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第3章 ハンターの町 ボレアザント編
39 ハンターギルドの受付
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満福亭の朝食で幸せ気分を味わった僕たちは、レナールさんと会うべく、ハンターギルドに向かった。
「いよう! 満福亭の食事は満足したか?」
ハンターギルドの前でレナールさんが待ってくれていたようだ。
「おはようございます、レナールさん。満福亭の食事は大満足です! あと3泊追加で予約してきました」
「カカカカッ! そいつはよかった。あそこは俺の弟が厨房に入ってるんだ。弟はあそこのオーナーシェフに惚れ込んで修行をしていてさ。いつかは自分の店を持ちたいと言ってる。身内が言うのも何だが弟ならその夢を実現できると思ってるんだよ」
「そうだったんですね。本当に美味しかったですよ」
「弟にも伝えておくよ。よ~し。ボレアザントの名所に案内させてもらうぜ」
『それは楽しみだが、その前にギルドで素材を売却してきてもよいか。資金を作っておきたくてな』
「お~。兄さんの腕前なら相当な素材を取ってきてそうだが、素材はどこにあるんだ?」
あ~、そうだった。素材は収納空間にあるんだよね。
『収納の魔道具にしまっておるぞ。レアンデルのものと合わせるとかなりの量になるから、いったん素材を預けて行きたいのだが』
「二人とも収納魔法が付与された魔道具を持ってるのか! それもそんなにたくさんの量が入るやつならさぞかし便利だろうな。ものすごく高価だろうが」
『代々受け継いできた魔道具だ。オークションにでも出すのなら高値が付くだろうが、あいにく売りに出す予定はない』
「カカカッ。そりゃそうだ。そんな便利なものを売る方がもったいない。なるほど、よく分かった。ギルドの素材引取所に案内するぜ。ところで以前ハンターではないと言ってたけど、登録もしていないのか?」
『我も小僧もしとらんな』
「それはもったいないな。別に登録してなくても素材は売れるが、手数料が高くなってしまう。登録だけでもしておいたらどうだ?」
『ふむ。してもしなくても構わんが、レアンデルはどうしたい?』
「僕もどっちでもいいけど、登録するメリットとデメリットをきちんと知りたいな」
「それならハンターギルドで説明してもらおう。俺が説明してもいいが、細かいところが漏れそうだしな」
そうして僕たちはハンターギルドの受付にやってきた。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか」
昨日と同じ挨拶で声をかけてきたのは、昨日と同じ受付の女性だ。
「ああ! レナールさんと昨日の方ですね。どうされたのですか?」
「この二人にハンター登録について説明して欲しいんだよ。ミナ、お願いできるか?」
「もちろんです! それが仕事ですから。それではお二人には右側の別室でご説明します」
そういうわけで、別室に通された僕たちだったけど、なぜかレナールさんも一緒に聞いている。
「まあ、いいじゃないか。俺も町を案内するつもりだったからやることないし、ミナの説明に加えてハンターの先輩として教えられることがあるかも知れないしな」ということらしい。
「それではハンター登録について説明させてもらいます。まずハンターにはこれといった定義はありません。簡単に言うと好きなことをやっている人たちと言えます。ハンターギルドに登録しないとハンターを名乗れないということもありません。しかしハンター登録をすると大きなメリットがあります。まずはハンターギルドが依頼する仕事、クエストといいますが、クエストを受注することができるようになります。お金を稼ぎたい、名を揚げたいという人には最適なシステムです。注意することとしては、クエストはご自身のランクまでのものしか受注できません」
「ミナ、ランクについて詳しく教えてやってくれ」
「はい。ランクはFからSの7段階となっています。初めてハンター登録をするとFランクになります。ハンター見習いというイメージですね。まずは一人前と言われるCランクを目指すことが目標となります。高ランクのクエストは報酬も高額ですので、必然的に高ランクハンターはたくさんのお金を稼いでいます。当然、知名度も上がりますからクライアントからの指名依頼などもCランクぐらいから増えるイメージです。Bランクは一流ハンター、Aランクは超一流のハンターです。Aランクになると一般の人にも名前を知られているレベルですね。SランクはAランクにも収まらないほどの規格外のハンターです。
ハンターギルドは全ての大陸に支部があり、本部はユレアード王国にあります。ランクは全ての場所で統一となりますので、ランクを上げればどこでも通じるということになります」
