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わからない事(俺)*
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師範は俺の口付けを受け入れてくれた。
喜びに胸が弾む。
いや、弾むどころじゃないくらい俺の心臓はバクバクいっていた。
こんなにピッタリくっついてしまうと、俺の心音が師範に聞こえてしまうかも知れない。
そう思うと恥ずかしかったが、師範はきっとそのくらいのことお見通しなんだろう。
それならもう構わない。
俺の全てで、この美しい人を愛したかった。
過去に何があったって構うものか。今の師範が、俺だけのものであるならば。
俺はそう決意しながら、師範に一枚きり残した肌着の紐を解くとその下の素肌へ指を這わせる。
ちらと表情をうかがえば、師範は眉間に僅かに皺を寄せ、どこか緊張したような面持ちをしていた。
……緊張してるのか?
それは……久しぶり、だからか……?
俺は違和感を抱えたまま、けれど、それが何かがわからないまま、師範を少しでもリラックスさせようと、その頬に口付ける。
目元にも、耳にも、額にも。優しく優しく唇を落とす。
どうか心配しないでほしい。
絶対乱暴な事はしないから。
大切に抱くと、約束するから……。
「師範、俺……っ師範の事……」
「……ギリル。大丈夫ですよ……」
師範が優しく囁いて、俺の頭を撫でる。
頭を撫でられたのはずいぶん久しぶりな気がする。
昔は毎日欠かさず俺を撫でてくれた、師範の手だ。
師範の手は、俺に食事を与えてくれて、俺に文字の書き方を教えてくれて、俺に剣を持たせてくれた。
「師範……」
師範の手を取って、指先に口付ける。
たっぷりと想いを込めて。
ああ、この人を守りたい。
この人を幸せにしたい。
この人が、もうあんな風に涙することのないように。
俺が、この人の笑顔を守りたい……。
けれど俺が愛を込めて口付けるほどに、師範の悲しみの色は濃くなった。
何かが間違ってる。
俺は何か決定的な見落としをしている。
心はそう告げているのに、この滑らかな肌から手が離せない。
師範の透けるように白い肌は今、俺の愛撫に確かに色付きつつある。
胸元の柔らかな粒は撫でられるほどに硬く尖り、そこに俺の指が触れる度、師範は小さく息を呑んだ。
師範の細い首筋からくっきりと浮かんだ鎖骨、その下の薄い胸へと唇を這わせれば、師範が声を漏らした。
「っ、ぁ……」
小さな小さな、細い声だった。
なのに俺の心臓はたったそれだけでバクバクと激しく騒ぐ。
カーッと頭に血がのぼるようで、どうにも抑えきれない。
逸る心に急かされて、俺は俺より一回りほど小さな師範の身体を向かい合わせに抱き上げた。
「わぁ」
師範の体は俺よりずっと軽い。
下手すればそこらの女性よりも軽いんじゃないだろうか。
驚きにあげられた小さな声が可愛くて、俺は美しい銀の髪へ口付ける。
師範を俺の膝の上に座らせると、俺は師範の後ろへと手を伸ばした。
俺のゴツゴツした尻と違って、先生の尻は小さいけれど柔らかく、ふにふにとした触り心地がたまらない。
手のひらに吸い付くような師範の尻たぶを両手でゆっくり揉みしだきながら、俺は最後の同意を求める。
「師範……、中に、触れてもいい、よな……?」
師範は小さく息を呑んでから、覚悟を滲ませて答えた。
「……はい……」
やはり、師範にとって行為は辛いことなんだろうか。
「師範が嫌だと感じたら、俺はいつでもやめるから。我慢しないで言ってくれよ……?」
最後に念を押せば、師範はやはりまだ緊張の残る声で「……ありがとうございます」とだけ答えた。
「はい」と言わなかった師範は、嫌だと思っても我慢しようと思っているんだろう。
……俺だってもう、そのくらいの事は分かるよ……。
いつまでも子どもだと思われている事を、俺は悔しく思う反面、嬉しくも思ってしまう。
膝に抱き上げたことで、師範の薄く滑らかな胸は俺の目の前に露わになっている。
前のはだけた肌着の合間から覗くのは、ぷっくりと尖り淡く色付いた粒。
美味しそうなそれに舌を這わせれば、師範の軽い身体がひくりと震える。
……ああ、せんせい……。
俺は多分心のどこかで、いつまでもずっと師範の子でいたいんだ……。
なのに、そんな師範を全て俺のものにしたいとも願っている……。
「俺は……間違ってるよな……」
どこで間違えたのか、俺はどうすればよかったのか。
どうすれば……師範の望む正しい人間であれたのか。
俺に分かるのは、自分が師範を何も分かっていないことだけだった。
喜びに胸が弾む。
いや、弾むどころじゃないくらい俺の心臓はバクバクいっていた。
こんなにピッタリくっついてしまうと、俺の心音が師範に聞こえてしまうかも知れない。
そう思うと恥ずかしかったが、師範はきっとそのくらいのことお見通しなんだろう。
それならもう構わない。
俺の全てで、この美しい人を愛したかった。
過去に何があったって構うものか。今の師範が、俺だけのものであるならば。
俺はそう決意しながら、師範に一枚きり残した肌着の紐を解くとその下の素肌へ指を這わせる。
ちらと表情をうかがえば、師範は眉間に僅かに皺を寄せ、どこか緊張したような面持ちをしていた。
……緊張してるのか?
