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第5章 ネイスエル女王国編
76 ローネ湖を目指す
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午前中で実戦訓練を終えた僕たちは、休憩を兼ねた昼食をとって、水の大龍穴に向かうことにした。
「水の大龍穴ってこの王都にある湖から行くんだったよね」
『そうだ。湖を潜って行くと水の大龍穴に繋がっている。早速、湖に向かうとしよう』
僕たちは王都の中心にある湖に向かった。そこには意外な光景が待ち受けていた。
「これって……湖はこの高い壁で入れないようにしてあるようだね。警備をしてるような人もちらほらいるし。どういうことか聞いてみようか」
王都の中心に近づくと高さ3mはある壁が、延々と建てられている光景が目に入ってきた。おそらく湖を囲むように建てられているんだろう。
小さな湖と聞いてたけど、壁の長さを見る限り小さくは感じないな。
とりあえず近くにいる警備の人らしき魚人の男性に声をかける。
「あの、この壁の向こう側って湖ですよね? 近くに行くことはできないんでしょうか?」
魚人の男性はニヤッと笑って答える。
「人族の観光客か? 聖なる湖であるローネ湖は今から約50年前にこの守りの壁が完成したんだ。それからは王宮の許可無しでは壁の内側に入ることはできない。勝手に入ると法律で罰せられるから注意するんだぞ」
へ~、そうなんだ。授業でも習わなかったな。
『ふむ。それでは王宮に行ってみるとしよう』
「いきなり王宮に行って許可を貰えるものなのかな? でも、とにかく行ってみるしかないか」
僕たちは魚人の警備員に王宮までの道を教えてもらったので、このまま訪ねてみることにした。場所といっても壁の横に作ってある歩道を歩けば着くらしいから、迷うようなことはないけどね。
「ここだね! 壁に大きな門があるよ。警備の人が言ってたように、この門を通れば湖の中央に王宮があるってことか」
警備の人に教えてもらってたんだけど、通称守りの壁という壁が湖をグルっと囲んでいて、東西の2か所に王宮に入るための大きな門がある。そこを通ると湖の中央にある王宮に行けるらしい。ネイスエルの王宮って湖に浮かんでるのかな? 警備の人も詳しい仕組みは知らないって言ってたんだよね。
「あそこに受付みたいな施設があるよ。人が並んでるから行ってみよう」
大きな門の横には平屋の建物が作られている。そこに人が並んでるから、おそらく王宮に入るための受付じゃないかな。
「は~い。ローネ湖見物の受付はこちらですよ~。こちらの書類に記入をお願いしま~す」
ん? 魚人の女性が大きな声で説明をしながら何か用紙を配ってるぞ。
「あら、あなたたちは人族の観光者ね。中の受付がいっぱいだから、先にこの用紙に記入をお願いね」
用紙を見てみると、名前や出身国、職業などを記入するところがある。あと、入場料が1万ゴルド……入るの有料なんだ! というか、王宮の許可が無いと入れないんじゃないの? どういうこと?
「すみません。この用紙を記入して入場料を払えば誰でも入れるんですか?」
「そうよ。でも誰でもかと言われると、明らかに素性がおかしい人は入れないわね。あんまり無いことだけど」
「壁の内側に入るのは王宮の許可がいると聞いたんですけど、入っていいんですか?」
「もちろんよ。用紙の記入と入場料を払ってもらえれば王宮の許可が出たことになるのよ。ここは王宮が作ったローネ湖に入るための受付施設。ここでの受付が王宮の許可よ」
そうなんだ。もっと大変な許可をイメージしてたんだけど、なんか有料の観光スポットという感じだね。
少し待っていると僕たちの順番が来て、建物の中で受付をすることになった。
僕とルシアは記入した用紙を受付に提出する。用紙の確認はすぐに終わり、入場料を2人分で2万ゴルド支払った。これで受付は完了。無事に王宮の許可がもらえたというわけだ。
そして門に入る前に簡単な注意事項の説明があった。
壁の内側にはローネ湖があり、公園のような施設になってるそうだ。ほとりで湖を眺めるもよし、散歩するもよしとのこと。
王宮に用事がある場合はさらに王宮で受付が必要ということだ。
あと、これが一番重要なことなんだけど、ローネ湖は神が祀られた神聖な湖なので、泳いだり、釣りをしたりするのはダメ。つまり湖自体に入ってはダメらしい。
「壁の内側には入れたし、目の前には湖があるけど、入ったらダメなのか。何か振り出しに戻ったような感じだね」
僕たちは門を通って、ローネ湖のほとりで水面を眺めていた。
聖なる湖と言われるように、清らかな雰囲気が漂ってる。水がものすごく透明で綺麗だ。
『ふむ。ネイスエルの法律がどのように定められているのかは知らんが、大龍穴に行かねばならんから強行突破だな』
「えっ! このまま潜って行くの?」
『まあ、それは最終手段だな。まずは王宮を訪ねてみよう。湖を眺めていても仕方がない。湖に潜る許可がもらえれば何も問題はない』