「どうだ? ランクについては大体分かったか? ミナ、手数料のことを説明してくれるか?」
「素材を売却するときなどの手数料は、ギルトに登録していない場合、売却代金の40%となります。F~Dランクは20%、Cランクは10%、Bランクは5%、AランクとSランクは3%となります」
「は~。なるほど。レナールさんが素材を売るならハンター登録がおすすめと言うのがこれで分かったよ」
「そうだろう? たくさん素材を持ってるって言うからな。それなら登録したあとで売った方がお得だと思ったんだよ」
「ミナさん、ハンター登録のメリットは大体分かって来ましたけど、デメリットはないんですか?」
「デメリットとして考えられるものは、ハンターギルドが強制依頼を出したときに受けなければいけないことでしょうか」
「強制依頼って何ですか?」
「カカッ! 俺が教えてやろう。例えば魔物が大量に押し寄せるスタンピードが発生した場合なんかに、ギルドがハンターに対して魔物の討伐や住民避難援助などの強制依頼を出すことがある。要は実力あるハンターたちを遊ばせておくのはもったいないってわけだ。ちなみに強制依頼を受ける義務があるのはCランク以上のハンターからだ。だから今の時点ではデメリットにはならないってことだな」
「レナールさんが説明したとおり、今から登録されるのであればFランクから始まりますので、強制依頼に関しては余り考えられなくていいかと。Cランクになるためには昇格試験があるのですが、強制依頼が嫌で昇格試験を受けない人たちもいますよ。またCランクであれば強制依頼を受ける必要があるのは自分の所属するギルドだけです。Bランク以上になると他のハンターギルドの管轄に居る場合、そこの強制依頼も受けなくてはいけません。初めて登録をされるときは登録をしたギルドが所属ギルドになりますが、これはいつでも変更可能です。旅先のギルドが気に入ったのであれば、そこに所属ギルド変更を申し出れば変更することができます。
今までのやりとりをお聞きする限りですが、売りたい素材があるんですよね? それなら登録されるのはメリットが大きいと思います。ハンター登録をするためにはギルドの選定人が許可するか、Cランク以上のハンターの推薦がいるのですが、レナールさんが推薦されるってことでいいですよね?」
「おう! 二人がハンター登録をするっていうなら、俺が推薦人になるぜ」
「ということですが、いかがされますか?」
ハンター登録の話がどんどん進んでいって、レナールさんが推薦人になってくれるということらしい。さあ、どうしようかな。ルシアと相談して決めなきゃね。
「いよう! 満福亭の食事は満足したか?」
ハンターギルドの前でレナールさんが待ってくれていたようだ。
「おはようございます、レナールさん。満福亭の食事は大満足です! あと3泊追加で予約してきました」
「カカカカッ! そいつはよかった。あそこは俺の弟が厨房に入ってるんだ。弟はあそこのオーナーシェフに惚れ込んで修行をしていてさ。いつかは自分の店を持ちたいと言ってる。身内が言うのも何だが弟ならその夢を実現できると思ってるんだよ」
「そうだったんですね。本当に美味しかったですよ」
「弟にも伝えておくよ。よ~し。ボレアザントの名所に案内させてもらうぜ」
『それは楽しみだが、その前にギルドで素材を売却してきてもよいか。資金を作っておきたくてな』
「お~。兄さんの腕前なら相当な素材を取ってきてそうだが、素材はどこにあるんだ?」
あ~、そうだった。素材は収納空間にあるんだよね。
『収納の魔道具にしまっておるぞ。レアンデルのものと合わせるとかなりの量になるから、いったん素材を預けて行きたいのだが』
「二人とも収納魔法が付与された魔道具を持ってるのか! それもそんなにたくさんの量が入るやつならさぞかし便利だろうな。ものすごく高価だろうが」
『代々受け継いできた魔道具だ。オークションにでも出すのなら高値が付くだろうが、あいにく売りに出す予定はない』
「カカカッ。そりゃそうだ。そんな便利なものを売る方がもったいない。なるほど、よく分かった。ギルドの素材引取所に案内するぜ。ところで以前ハンターではないと言ってたけど、登録もしていないのか?」
『我も小僧もしとらんな』
「それはもったいないな。別に登録してなくても素材は売れるが、手数料が高くなってしまう。登録だけでもしておいたらどうだ?」
『ふむ。してもしなくても構わんが、レアンデルはどうしたい?』
「僕もどっちでもいいけど、登録するメリットとデメリットをきちんと知りたいな」
「それならハンターギルドで説明してもらおう。俺が説明してもいいが、細かいところが漏れそうだしな」
そうして僕たちはハンターギルドの受付にやってきた。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか」
