71 / 131
第4章 帝都アウシルバード編
70 特別な魔道具
しおりを挟む 兄達に守られるように腰を下ろす龍花は次々と現れる点心に驚く。
「金魚さん! それにフカフカ……」
「これは饅頭と言ってね? 昔、言い伝えがあって、父上のお友だちの諸葛孔明様がある川を渡ろうとしたんだよ。でもね? そこは魔物のいる川として有名で、捧げ物をしないと氾濫すると言われた川だったんだ。で、その捧げ物の代わりに作らせたといわれているんだよ。今では色々変化していて、中にお野菜とか詰めてたり、お肉とか、癖を消すためにニラとか生姜とか、白菜とかとを混ぜて包んでいるのとか……あ、こっちは甘いあんこを包んだ桃まん」
「捧げ物……?」
「えっと……」
統は躊躇う。
まだ小さい妹には……。
と、思っていたのに、あっさりと真正面の髭! が。
「人の首だ。人を殺して、川に……」
「う、うわぁぁん!」
桃まんを次兄の広に取って貰っていた龍花は顔を歪める。
「お兄様! これ、これ……」
「アホ親父! 小さい龍花に何を言う!」
広は怒鳴り付け、統は慌てて、
「あのね、これは、変じゃないんだよ? それにね? 孔明様は『そんな悲惨なことは続いてはいけない。大切な命を奪うことはしてはならない。代わりに、こちらを』って蒸してね……だから大丈夫。それに、お魚さんは綺麗でしょ? 金魚は本当に金運を呼ぶとか言われているんだけど……大丈夫。本物の金魚さんを探しに行こうね?」
「金魚さん……」
「あ、私の趣味……」
関平……紫蘭が恐る恐る手をあげる。
「じ、実は、趣味で……日本から、沢山の金魚を送って貰って……金魚鉢で……育てているんだけど、見る?」
「あ、そうだ! 紫蘭、一杯動物育ててるんだよ! ほら、あそこの庭に……」
「あ、赤兎」
にゅっと首を突っ込むのは、兎とは本当に名ばかりの、栗色よりも赤みのある毛並みの馬。
「う……」
「あ、赤兎は、大きな馬だけど、大丈夫! ほら、赤兎、この前生まれた……」
「紫蘭は、何でもかんでも拾うから、何だ? 雛か? うさぎか? ネズミに猫、犬に鹿、狼に虎、ライオンにパンダ、熊に象。どれだ?」
「パンダ? パンダさんって……?」
首をかしげる少女に、統は説明する。
「熊なんだけど、お目目の回りは黒くて……」
「あー、兄貴! 説明面倒! 紫蘭! 行くぞ! パンダ! ……おっちゃん。また泣かせたら、親父に言いつけるからな!」
広は紫蘭を掴んで引っ張っていく。
「パンダ……?」
首をかしげる少女に、ため息をついた関聖帝君は、
「現在、中国では大熊猫と呼ばれている。熊と猫に似ていると言われているが、熊は知っているか?」
「えと……喉に白い毛がある大きいの?」
「あれはツキノワグマと言い、まだ小さい方だ。日本には大きいヒグマと言う熊がいる。世界にも色々熊はいるが、変わった姿をしている。紫蘭は、何故か変わったものに好かれる。パンダはピヤピヤ鳴いていた裸の赤ん坊を拾ってきて、育てた。他にも象やライオンに虎も怪我をしていたり弱っていたのを手当てをしたらついてきたといっていた」
と、ざわざわとしはじめ、姿を見せたのはコロコロと可愛いぬいぐるみのような白と黒の生きもの。
「白黒ちゃん?」
「この子がジャイアントパンダの子供。で、アジアライオンの子供に、ホワイトタイガーの兄弟。ユキヒョウもいるよ。こら? 伯。爪出さない!」
爪を立てて喧嘩を売ろうとしたのか、飛び出そうとするホワイトタイガーをつまむ。
「仲も叔も季も、喧嘩しない!」
「お名前わかるの?」
「ん? あぁ、一番目が伯。初対面には攻撃的なんだ。兄弟を守ろうとするのを止められなくて……普段は大人しいけど。二番目が仲、鼻の上の引っ掻き傷は、伯に怒られて引っ掻かれたんだ。で、これが、叔。三番目。一番やんちゃ。で、季は末っ子で一匹だけ女の子。一回り小さいでしょ? おんなじ兄弟だけど、季だけ未熟児で生まれたんだ……わぁぁ! 季!」
ホワイトタイガーの子供が、とっとこと近づくと、猫のように手をあげる。
構って、構って?
