もしかして!
「探知魔法を上手く使えばいけるのかも? ちょっとやってみるよ」
僕が今使っている探知魔法の対象は、魔力を持っているものにしている。探知魔法の画面には、洞窟を上から見たような地図も表示されている。これを立体的に見ることが出来れば……。
「おお! 画面には洞窟の内部がきれいに映し出されたよ! これを見れば走ることも出来そうだ!」
探知魔法の画面上には、鮮明に洞窟の様子が映っている。これなら暗闇でも何とかなりそうだ。
『そうだ。いつもお主が使っている探知魔法も色々な使い方ができる。一つの使い方にとらわれてはいかんぞ』
「本当にそうだね。勉強になったよ」
『他にはないのか?』
「えっ?」
『他には方法が無いのかを聞いておる』
探知魔法以外の方法? 何かあるかな……。いや、ダメだ。浮かんでこない。
『ふむ。探知魔法も正解ではあるがな。普通ならばそれでよい。
しかしお主は空の紋章の所有者。時空間魔法の使い手なのだ。空間を把握するのは基本技術だぞ』
「時空間魔法か……。それは考えてなかったな」
『転移をするときは見えない空間を把握する必要があるのは分かるな。まだお主は目の前に転移する訓練をしている段階だが、ここはちょうどいい修行の場だ。目の前の暗闇の空間を頭の中で把握しながら進め。実際に転移する必要はない。見えない空間を把握する訓練だ』
そういうことか。僕は転移の訓練のおかげで、見える範囲なら頭の中で空間を把握することが出来るようになった。
それを暗闇の中でも実践すればいいわけか。
「分かった。洞窟に入ったらやってみるよ」
すごくやりがいがありそうな修行だぞ。頑張って修得しないとな。
「……あの~、私は探知魔法も使えないのですが、どうしたら良いでしょうか……」
ごめんごめん。クリスタのことを放置しちゃってたよ。
『探知魔法が使えぬのか。お主ならば習いさえすればすぐに覚えられたであろうに。ふむ。それなら今から我が指導してやろう』
「ありがとうございます!」
それから30分ぐらいクリスタに探知魔法の使い方を教えるルシア。
『……ふむ。やはり魔法に関しては総合的に高い素質を持っているな。
基本的な使い方は今教えた通りだ。今回は探知魔法に慣れるぐらいの気持ちで付いてくるとよい。優先することは、障壁魔法を意識せずとも使えるようになることだからな』
「はい。分かりました。教えていただいてありがとうございます」
それでは、土の大龍穴を目指すとしますかね!
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