上 下
13 / 21

先輩が優しい。

しおりを挟む
離れようとする先輩に、俺は必死で縋った。
どうしても離れたくなかった。
その腕に、胸に、……人の温もりに、触れていたかった。

先輩はちょっとだけ躊躇ってから、俺を胸元に引き寄せてくれた。
それだけで、ホッとする。
「お前なぁ……。あんま可愛い事ばっか言ってっと、本当に襲っちまうぞ……?」
低い先輩の声が、どこか拗ねるような声色でこぼす。
その言葉で、初めて、自分が襲われていなかったのだと知った。
それじゃあ、この人は……昨日から俺を慰めるばかりで、自分はずっと我慢していたんだろうか?
「なんだその意外そうな顔。俺は、お前の中にはコレしか入れてねぇぞ?」
そう言って、先輩は触手を俺の前で揺らしてみせる。
触手は、先輩にとって性器ではない……?
先輩は体内の器官をどこにでも移動させられるから、てっきり、俺の中に入れていたのがそうなのかと思っていたのに。
ああ……、そうか……そもそも先輩は、初めから俺をそういう風には見ていないんだ……。
おかしいな……落胆するような事じゃないのに。
俺は、……どうしてガッカリしているんだろう。
「……」
なんだか自分が情けなくて、じわりと俯けば、先輩は大きな手で俺の頭を宥めるようにゆっくり撫でた。
それを合図に、先輩の触手達が一斉に動き出す。
先輩がどんな顔をしているのか、見ようと思った俺の視界は、急激に襲う快感に滲んでしまった。
「あっ、やっ、んっ、んんっ、ぁああんっ!」
「ちゃんと口塞いどけよ」
言われて、慌てて両手で口を覆う。
でも、さっきよりも激しい先輩の愛撫に、俺の声は止まらない。
「んっ、んっ、んんっ、んんんっ、ぅんんんっっっ」
前を扱かれて、それと同じように内を穿たれると、快感が重なり合って何倍にも膨らむ。
同時に胸を捏ねられ、弾かれる。
「んぅっ! んンンッっ!! ンンンッッッッ!!」
その間も、先輩の大きな手は俺の後頭部を支えて、ゆっくり優しく撫でてくれていて……。
ゾクゾクとした甘い感覚が、いくつもいくつも俺の中に降り積もってゆく。
押さえても押さえても、指の間から息が漏れてしまう。
「んんんっっ! ぅンンッ、ンンンンッッ!!!」
身体中が、あっという間に先輩のくれる気持ちいいものでいっぱいになって、何も考えられなくなってくる。
からだの奥が、じんじん痺れる。
「ふ……、っ、ぅ……んんぅう、ん……っ」
あつくて……きもちいい……。
せんぱいの、ぐりぐりしてくれるの、が……。
先輩の触手が、俺の中でカタチを変える。
滑らかで突起の無いカタチだったそれに、いくつものボコボコが出来たのが、俺の内で分かった。
「んん……っ、ん……、ぅ、ぁ……ん……」
あ……それ……っっ、すご、ぃ、いいっっ、きもち……い……。
先輩のそれが俺の内を掻き回す。
俺自身を包む先輩の触手にも、ヒダのような物が生まれて俺への刺激をさらに増やしていた。
ぁ、ぁ、からだ、かってに、びくびくする……、ぅあ……、ぁ……。
「マル、随分良さそうな顔だな……」
先輩のざらついた低い声が、俺の耳から入ってくる。そこにじわりと孕んだ熱を感じて、背筋が震えた。
「あぁ、ん…………っ」
っ、せんぱいの、こえ……、きもち、いい……。
ぅあ……あたまに、せんぱいの、こえ……はいってく、る……。
先輩の熱い息が、俺の髪を揺らしてる。
あ、せんぱ……ぃ、も、……欲情……してる……?
「感じるか?」
俺の熱を確かめるように囁かれて、身体が先に応えてしまう。
「んっ、んんっ!」
びくんと大きく跳ねた俺の背を、先輩の手が支えて、撫でる。
それが嬉しくて、また感じてしまう。
もう、これ以上は、無理だ。
「ぅあっ、んんっ、んんんっっ、お、俺っ、イキそ、う、ですっ……っっ」
ふっと、先輩の笑ったような気配がして、何とか視線を持ち上げると、翠の瞳が大切そうに俺を見ていた。
「イッていいぜ?」
ニッと笑った先輩の口端から、八重歯が覗く。
それがどうにも色っぽくて、カッと身体が熱くなる。
全身の血がお腹の奥に集まるのを感じた時には、もうわけが分からなくなっていた。
「んんんっ! んんんんんんんんんんっ!!!!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜

ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。 高校生×中学生。 1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。

クソザコ乳首アクメの一日

BL
チクニー好きでむっつりなヤンキー系ツン男子くんが、家電を買いに訪れた駅ビルでマッサージ店員や子供や家電相手にとことんクソザコ乳首をクソザコアクメさせられる話。最後のページのみ挿入・ちんぽハメあり。無様エロ枠ですが周りの皆さんは至って和やかで特に尊厳破壊などはありません。フィクションとしてお楽しみください。 pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。 なにかありましたら(web拍手)  http://bit.ly/38kXFb0 Twitter垢・拍手返信はこちらから https://twitter.com/show1write

おかしなダンジョンでえっちな体に開発される話

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 エロトラップダンジョンに入ってしまって仲間とエロい目に合って体を開発されながら攻略する冒険者の話です。

尿で育てた触手に伴侶にさせられた研究員の話

桜羽根ねね
BL
触手を育てることになった研究員の梅野はかりと、餌をもらってすくすく育つ触手の、タイトル通りのハートフル()エロコメです♡ 触手に自我が宿るよ。 過去に書いた話を改変しました。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

正体不明のお兄さんに気に入られて淫紋まで付けられて所有物にされる話

辻河
BL
・ひょんなことから出会った謎のお兄さんに突然襲われて、触手を使って開発され、挙句の果てに淫紋を付けられて快楽堕ちする大学生の話 ・たぶん人ではない執着攻め×攻めに気に入られて捕まえられた可哀想な受け ※♡喘ぎ、濁点喘ぎ、触手責め、尿道責め、淫紋などの表現が含まれています。

特殊な学園でペット扱いされてる男子高校生の話

みき
BL
BL R-18  特殊な学園でペット扱いされてる男子高校生が、無理矢理エロいことされちゃう話。 愛なし鬼畜→微甘 貞操帯 射精管理 無理矢理 SM 口淫 媚薬 ※受けが可哀想でも平気な方向け。 高校生×高校生 ※表紙は「キミの世界メーカー」よりお借りしました。 凪に顎クイされてる奏多イメージ

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

処理中です...