と言いたげな様子に、目を輝かせ、だっこする。
「にゃんこさん!」
「いや、龍花っ! それ、猫じゃないよ? 虎だよ? 虎!」
冷静な統も顔色を変える。
「それは子供で、おっきくなったら、その赤兎位の馬も、獲物にするんだよ? 猛獣! 猫じゃない!」
「えぇぇ? にゃんこさん、がぶーするの?」
喉をくすぐられゴロゴロと甘える様は猫科だが、脚が、大きさが違いすぎる。
「紫蘭! これ、引き取って! パンダかうさぎ! 危険物外を!」
「パンダも猛獣だけど……」
「のんきに言うな! 龍花が飼いたいっていったら……」
「お兄様飼って良いの?」
目をキラキラさせて言う姿に、
「えっとね? 龍花……犬とかならと……」
「でも、兄貴」
アジアライオンの子供と遊びながら、広が余計なことを言った。
「犬。家じゃいつかないじゃん。白竜駒が嫌がるし」
「広! 余計なことを!」
「お兄様……駄目?」
子供の虎を抱き締め、上目使いに見る愛らしい妹のおねだりに……統は屈した。
「……し、紫蘭に、飼い方を教えてもらうんだよ? それに、ちゃんとしつけはしなくちゃね?」
「基本的に自由なんだけど……猫科だから、無理に抑え込むと攻撃するよ?」
「そこで余計な口挟むな! 紫蘭! それぐらい解ってる! けど、ある程度は必要だといってるんだ!」
「わーい!」
喜んでいると、何やら3頭の兄弟が顔を見て、とことこと龍花に近づく。
くいくいと手を動かしたり、スリスリと足に頭をすり寄せたり……。
「え? 皆来るの?」
「紫蘭!」
「えっと……基本的に猫科だから……」
「逃げるな! どうするんだ! 虎だぞ虎! まだ金魚なら良かった!」
統は嘆くが、妹のおねだりに屈した。
渋い顔で、点心を食べた後、
「じゃぁ、一応、帰りに迎えに来るから……」
と口にして、内心は『来ずに帰ってやる』と思っていた統に、紫蘭は、
「周倉の叔父さんに頼んでおくから、大丈夫だよ。あぁ、私も、孔明様の所に伺おうと思ってるんだ。一緒に行くね」
とにっこり笑う。
統は裏があるが、紫蘭は全く裏表がなく、素直である。
悪気はないが、逆に……。
「……解った。龍花。一緒に行こうね」
怒りをこらえつつ妹を連れていこうとしたのだが、
「お兄様! 龍花、紫蘭お兄様とお話しする!」
「……じゃぁ、そうしようね」
心の中で、
『明日は紫蘭をボッコボコにしてやる!』
と宣言する兄貴の姿に、首をすくめ……。
「……兄貴、負のオーラ全開だぞ。笑顔が怖い! 龍花泣くぞ」
とだけ声をかけたのだった。
「金魚さん! それにフカフカ……」
「これは饅頭と言ってね? 昔、言い伝えがあって、父上のお友だちの諸葛孔明様がある川を渡ろうとしたんだよ。でもね? そこは魔物のいる川として有名で、捧げ物をしないと氾濫すると言われた川だったんだ。で、その捧げ物の代わりに作らせたといわれているんだよ。今では色々変化していて、中にお野菜とか詰めてたり、お肉とか、癖を消すためにニラとか生姜とか、白菜とかとを混ぜて包んでいるのとか……あ、こっちは甘いあんこを包んだ桃まん」
「捧げ物……?」
「えっと……」
統は躊躇う。
まだ小さい妹には……。
と、思っていたのに、あっさりと真正面の髭! が。