昨日と同じ挨拶で声をかけてきたのは、昨日と同じ受付の女性だ。
「ああ! レナールさんと昨日の方ですね。どうされたのですか?」
「この二人にハンター登録について説明して欲しいんだよ。ミナ、お願いできるか?」
「もちろんです! それが仕事ですから。それではお二人には右側の別室でご説明します」
そういうわけで、別室に通された僕たちだったけど、なぜかレナールさんも一緒に聞いている。
「まあ、いいじゃないか。俺も町を案内するつもりだったからやることないし、ミナの説明に加えてハンターの先輩として教えられることがあるかも知れないしな」ということらしい。
「それではハンター登録について説明させてもらいます。まずハンターにはこれといった定義はありません。簡単に言うと好きなことをやっている人たちと言えます。ハンターギルドに登録しないとハンターを名乗れないということもありません。しかしハンター登録をすると大きなメリットがあります。まずはハンターギルドが依頼する仕事、クエストといいますが、クエストを受注することができるようになります。お金を稼ぎたい、名を揚げたいという人には最適なシステムです。注意することとしては、クエストはご自身のランクまでのものしか受注できません」
「ミナ、ランクについて詳しく教えてやってくれ」
「はい。ランクはFからSの7段階となっています。初めてハンター登録をするとFランクになります。ハンター見習いというイメージですね。まずは一人前と言われるCランクを目指すことが目標となります。高ランクのクエストは報酬も高額ですので、必然的に高ランクハンターはたくさんのお金を稼いでいます。当然、知名度も上がりますからクライアントからの指名依頼などもCランクぐらいから増えるイメージです。Bランクは一流ハンター、Aランクは超一流のハンターです。Aランクになると一般の人にも名前を知られているレベルですね。SランクはAランクにも収まらないほどの規格外のハンターです。
ハンターギルドは全ての大陸に支部があり、本部はユレアード王国にあります。ランクは全ての場所で統一となりますので、ランクを上げればどこでも通じるということになります」
「どうだ? ランクについては大体分かったか? ミナ、手数料のことを説明してくれるか?」
「素材を売却するときなどの手数料は、ギルトに登録していない場合、売却代金の40%となります。F~Dランクは20%、Cランクは10%、Bランクは5%、AランクとSランクは3%となります」
「は~。なるほど。レナールさんが素材を売るならハンター登録がおすすめと言うのがこれで分かったよ」
「そうだろう? たくさん素材を持ってるって言うからな。それなら登録したあとで売った方がお得だと思ったんだよ」
「ミナさん、ハンター登録のメリットは大体分かって来ましたけど、デメリットはないんですか?」
「デメリットとして考えられるものは、ハンターギルドが強制依頼を出したときに受けなければいけないことでしょうか」
「強制依頼って何ですか?」
「カカッ! 俺が教えてやろう。例えば魔物が大量に押し寄せるスタンピードが発生した場合なんかに、ギルドがハンターに対して魔物の討伐や住民避難援助などの強制依頼を出すことがある。要は実力あるハンターたちを遊ばせておくのはもったいないってわけだ。ちなみに強制依頼を受ける義務があるのはCランク以上のハンターからだ。だから今の時点ではデメリットにはならないってことだな」
「レナールさんが説明したとおり、今から登録されるのであればFランクから始まりますので、強制依頼に関しては余り考えられなくていいかと。Cランクになるためには昇格試験があるのですが、強制依頼が嫌で昇格試験を受けない人たちもいますよ。またCランクであれば強制依頼を受ける必要があるのは自分の所属するギルドだけです。Bランク以上になると他のハンターギルドの管轄に居る場合、そこの強制依頼も受けなくてはいけません。初めて登録をされるときは登録をしたギルドが所属ギルドになりますが、これはいつでも変更可能です。旅先のギルドが気に入ったのであれば、そこに所属ギルド変更を申し出れば変更することができます。
今までのやりとりをお聞きする限りですが、売りたい素材があるんですよね? それなら登録されるのはメリットが大きいと思います。ハンター登録をするためにはギルドの選定人が許可するか、Cランク以上のハンターの推薦がいるのですが、レナールさんが推薦されるってことでいいですよね?」
「おう! 二人がハンター登録をするっていうなら、俺が推薦人になるぜ」
「ということですが、いかがされますか?」
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