上 下
71 / 87
番外編

拉致監禁される中隊長達のお話(11/14)『求め』(前半レインズ視点 後半ルストック視点)

しおりを挟む
「俺はとりあえず、あいつが目覚めたら、いくらか殴るつもりだ」
「……あー、うん。……えーと……。死なない程度に、な?」
ちょっとだけ引き攣った顔で答えれば、ルスは「善処する」と返した。
一応、俺の部下だからって事で、俺に事前許可を取ってくれてんのかな、これ。
俺が苦笑していると、ルスがイムノスを暗く見据えて言う。
「本当は、あいつもお前と同じ目に遭わせてやりたいとこだがな」
「えっ!?」
それって、ルスがイムノスを犯そうって、事……か……??
「……そんな顔をするな。お前が嫌だと思うだろうから、やめておく」
ルスが苦笑を浮かべて言う。俺は慌てて同意した。
「や、やめといてくれよ!? 俺、そんな、ルスが他の奴と――……」
考えただけで泣きそうなほど辛くなった、この気持ちは、ルスが今も捨てきれずに抱えている物だった。
気付いて、胸が詰まる。
……やっぱ、俺よりルスの方が、ずっと辛かったんじゃねーかな……。

「レイ。……だから、そんな顔をするな。お互い辛かったのだろう?」
ルスが少し緩めていた腕で、もう一度俺を抱き締める。
互いに辛かったなら、互いに慰め合えば良いのだと、言外に言われた気がした。
温かい胸と腕に包まれていると、すごく安心する……。
このまま眠ってしまいそうで、俺は目を細めた。
「ん……、俺も、ルスを慰めるよ……」
同じ気持ちが返したくて、そう言った俺の言葉に、ルスは低く笑って答えた。
「それは楽しみだな」
え? いや、そういう……その、そういう慰めるじゃなくてだな??
焦る俺を置いて、ルスの手が、俺の背を滑り落ちて後ろへと回される。
「早くここから、あいつのを全部出しておかなくてはな?」
言葉とともに、ゆっくり挿し込まれたルスの指が、思うよりずっと鮮明な快感を下腹部に伝える。
「あっ、ぅあ、ぁ……っ」
まだ薬が残ってるのか、それとも、ルスの指だからか。分からないけれど、ルスの指は、ゆっくり、俺を傷付けないように優しく、奥の方から俺の外へと繰り返し動く。俺は、次々与えられる刺激に喉を逸らして喘いだ。
「ぁあぁっ、ぅあ、あ、ああああんっ、や、あ、そこ……ん、やっ、あああっ」
それはそれは執拗な程に、俺の中に溜まった全てを掻き出そうと、余すことなく隅々まで擦り上げる。
「あぁぁっ、だめ、だ、っ、も……っ、もう、イッ……っっっ、っんんんっっ」
いつもの何倍もの快感が、背筋を通り抜けて頭まで、何度も何度も伝わる。
「こら、イったらまたあいつのが奥へ飲み込まれてしまうぞ?」
ルスがちょっと困ったような声で言う。
「あっ、や……、いや、だ……っっんんんっっっああっっ」
そう言われても、身体が全然言うことを聞いてくれない。
ルスの指が、ルスの触れるところが、熱くて熱くて、どうしようもなくじんじん疼いてしまう。
涙を滲ませて喘ぐ俺の様子に、ルスが小さく息を吐いて、仕方なく指を抜いた。
「ぁっ……、ルス……、ルス、嫌だ、抜かない、で……っ」
急激に失われた熱に、喪失感に、俺は身を捩る。
「大丈夫だ。お前を離すわけじゃない」
ルスは宥めるようにそう言って、俺の背を優しく撫でる。
けれど、熱に浮かされた俺の身体は、その刺激すらも快感に変えてしまう。
「ぅぅんんっ、背中、も……気持ち、い……っっ……う、あ……っ」
「まいったな……」
ルスの、困ったような呟きが、どこか熱っぽいのを感じる。
あ……、ルスも……、ルスもしたいんだ。
俺のこと心配してるから遠慮してるだけで、ルスはまだ俺のこと、抱きたいって、思ってくれてる……?

そう思うと、胸が苦しくなって、もうどうにもたまらなくなる。
俺のために、全ての動きを止めたルスの腕の中で、俺はルスの逞しい胸に縋った。



***



「ルス……、ルスの……入れ、て、ほしい……」
レイは、上気した頬に宝石のような青い瞳を潤ませて、俺の腕の中でそう言った。
散々嬲られた後で、もう、どこもかしこも痛むだろうに。
白い肌を朱色に染めて、レイは俺の胸元に頬を擦り寄せる。

もちろん俺だって、入れたいとは思うが……、それではあんまりだろう?
お前は薬で無理矢理……。
「……頼むよ、ルス……」
レイは、熱い息を俺の胸に吐いて、俺を見つめる。
懇願の滲んだ青い瞳。
求められて、既に立ち上がりつつあった俺のものに硬度が増す。
あいつに散々吸われた唇は、真っ赤に染まっていて、痛々しくて、艶めかしくて、やはりどこか許せない気持ちにさせられる。
「レイ……」
俺が葛藤する間に、レイは俺のものへと手を伸ばした。
レイは俺の服の上から、しっかり立ち上がってしまっているそれを大切そうに撫でる。
すりすりと頬を寄せて、そっと口付ける可愛らしい仕草に、俺の理性は揺らぐ。
レイが下衣を下ろそうとするので、躊躇いつつもそれを受け入れると、レイは嬉しそうに微笑んで、現れた俺のものを口内へと収めた。
温かなレイの口の中で、柔らかな舌で優しく撫でられて、俺の下腹部へ熱が集まる。
「俺、ルスのが、欲しい……」
銀糸を引いて、甘い声で、レイが誘う。
俺だって、お前が欲しいさ。
「だが、お前はまだ……」
思い切れない俺に、レイは涙の滲む声で縋った。
「ルス……、頼む……、俺にあいつのこと、忘れさせてくれよ……」
さっきまでの場面が胸に蘇った途端、カッと頭が熱くなった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

Endless Summer Night ~終わらない夏~

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:73

星のオーファン

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:56

悪役令息を引き継いだら、愛が重めの婚約者が付いてきました

BL / 連載中 24h.ポイント:1,263pt お気に入り:6,722

初恋と花蜜マゼンダ

BL / 完結 24h.ポイント:504pt お気に入り:935

人違いです。

BL / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:2,701

スノウ・ホワイトは家出中

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:66

記憶喪失の君と…

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:83

君色の空に微笑みを

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:21

処理中です...