「人の首だ。人を殺して、川に……」
「う、うわぁぁん!」
桃まんを次兄の広に取って貰っていた龍花は顔を歪める。
「お兄様! これ、これ……」
「アホ親父! 小さい龍花に何を言う!」
広は怒鳴り付け、統は慌てて、
「あのね、これは、変じゃないんだよ? それにね? 孔明様は『そんな悲惨なことは続いてはいけない。大切な命を奪うことはしてはならない。代わりに、こちらを』って蒸してね……だから大丈夫。それに、お魚さんは綺麗でしょ? 金魚は本当に金運を呼ぶとか言われているんだけど……大丈夫。本物の金魚さんを探しに行こうね?」
「金魚さん……」
「あ、私の趣味……」
関平……紫蘭が恐る恐る手をあげる。
「じ、実は、趣味で……日本から、沢山の金魚を送って貰って……金魚鉢で……育てているんだけど、見る?」
「あ、そうだ! 紫蘭、一杯動物育ててるんだよ! ほら、あそこの庭に……」
「あ、赤兎」
にゅっと首を突っ込むのは、兎とは本当に名ばかりの、栗色よりも赤みのある毛並みの馬。
「う……」
「あ、赤兎は、大きな馬だけど、大丈夫! ほら、赤兎、この前生まれた……」
「紫蘭は、何でもかんでも拾うから、何だ? 雛か? うさぎか? ネズミに猫、犬に鹿、狼に虎、ライオンにパンダ、熊に象。どれだ?」
「パンダ? パンダさんって……?」
首をかしげる少女に、統は説明する。
「熊なんだけど、お目目の回りは黒くて……」
「あー、兄貴! 説明面倒! 紫蘭! 行くぞ! パンダ! ……おっちゃん。また泣かせたら、親父に言いつけるからな!」
広は紫蘭を掴んで引っ張っていく。
「パンダ……?」
首をかしげる少女に、ため息をついた関聖帝君は、
「現在、中国では大熊猫と呼ばれている。熊と猫に似ていると言われているが、熊は知っているか?」
「えと……喉に白い毛がある大きいの?」
「あれはツキノワグマと言い、まだ小さい方だ。日本には大きいヒグマと言う熊がいる。世界にも色々熊はいるが、変わった姿をしている。紫蘭は、何故か変わったものに好かれる。パンダはピヤピヤ鳴いていた裸の赤ん坊を拾ってきて、育てた。他にも象やライオンに虎も怪我をしていたり弱っていたのを手当てをしたらついてきたといっていた」
と、ざわざわとしはじめ、姿を見せたのはコロコロと可愛いぬいぐるみのような白と黒の生きもの。
「白黒ちゃん?」
「この子がジャイアントパンダの子供。で、アジアライオンの子供に、ホワイトタイガーの兄弟。ユキヒョウもいるよ。こら? 伯。爪出さない!」
爪を立てて喧嘩を売ろうとしたのか、飛び出そうとするホワイトタイガーをつまむ。
「仲も叔も季も、喧嘩しない!」
「お名前わかるの?」
「ん? あぁ、一番目が伯。初対面には攻撃的なんだ。兄弟を守ろうとするのを止められなくて……普段は大人しいけど。二番目が仲、鼻の上の引っ掻き傷は、伯に怒られて引っ掻かれたんだ。で、これが、叔。三番目。一番やんちゃ。で、季は末っ子で一匹だけ女の子。一回り小さいでしょ? おんなじ兄弟だけど、季だけ未熟児で生まれたんだ……わぁぁ! 季!」
ホワイトタイガーの子供が、とっとこと近づくと、猫のように手をあげる。
構って、構って?