それは……久しぶり、だからか……?
俺は違和感を抱えたまま、けれど、それが何かがわからないまま、師範を少しでもリラックスさせようと、その頬に口付ける。
目元にも、耳にも、額にも。優しく優しく唇を落とす。
どうか心配しないでほしい。
絶対乱暴な事はしないから。
大切に抱くと、約束するから……。
「師範、俺……っ師範の事……」
「……ギリル。大丈夫ですよ……」
師範が優しく囁いて、俺の頭を撫でる。
頭を撫でられたのはずいぶん久しぶりな気がする。
昔は毎日欠かさず俺を撫でてくれた、師範の手だ。
師範の手は、俺に食事を与えてくれて、俺に文字の書き方を教えてくれて、俺に剣を持たせてくれた。
「師範……」
師範の手を取って、指先に口付ける。
たっぷりと想いを込めて。
ああ、この人を守りたい。
この人を幸せにしたい。
この人が、もうあんな風に涙することのないように。
俺が、この人の笑顔を守りたい……。
けれど俺が愛を込めて口付けるほどに、師範の悲しみの色は濃くなった。
何かが間違ってる。
俺は何か決定的な見落としをしている。
心はそう告げているのに、この滑らかな肌から手が離せない。
師範の透けるように白い肌は今、俺の愛撫に確かに色付きつつある。
胸元の柔らかな粒は撫でられるほどに硬く尖り、そこに俺の指が触れる度、師範は小さく息を呑んだ。
師範の細い首筋からくっきりと浮かんだ鎖骨、その下の薄い胸へと唇を這わせれば、師範が声を漏らした。
「っ、ぁ……」
小さな小さな、細い声だった。
なのに俺の心臓はたったそれだけでバクバクと激しく騒ぐ。
カーッと頭に血がのぼるようで、どうにも抑えきれない。
逸る心に急かされて、俺は俺より一回りほど小さな師範の身体を向かい合わせに抱き上げた。
「わぁ」
師範の体は俺よりずっと軽い。
下手すればそこらの女性よりも軽いんじゃないだろうか。
驚きにあげられた小さな声が可愛くて、俺は美しい銀の髪へ口付ける。
師範を俺の膝の上に座らせると、俺は師範の後ろへと手を伸ばした。
俺のゴツゴツした尻と違って、先生の尻は小さいけれど柔らかく、ふにふにとした触り心地がたまらない。
手のひらに吸い付くような師範の尻たぶを両手でゆっくり揉みしだきながら、俺は最後の同意を求める。
「師範……、中に、触れてもいい、よな……?」
師範は小さく息を呑んでから、覚悟を滲ませて答えた。
「……はい……」
やはり、師範にとって行為は辛いことなんだろうか。
「師範が嫌だと感じたら、俺はいつでもやめるから。我慢しないで言ってくれよ……?」
最後に念を押せば、師範はやはりまだ緊張の残る声で「……ありがとうございます」とだけ答えた。
「はい」と言わなかった師範は、嫌だと思っても我慢しようと思っているんだろう。
……俺だってもう、そのくらいの事は分かるよ……。
いつまでも子どもだと思われている事を、俺は悔しく思う反面、嬉しくも思ってしまう。
膝に抱き上げたことで、師範の薄く滑らかな胸は俺の目の前に露わになっている。
前のはだけた肌着の合間から覗くのは、ぷっくりと尖り淡く色付いた粒。
美味しそうなそれに舌を這わせれば、師範の軽い身体がひくりと震える。
……ああ、せんせい……。
俺は多分心のどこかで、いつまでもずっと師範の子でいたいんだ……。
なのに、そんな師範を全て俺のものにしたいとも願っている……。
「俺は……間違ってるよな……」
どこで間違えたのか、俺はどうすればよかったのか。
どうすれば……師範の望む正しい人間であれたのか。
俺に分かるのは、自分が師範を何も分かっていないことだけだった。
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