「そうだね。強行突破する前に駄目元でも王宮に許可をもらいに行ってみよう」
王宮は湖の中央に浮かぶように建っている。
僕たちは王宮にかかる長い橋を歩いて行った。
「水の大龍穴ってこの王都にある湖から行くんだったよね」
『そうだ。湖を潜って行くと水の大龍穴に繋がっている。早速、湖に向かうとしよう』
僕たちは王都の中心にある湖に向かった。そこには意外な光景が待ち受けていた。
「これって……湖はこの高い壁で入れないようにしてあるようだね。警備をしてるような人もちらほらいるし。どういうことか聞いてみようか」
王都の中心に近づくと高さ3mはある壁が、延々と建てられている光景が目に入ってきた。おそらく湖を囲むように建てられているんだろう。
小さな湖と聞いてたけど、壁の長さを見る限り小さくは感じないな。
とりあえず近くにいる警備の人らしき魚人の男性に声をかける。
「あの、この壁の向こう側って湖ですよね? 近くに行くことはできないんでしょうか?」
魚人の男性はニヤッと笑って答える。
「人族の観光客か? 聖なる湖であるローネ湖は今から約50年前にこの守りの壁が完成したんだ。それからは王宮の許可無しでは壁の内側に入ることはできない。勝手に入ると法律で罰せられるから注意するんだぞ」
へ~、そうなんだ。授業でも習わなかったな。
『ふむ。それでは王宮に行ってみるとしよう』
「いきなり王宮に行って許可を貰えるものなのかな? でも、とにかく行ってみるしかないか」
僕たちは魚人の警備員に王宮までの道を教えてもらったので、このまま訪ねてみることにした。場所といっても壁の横に作ってある歩道を歩けば着くらしいから、迷うようなことはないけどね。
「ここだね! 壁に大きな門があるよ。警備の人が言ってたように、この門を通れば湖の中央に王宮があるってことか」
警備の人に教えてもらってたんだけど、通称守りの壁という壁が湖をグルっと囲んでいて、東西の2か所に王宮に入るための大きな門がある。そこを通ると湖の中央にある王宮に行けるらしい。ネイスエルの王宮って湖に浮かんでるのかな? 警備の人も詳しい仕組みは知らないって言ってたんだよね。
「あそこに受付みたいな施設があるよ。人が並んでるから行ってみよう」
大きな門の横には平屋の建物が作られている。そこに人が並んでるから、おそらく王宮に入るための受付じゃないかな。
「は~い。ローネ湖見物の受付はこちらですよ~。こちらの書類に記入をお願いしま~す」
ん? 魚人の女性が大きな声で説明をしながら何か用紙を配ってるぞ。
「あら、あなたたちは人族の観光者ね。中の受付がいっぱいだから、先にこの用紙に記入をお願いね」
用紙を見てみると、名前や出身国、職業などを記入するところがある。あと、入場料が1万ゴルド……入るの有料なんだ! というか、王宮の許可が無いと入れないんじゃないの? どういうこと?
「すみません。この用紙を記入して入場料を払えば誰でも入れるんですか?」
「そうよ。でも誰でもかと言われると、明らかに素性がおかしい人は入れないわね。あんまり無いことだけど」
「壁の内側に入るのは王宮の許可がいると聞いたんですけど、入っていいんですか?」
「もちろんよ。用紙の記入と入場料を払ってもらえれば王宮の許可が出たことになるのよ。ここは王宮が作ったローネ湖に入るための受付施設。ここでの受付が王宮の許可よ」
そうなんだ。もっと大変な許可をイメージしてたんだけど、なんか有料の観光スポットという感じだね。
少し待っていると僕たちの順番が来て、建物の中で受付をすることになった。
僕とルシアは記入した用紙を受付に提出する。用紙の確認はすぐに終わり、入場料を2人分で2万ゴルド支払った。これで受付は完了。無事に王宮の許可がもらえたというわけだ。
そして門に入る前に簡単な注意事項の説明があった。
壁の内側にはローネ湖があり、公園のような施設になってるそうだ。ほとりで湖を眺めるもよし、散歩するもよしとのこと。
王宮に用事がある場合はさらに王宮で受付が必要ということだ。
あと、これが一番重要なことなんだけど、ローネ湖は神が祀られた神聖な湖なので、泳いだり、釣りをしたりするのはダメ。つまり湖自体に入ってはダメらしい。
「壁の内側には入れたし、目の前には湖があるけど、入ったらダメなのか。何か振り出しに戻ったような感じだね」
僕たちは門を通って、ローネ湖のほとりで水面を眺めていた。
聖なる湖と言われるように、清らかな雰囲気が漂ってる。水がものすごく透明で綺麗だ。
『ふむ。ネイスエルの法律がどのように定められているのかは知らんが、大龍穴に行かねばならんから強行突破だな』
「えっ! このまま潜って行くの?」
『まあ、それは最終手段だな。まずは王宮を訪ねてみよう。湖を眺めていても仕方がない。湖に潜る許可がもらえれば何も問題はない』
「そうだね。強行突破する前に駄目元でも王宮に許可をもらいに行ってみよう」
王宮は湖の中央に浮かぶように建っている。
僕たちは王宮にかかる長い橋を歩いて行った。
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