と言いたげな様子に、目を輝かせ、だっこする。
「にゃんこさん!」
「いや、龍花っ! それ、猫じゃないよ? 虎だよ? 虎!」
冷静な統も顔色を変える。
「それは子供で、おっきくなったら、その赤兎位の馬も、獲物にするんだよ? 猛獣! 猫じゃない!」
「えぇぇ? にゃんこさん、がぶーするの?」
喉をくすぐられゴロゴロと甘える様は猫科だが、脚が、大きさが違いすぎる。
「紫蘭! これ、引き取って! パンダかうさぎ! 危険物外を!」
「パンダも猛獣だけど……」
「のんきに言うな! 龍花が飼いたいっていったら……」
「お兄様飼って良いの?」
目をキラキラさせて言う姿に、
「えっとね? 龍花……犬とかならと……」
「でも、兄貴」
アジアライオンの子供と遊びながら、広が余計なことを言った。
「犬。家じゃいつかないじゃん。白竜駒が嫌がるし」
「広! 余計なことを!」
「お兄様……駄目?」
子供の虎を抱き締め、上目使いに見る愛らしい妹のおねだりに……統は屈した。
「……し、紫蘭に、飼い方を教えてもらうんだよ? それに、ちゃんとしつけはしなくちゃね?」
「基本的に自由なんだけど……猫科だから、無理に抑え込むと攻撃するよ?」
「そこで余計な口挟むな! 紫蘭! それぐらい解ってる! けど、ある程度は必要だといってるんだ!」
「わーい!」
喜んでいると、何やら3頭の兄弟が顔を見て、とことこと龍花に近づく。
くいくいと手を動かしたり、スリスリと足に頭をすり寄せたり……。
「え? 皆来るの?」
「紫蘭!」
「えっと……基本的に猫科だから……」
「逃げるな! どうするんだ! 虎だぞ虎! まだ金魚なら良かった!」
統は嘆くが、妹のおねだりに屈した。
渋い顔で、点心を食べた後、
「じゃぁ、一応、帰りに迎えに来るから……」
と口にして、内心は『来ずに帰ってやる』と思っていた統に、紫蘭は、
「周倉の叔父さんに頼んでおくから、大丈夫だよ。あぁ、私も、孔明様の所に伺おうと思ってるんだ。一緒に行くね」
とにっこり笑う。
統は裏があるが、紫蘭は全く裏表がなく、素直である。
悪気はないが、逆に……。
「……解った。龍花。一緒に行こうね」
怒りをこらえつつ妹を連れていこうとしたのだが、
「お兄様! 龍花、紫蘭お兄様とお話しする!」
「……じゃぁ、そうしようね」
心の中で、
『明日は紫蘭をボッコボコにしてやる!』
と宣言する兄貴の姿に、首をすくめ……。
「……兄貴、負のオーラ全開だぞ。笑顔が怖い! 龍花泣くぞ」
とだけ声をかけたのだった。
0
お気に入りに追加
1,492
あなたにおすすめの小説
終了し強制力の無くなった乙女ゲームの世界の悪役令嬢のその後…
クロノス
恋愛
私はよくある異世界に転生した元日本人で社会人だった。仕事の帰り道によくあるトラック事故にて呆気なく死んでしまった/(-_-)\
まさかの転生先が前世で何度もプレーする程大好きだった乙女ゲームの中の悪役令嬢になっていた。
私の前世の推しである悪役令嬢になるなんて~
攻略対象者?ヒロイン?知りません!
って思ってたらヒロインめちゃくちゃウザイし攻略対象者もめちゃくちゃウザイ…
強制力やっぱりあるし( ・᷄ὢ・᷅ )
強制力あっても何とか逞しく乗り切ろうとする悪役令嬢に転生した私の物語
女神の愛し子の私に冤罪って…
って何故かどんどん話のスケールがでかくなってませんか!?
ゆるふわ設定です!
頭をラフにしてお読み下さい(*^^*)

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
魔拳のデイドリーマー
osho
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生した少年・ミナト。ちょっと物騒な大自然の中で、優しくて美人でエキセントリックなお母さんに育てられた彼が、我流の魔法と鍛えた肉体を武器に、常識とか色々ぶっちぎりつつもあくまで気ままに過ごしていくお話。
主人公最強系の転生ファンタジーになります。未熟者の書いた、自己満足が執筆方針の拙い文ですが、お暇な方、よろしければどうぞ見ていってください。感想などいただけると嬉しいです。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる