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第3章 ハンターの町 ボレアザント編
45 みんなで食事会
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僕とレナールさんはハンターギルド前に到着し、約束の時間になるのを待っていると時間ピッタリにルシアが現れた。
『待たせたな。さあ行こう』
レナールさんが案内する美味しいお店に行くのが待ち切れないのが丸わかりだな。
「よし! 3人とも揃ったし出発! ……と言いたいところだが、もう一人連れて行ってもいいか?」
「もう一人? 誰ですか?」
「ハンター登録の説明をしてくれたミナだ。俺たちのパーティはいつも世話になってるんだ。それに今ギルドで一番の話題のハンターのことで質問攻めにあってるらしいから息抜きも兼ねてな」
「一番話題のハンターですか?」
「レン、お前のことだよ」
「えっ? 僕のことですか!?」
「そうだよ。ハンター登録した当日にとんでもない素材を売ったFランクハンターとなれば、一体何者なんだと話題にならないわけがない。推薦した俺は昨日今日とギルドに行ってないから何も聞かれてないが、受付にいるミナは質問攻めで困ってるというわけだな」
そんなことになってるとは思いもしなかったな。悪いことをしたわけじゃないけど、なんか申し訳ない気持ちになるね。
『我は構わんぞ。美味しいものが食べられるなら誰とでもよい』
「僕も大丈夫です。大勢で食べる食事は楽しいですから」
「そうか! それならちょうどミナの仕事が終わる時間だから誘ってくるぜ。ちょっと待っててくれ」
そう言うとレナールさんはハンターギルドの中に入って行った。
「待たせたな。ミナを誘ってきたぞ」
「すみません。レナールさんのお誘いに甘えて、みなさんの食事にご一緒させてもらうことにしました」
レナールさんが猫の獣人であるミナさんを連れてやってきた。
「僕たちもレナールさんに美味しいお店を案内してもらってすごく楽しんでいますので一緒に行きましょう。それと受付業務ではご迷惑をおかけしてしまってるみたいですね」
「いえ! 迷惑とかではありません。気になる新人ハンターの情報を知りたいのは当然だと思いますので。ただ私が詳しい事情を教えるわけがないのにしつこく聞いてくる人には厳しく対応させてもらってます」
おお、仕事ができる人の目つきだな。ミナさんが毅然と対応してる様子が想像できるよ。
「よし。色んな話は旨いものを食べながらにしようぜ。ここから歩いて行けるところだからついてきてくれ」
レナールさんが颯爽と歩き出す。その後ろをピタリとついていくルシア。もうやる気に溢れているのが分かるね。グルメに対するモチベーションが高すぎるよ。
――歩くこと15分。
「着いたぜ」
着いたお店はお客さんの行列ができていた。すごい人気店なんだな。
「予約してるから店に入るぞ」
「いらっしゃいませ~!」
元気の良いお店の人が出てきた。人族の男の子だ。
「予約していたレナールだ」
「お待ちしていました! こちらにどうぞ~!」
通された部屋はものすごく豪華な個室。4人でゆったりと座れる広々とした空間で、綺麗な花が飾られたり、趣きのある調度品が置かれたりしている。
「この店はこんな小洒落た部屋もあるんだが、食べ方は豪快にいくぞ。メニューに載ってるものは食べ放題で、どれだけ注文してもいいんだ。残した場合はその分だけ別料金となるから注意しろよ。とにかくここは量も満足するが、味の方もかなりいけてるから、どんどん注文しようぜ」
へ~! 食べ放題のお店なんて初めて来たよ。そういわれるとお客さんはハンターっぽい人が多かったような気がする。ガッツリ食べたい人には最高のお店だろうね。
「注文はどうしますか~!?」
さっきの元気な男の子が注文を取りにやってきた。
『このページのものを全部だ』
「かしこまりました~!」
「いやいや、ちょっと待ってくれ。ルシアさん、俺の注意事項を聞いてたか? そのページを全部頼むと5~6人前はあるぞ。みんなで食べてもきっと余るぜ」
『何を言っておる。今、頼んだのは我の分だけだぞ? 自分が食べたいものはそれぞれ頼んだほうが良いに決まっておる。ほら、みんなも頼まぬか』
「一人分だったのか!? ルシアさんは見た目と違って大食漢なんだな……。それならみんな食べたいものをそれぞれ注文しようぜ」
そしてレナールさんとミナさんと僕はそれぞれが食べたいものを注文した。この店はお酒の品揃えが良いことでも有名とのことで、僕以外の3人はお酒も注文していた。
『……これはたまらんな。一品一品が絶妙に旨い! 酒も食事と合っていてどんどん進むわ!』
うわ~。ルシアのお酒と食事のスピードがとんでもないことになってる。食べ放題は2時間限りということだから、すごい勢いで食べてるけど、あれ胃の中に入ってるんだよね? もしかして食べてると見せかけて収納空間に行ってるとか……?
いや、それはなさそうだな。ルシアが食べてるあの表情は美味しいものを食べてる幸福感が溢れ出てるもんな。
意外なのはミナさんだ。料理を食べる量は普通だけど、すごいペースでぐいぐいとお酒を飲んでる。そしてルシアに負けないぐらい幸せそうな笑顔だ。気晴らしになったのなら良かった。
「レナールさん、久しぶりにこの店に来ましたけど、食事もお酒も最高に美味しいです! 人気店で中々予約も取れないですからね~。誘ってもらってラッキーでした」
「俺たちのパーティーはミナにクエストの情報とか小まめに教えてもらっていつも助かってるからな。今回4人が受けてるクエストもミナが教えてくれたしな」
「はい。宮廷から直接出された調査クエストです。ラムセト砂漠の定期調査の一環ですが、ボレアザント南のドット砂丘付近で魔力の揺らぎが確認されたことによる原因調査が主な内容ですね。合わせて周辺の調査報告も必要になります」
「宮廷からのクエストは簡単なやつでも報酬が高いからな。あいつらときたらリーダーは討伐クエストで活躍できるんですから、調査クエストは任せてくださいときたもんだ。どうせ報酬を4等分して競馬に突っ込むつもりなんだぜ」
「たしかに宮廷からのクエストは簡単なものもありますが、今回は魔力の揺らぎが確認されたという具体的な現象が起きたことによる調査クエストですからね。私は5人で行かれた方がいいですよと言ったのですけど」
「ああ、聞いてるぜ。でもあいつらは大丈夫、大丈夫と言って俺をのけ者にして出発しやがったからな。だからあいつらがいない隙に弟に頼んでこの店を予約してもらったってわけだ。カッカッカッ」
「なるほど~。この人気店を予約できたのは弟さんのおかげだったんですね。調査クエストも明日の朝には帰還されますから、出迎えてあげてくださいね」
「チッ。仕方ねえな。ミナがそういうなら出迎えてやるか」
「そうだ。レンさんにルシアさん。お二人のお時間があれば明日のランチはハンターギルドの食堂はいかがですか? グルメの深淵に近づけるかは分かりませんが、そこには魔物を食材としたランチコースがあります。おすすめですよ!」
『必ず行こう』
はやっ! ルシアは食事が絡むとフットワークが軽いな~。
魔物が食材のランチコースか。魔物は味が大味であまり美味しいイメージがないんだけど、どんな感じなのか楽しみだな。
『待たせたな。さあ行こう』
レナールさんが案内する美味しいお店に行くのが待ち切れないのが丸わかりだな。
「よし! 3人とも揃ったし出発! ……と言いたいところだが、もう一人連れて行ってもいいか?」
「もう一人? 誰ですか?」
「ハンター登録の説明をしてくれたミナだ。俺たちのパーティはいつも世話になってるんだ。それに今ギルドで一番の話題のハンターのことで質問攻めにあってるらしいから息抜きも兼ねてな」
「一番話題のハンターですか?」
「レン、お前のことだよ」
「えっ? 僕のことですか!?」
「そうだよ。ハンター登録した当日にとんでもない素材を売ったFランクハンターとなれば、一体何者なんだと話題にならないわけがない。推薦した俺は昨日今日とギルドに行ってないから何も聞かれてないが、受付にいるミナは質問攻めで困ってるというわけだな」
そんなことになってるとは思いもしなかったな。悪いことをしたわけじゃないけど、なんか申し訳ない気持ちになるね。
『我は構わんぞ。美味しいものが食べられるなら誰とでもよい』
「僕も大丈夫です。大勢で食べる食事は楽しいですから」
「そうか! それならちょうどミナの仕事が終わる時間だから誘ってくるぜ。ちょっと待っててくれ」
そう言うとレナールさんはハンターギルドの中に入って行った。
「待たせたな。ミナを誘ってきたぞ」
「すみません。レナールさんのお誘いに甘えて、みなさんの食事にご一緒させてもらうことにしました」
レナールさんが猫の獣人であるミナさんを連れてやってきた。
「僕たちもレナールさんに美味しいお店を案内してもらってすごく楽しんでいますので一緒に行きましょう。それと受付業務ではご迷惑をおかけしてしまってるみたいですね」
「いえ! 迷惑とかではありません。気になる新人ハンターの情報を知りたいのは当然だと思いますので。ただ私が詳しい事情を教えるわけがないのにしつこく聞いてくる人には厳しく対応させてもらってます」
おお、仕事ができる人の目つきだな。ミナさんが毅然と対応してる様子が想像できるよ。
「よし。色んな話は旨いものを食べながらにしようぜ。ここから歩いて行けるところだからついてきてくれ」
レナールさんが颯爽と歩き出す。その後ろをピタリとついていくルシア。もうやる気に溢れているのが分かるね。グルメに対するモチベーションが高すぎるよ。
――歩くこと15分。
「着いたぜ」
着いたお店はお客さんの行列ができていた。すごい人気店なんだな。
「予約してるから店に入るぞ」
「いらっしゃいませ~!」
元気の良いお店の人が出てきた。人族の男の子だ。
「予約していたレナールだ」
「お待ちしていました! こちらにどうぞ~!」
通された部屋はものすごく豪華な個室。4人でゆったりと座れる広々とした空間で、綺麗な花が飾られたり、趣きのある調度品が置かれたりしている。
「この店はこんな小洒落た部屋もあるんだが、食べ方は豪快にいくぞ。メニューに載ってるものは食べ放題で、どれだけ注文してもいいんだ。残した場合はその分だけ別料金となるから注意しろよ。とにかくここは量も満足するが、味の方もかなりいけてるから、どんどん注文しようぜ」
へ~! 食べ放題のお店なんて初めて来たよ。そういわれるとお客さんはハンターっぽい人が多かったような気がする。ガッツリ食べたい人には最高のお店だろうね。
「注文はどうしますか~!?」
さっきの元気な男の子が注文を取りにやってきた。
『このページのものを全部だ』
「かしこまりました~!」
「いやいや、ちょっと待ってくれ。ルシアさん、俺の注意事項を聞いてたか? そのページを全部頼むと5~6人前はあるぞ。みんなで食べてもきっと余るぜ」
『何を言っておる。今、頼んだのは我の分だけだぞ? 自分が食べたいものはそれぞれ頼んだほうが良いに決まっておる。ほら、みんなも頼まぬか』
「一人分だったのか!? ルシアさんは見た目と違って大食漢なんだな……。それならみんな食べたいものをそれぞれ注文しようぜ」
そしてレナールさんとミナさんと僕はそれぞれが食べたいものを注文した。この店はお酒の品揃えが良いことでも有名とのことで、僕以外の3人はお酒も注文していた。
『……これはたまらんな。一品一品が絶妙に旨い! 酒も食事と合っていてどんどん進むわ!』
うわ~。ルシアのお酒と食事のスピードがとんでもないことになってる。食べ放題は2時間限りということだから、すごい勢いで食べてるけど、あれ胃の中に入ってるんだよね? もしかして食べてると見せかけて収納空間に行ってるとか……?
いや、それはなさそうだな。ルシアが食べてるあの表情は美味しいものを食べてる幸福感が溢れ出てるもんな。
意外なのはミナさんだ。料理を食べる量は普通だけど、すごいペースでぐいぐいとお酒を飲んでる。そしてルシアに負けないぐらい幸せそうな笑顔だ。気晴らしになったのなら良かった。
「レナールさん、久しぶりにこの店に来ましたけど、食事もお酒も最高に美味しいです! 人気店で中々予約も取れないですからね~。誘ってもらってラッキーでした」
「俺たちのパーティーはミナにクエストの情報とか小まめに教えてもらっていつも助かってるからな。今回4人が受けてるクエストもミナが教えてくれたしな」
「はい。宮廷から直接出された調査クエストです。ラムセト砂漠の定期調査の一環ですが、ボレアザント南のドット砂丘付近で魔力の揺らぎが確認されたことによる原因調査が主な内容ですね。合わせて周辺の調査報告も必要になります」
「宮廷からのクエストは簡単なやつでも報酬が高いからな。あいつらときたらリーダーは討伐クエストで活躍できるんですから、調査クエストは任せてくださいときたもんだ。どうせ報酬を4等分して競馬に突っ込むつもりなんだぜ」
「たしかに宮廷からのクエストは簡単なものもありますが、今回は魔力の揺らぎが確認されたという具体的な現象が起きたことによる調査クエストですからね。私は5人で行かれた方がいいですよと言ったのですけど」
「ああ、聞いてるぜ。でもあいつらは大丈夫、大丈夫と言って俺をのけ者にして出発しやがったからな。だからあいつらがいない隙に弟に頼んでこの店を予約してもらったってわけだ。カッカッカッ」
「なるほど~。この人気店を予約できたのは弟さんのおかげだったんですね。調査クエストも明日の朝には帰還されますから、出迎えてあげてくださいね」
「チッ。仕方ねえな。ミナがそういうなら出迎えてやるか」
「そうだ。レンさんにルシアさん。お二人のお時間があれば明日のランチはハンターギルドの食堂はいかがですか? グルメの深淵に近づけるかは分かりませんが、そこには魔物を食材としたランチコースがあります。おすすめですよ!」
『必ず行こう』
はやっ! ルシアは食事が絡むとフットワークが軽いな~。
魔物が食材のランチコースか。魔物は味が大味であまり美味しいイメージがないんだけど、どんな感じなのか楽しみだな。
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