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第5章 ネイスエル女王国編
77 王宮での交渉
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「湖に潜りたい? それはダメだ。湖に入ることは法律で禁じられている」
僕たちは王宮に付くと、王宮の入り口で門番をしている男性を見つけ話をしている。
「でも僕たちはどうしても潜らないと行けないんです。誰か許可を出せる人はいないのでしょうか?」
「許可……か。湖に潜るのは女王様と人魚だけだからな。例外は聞いたことが無いし、許可となると女王様しか考えられないが、いきなり女王様にお伺いを立てるとか無理だな」
湖に潜るのは女王様の許可がいるのか。それはハードルが高い話だな。何か方法は無いものかな。一応聞いてみよう。
「ちなみにですが、女王様にお願いする手順としてはどのようなことが考えられますか?」
門番の男性が腕組みして考えてくれている。威圧的にダメとは言わずに、こうやって考えてくれる当り、親切な人なんだろうな。
「まず湖に潜るという許可が出るとは思えない。それでもお願いするというのなら手紙でも書いてもらって預かるぐらいかな。ただし、いつ返事が来るかも分からないし、女王様のところに手渡される約束もできないけどな」
手紙か。確かにウェスタール王国で王様にお願いがあるとしてもいきなり会うなんて無理だし、手紙も届くかどうかは分かんないよね。
「王宮に知り合いとかはいないのか? それなら少しは可能性があるかも知れないぞ」
王宮に知り合い……いや、いないです。ルシアにもいないだろうな。水龍様とは知り合いだろうけど。
そうやって、門番の男性と話をしていると、遠くの方から女性が走ってくるのが見える。
さっき、受付施設のところで用紙を渡してくれた女性だ。
「そこのお2人お待ちくださ~い!」
僕たちのことかな? 何かやらかした? 少し息を切らしながら魚人の女性が駆け寄ってきた。
「ふぅ~。追いつきました。Cランクハンターのレンさんとルシアさんで間違いないですね?」
「はい。そうですけど……」
「レンさんは用紙に本名も記入してありましたが、レアンデル=アリウスというお名前で間違いないですか?」
「はい。そうです」
「ウェスタール王国の名門貴族であるアリウス家の方でしょうか?」
「名門かどうかは分かりませんが、父はランバート=アリウスで、僕は長男になります」
受付用紙の名前の欄にはレンという名前を書いたけど、王宮の許可も兼ねているというから本名も書いたんだけど、まずかったかな。
「やはりアリウス家のご子息でしたか! ランバート様の武名はネイスエル女王国にも届いています。お時間があるようでしたら、王宮でお茶でも召し上がられませんか?」
父上ってそんなに有名だったの? 確かにレオーネ陛下もご存知だったけどさ。
『せっかくのお誘いだ。お茶をいただこうではないか』
「それでは、よろしくお願いします」
ルシアが僕に目で合図をしてきたけど、僕にも分かってるよ。せっかく王宮に入れるチャンスだもんね。
僕たちは受付の女性について王宮の中へと入って行った。後ろで門番の人が「きちんとコネがあってよかったな!」みたいなことを言ってたようだけど、こんな展開になることは予想してませんでしたよ。
僕たちは10人ぐらいは入れる応接室みたいな部屋に通されると、コーヒーとお茶菓子を出されて、椅子に座ってまったりとくつろいでいる。案内してくれた女性が誰かを連れてくるらしく、それを待っている状態だ。
「一体、誰が来るんだろうね?」
まあ、ルシアはそういうことに興味は無いと思うけど、独り言のように呟いてみた。するとドアがノックされて、部屋に2人入ってきた。案内してくれた女性とガッチリとした体格の魚人の男性だ。見た目的に鮫の魚人に間違いないだろう。
「お待たせしました。お連れしたのは、ザック=ガレオス伯爵です。受付から王宮に連絡したところ、どうしてもアリウス家の方に会ってみたいと言われまして」
「お初にお目にかかる。王宮警備隊長を務めるザック=ガレオスと申す。君の父であるランバート殿の武名は聞き及んでいる。そんな方の子息が来られていると聞いて、失礼ながら呼び出してもらった訳だ。
質問なのだが、この国に来たのは視察なのか? それともただの観光か?」
あ~。なるほど。父上のことを知っていて、突然その息子らしき者が現れたから、その目的を知りたいってことかな。
「視察ではありません。観光というのは少し含まれてるところもありますが、正確にはこちらにいる父の知人に教わりながら、修行の旅をしているところです」
ここでもルシアと作った設定を伝えることにした。実際にルシアに教わりながら修行の旅をしてるんだけどね。
「修行の旅……その若さで修行の旅に出されるとは流石はアリウス家! 自分の子どもを甘やかさず、外の世界で強さを身に付けさせるとは武門の鑑のような教育ですな」
ガレオス伯爵がものすごく頷いてる。どう見ても武闘派という雰囲気だもんな。厳しい修行などの話は大好きなんだろうな。
「それで1つお願いがあるのです」
「お願いとは?」
「こちらにいる父の知人であるルシアさんからの提案で、女王様から湖に潜る許可をいただきたいのです」
『我はルシアと言う。水龍とは知り合いでな。久しぶりに会いに来たのだ。それには湖に潜っていくのが早いゆえ、許可がいるのならもらいたい』
「水龍様と知り合い? 湖に潜りたい? 馬鹿を申すな! 水龍アクア様は女王様しかお会いできない神聖なお方。そのようなお願いなど聞ける訳がなかろう!」
あ~、怒っちゃったね。この反応は予想してたけどさ。さて、どうすることにしますかね。
僕たちは王宮に付くと、王宮の入り口で門番をしている男性を見つけ話をしている。
「でも僕たちはどうしても潜らないと行けないんです。誰か許可を出せる人はいないのでしょうか?」
「許可……か。湖に潜るのは女王様と人魚だけだからな。例外は聞いたことが無いし、許可となると女王様しか考えられないが、いきなり女王様にお伺いを立てるとか無理だな」
湖に潜るのは女王様の許可がいるのか。それはハードルが高い話だな。何か方法は無いものかな。一応聞いてみよう。
「ちなみにですが、女王様にお願いする手順としてはどのようなことが考えられますか?」
門番の男性が腕組みして考えてくれている。威圧的にダメとは言わずに、こうやって考えてくれる当り、親切な人なんだろうな。
「まず湖に潜るという許可が出るとは思えない。それでもお願いするというのなら手紙でも書いてもらって預かるぐらいかな。ただし、いつ返事が来るかも分からないし、女王様のところに手渡される約束もできないけどな」
手紙か。確かにウェスタール王国で王様にお願いがあるとしてもいきなり会うなんて無理だし、手紙も届くかどうかは分かんないよね。
「王宮に知り合いとかはいないのか? それなら少しは可能性があるかも知れないぞ」
王宮に知り合い……いや、いないです。ルシアにもいないだろうな。水龍様とは知り合いだろうけど。
そうやって、門番の男性と話をしていると、遠くの方から女性が走ってくるのが見える。
さっき、受付施設のところで用紙を渡してくれた女性だ。
「そこのお2人お待ちくださ~い!」
僕たちのことかな? 何かやらかした? 少し息を切らしながら魚人の女性が駆け寄ってきた。
「ふぅ~。追いつきました。Cランクハンターのレンさんとルシアさんで間違いないですね?」
「はい。そうですけど……」
「レンさんは用紙に本名も記入してありましたが、レアンデル=アリウスというお名前で間違いないですか?」
「はい。そうです」
「ウェスタール王国の名門貴族であるアリウス家の方でしょうか?」
「名門かどうかは分かりませんが、父はランバート=アリウスで、僕は長男になります」
受付用紙の名前の欄にはレンという名前を書いたけど、王宮の許可も兼ねているというから本名も書いたんだけど、まずかったかな。
「やはりアリウス家のご子息でしたか! ランバート様の武名はネイスエル女王国にも届いています。お時間があるようでしたら、王宮でお茶でも召し上がられませんか?」
父上ってそんなに有名だったの? 確かにレオーネ陛下もご存知だったけどさ。
『せっかくのお誘いだ。お茶をいただこうではないか』
「それでは、よろしくお願いします」
ルシアが僕に目で合図をしてきたけど、僕にも分かってるよ。せっかく王宮に入れるチャンスだもんね。
僕たちは受付の女性について王宮の中へと入って行った。後ろで門番の人が「きちんとコネがあってよかったな!」みたいなことを言ってたようだけど、こんな展開になることは予想してませんでしたよ。
僕たちは10人ぐらいは入れる応接室みたいな部屋に通されると、コーヒーとお茶菓子を出されて、椅子に座ってまったりとくつろいでいる。案内してくれた女性が誰かを連れてくるらしく、それを待っている状態だ。
「一体、誰が来るんだろうね?」
まあ、ルシアはそういうことに興味は無いと思うけど、独り言のように呟いてみた。するとドアがノックされて、部屋に2人入ってきた。案内してくれた女性とガッチリとした体格の魚人の男性だ。見た目的に鮫の魚人に間違いないだろう。
「お待たせしました。お連れしたのは、ザック=ガレオス伯爵です。受付から王宮に連絡したところ、どうしてもアリウス家の方に会ってみたいと言われまして」
「お初にお目にかかる。王宮警備隊長を務めるザック=ガレオスと申す。君の父であるランバート殿の武名は聞き及んでいる。そんな方の子息が来られていると聞いて、失礼ながら呼び出してもらった訳だ。
質問なのだが、この国に来たのは視察なのか? それともただの観光か?」
あ~。なるほど。父上のことを知っていて、突然その息子らしき者が現れたから、その目的を知りたいってことかな。
「視察ではありません。観光というのは少し含まれてるところもありますが、正確にはこちらにいる父の知人に教わりながら、修行の旅をしているところです」
ここでもルシアと作った設定を伝えることにした。実際にルシアに教わりながら修行の旅をしてるんだけどね。
「修行の旅……その若さで修行の旅に出されるとは流石はアリウス家! 自分の子どもを甘やかさず、外の世界で強さを身に付けさせるとは武門の鑑のような教育ですな」
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「それで1つお願いがあるのです」
「お願いとは?」
「こちらにいる父の知人であるルシアさんからの提案で、女王様から湖に潜る許可をいただきたいのです」
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「水龍様と知り合い? 湖に潜りたい? 馬鹿を申すな! 水龍アクア様は女王様しかお会いできない神聖なお方。そのようなお願いなど聞ける訳がなかろう!」
あ~、怒っちゃったね。この反応は予想してたけどさ。さて、どうすることにしますかね。
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