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番外編

拉致監禁される中隊長達のお話(5/14)『投与』(レインズ視点)

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ルスが、俺のせいで、捕まってた……。

いつからだったのか、俺の後か、俺より先にか。
ルスは昨日から休暇だったはずだ。
俺は今日……今日? 寝かされてた間の時間が分かんねーな。討伐から帰った日はもう過ぎたのか、それとも、まだあの日の夜なのか……。
ルスはいつからあのままだったのか。
食べたり飲んだり出来てたのか、さっきのはどのくらいの苦しみだったのか。
我慢強いルスが声を漏らすほどだ。多分、かなり痛んだんだろうな……。

ルス……。

イムノスの肩越しにルスへ視線を投げれば、ルスは、苦笑するように、酷く苦い表情で、それでも俺のために口端を上げて見せてくれた。
『大丈夫だ』と、『俺は大丈夫だから、心配するな』と言われた気がした。
イムノスを刺激しないよう発言は控えたんだろう。
できる限りの全力で、ルスは俺を励まそうとしてくれてる。

でも……、ルスが本当はめちゃくちゃ怒ってることくらい、分かってるよ……。

……っ、ルス、ごめん、俺のせいで……。

じわりと滲んだ涙は、どうすることもできずに零れた。
俺は両腕の自由を奪われて、両足を大きく割り開かれたまま、イムノスに繰り返し犯され続けていた。
よく見れば、両足首はまだ鎖に繋がれてはいるが、ある程度は自由に動かせそうだ。
蹴りが上手い事入れば、何とかなんねーかな? いや、最高の一撃が入ったとこで、ルスが攻撃されるより早くルスをあの椅子から引き剥がすのは流石に無理だよな。
こいつ、細く見えんのに、甲冑脱いでも腹筋バキバキじゃねーか。
鳩尾より、首か……? つっても手加減間違って殺すわけにもいかねーしな……。
一撃で、イムノスを確実に昏倒させ……――っ。

びくりと身体が勝手に跳ねて、思考が途絶える。
「ああ、隊長はここが良いんですね?」
尋ねられても、俺には首を振る以外にできる事がない。
黙ったまま睨み返せば、イムノスはうっとりと俺を見つめながら顔を近付けてきた。
イムノスの長い髪がサラサラと胸元にかかる。
首筋に吸いつかれて、そのままイムノスの舌が鎖骨まで降りてくる。
ぬるりとした舌の感触に、吐き気のようなものを感じて、胸の内に苦笑が滲む。
ルスにされれば、あんなに気持ち良いのにな……。

こんなに、違ったのに。
俺、ルスだと思ってた……。
触り方も、温かさも、動き方も、違う事に気付いてたのに。
疑えなかった……。
ルスは、こんな俺のこと、どう思ったかな……。
不甲斐なさが溢れて、涙に変わる。

ぐいと良いところを突かれて、身体がまた跳ねれば、涙が宙に散った。

俺の胸に吸い付いていたイムノスが、顔を上げて俺を睨む。
あ、なんか機嫌悪いな。俺の反応が少ないのが気に食わねーのかな。
あんま反感買うとまずいよな。
ルスにとばっちりがいくかも知んねーし……。

イムノスは俺の内からずるりと自身を抜き取ると、腰ベルトに付けていた小物入れから、ガラス瓶を一つ取り出す。

……なんだ?
新アイテムが出てくるとか、嫌な予感しかしねーな……。

瓶の口に厳重に巻かれていた革紐を解いたイムノスが、詰め込まれていた栓を抜き、細長い小瓶の口を指先で押さえたまま、俺の腰をぐいと高く持ち上げる。
思わず逃げそうになる俺の身体を引き寄せて、イムノスはどこか楽しそうに告げる。
「抵抗なさると、またルストック隊長が痛い目に遭いますよ?」
「……っ」
息を呑む俺の、まだ開いたままの穴へ、小瓶が挿し込まれた。
冷たい瓶の感触に、反射的に腹に力が入る。
「っぅ…………!」
冷たい瓶から溢れる液体が、俺の内側に広がる。
それは触れたそばからじわじわと染み込むようで、徐々に液体の触れた場所が熱を持ってくる。
イムノスは小瓶の中身を全て俺の中に流し込もうとするように、俺を逆さ吊りにして、小瓶を出し入れした。
「ぅ、く……ん……っっ、ぁ」
冷たく硬い瓶の感触と、広がる熱さが混ざり合う。
「レイっ!」
ルスの焦る様な声。
俺を……心配してくれてんだ……。
喜びが胸に広がると、イムノスがじろりとルスを睨んだ。
途端、ルスが苦痛に声を漏らす。
「ルスっ!!」
俺はイムノスに叫ぶ。
「イムノス、やめろ!! 俺は抵抗してねーだろ!?」
「人にものを頼む言い方ではありませんね?」
は? お前のやってる事の方が常軌を逸してんだろ!? 
そう思うのも一瞬で、ルスの苦悶の声に俺は慌てて口を開く。
「頼むっ、やめてくれ! お前の言う事、なんでも聞くからさ……」
「……分かりました」
懇願するように見上げれば、イムノスは嬉しそうに微笑んだ。
苦痛から解放されたルスが、大きく息を吸う。
……息も吸えないくらい辛かったのか。
ごめんな……。
俺、もう二度とイムノスの意識がルスにいかねーよーにするからな。
「レイ……」
荒い息の合間から、ルスが俺の名を小さく呼んだ。
同じ部屋にいるのにな……。
すぐに駆け寄って、ルスに触れたいよ。
ルスの分厚い唇で、いつもみたいに優しく触れてほしい……。

じわりと涙が滲む。
滲んだ視界の向こうで、ルスは息を整えながら、俺をじっと見つめてる。
ルスも、俺に触れたいって、思ってくれてんのかな……。
それとも、他の奴に汚された俺の事は、もう………………。

それ以上は、怖くて考えられなかった。
ただ涙だけがボロボロと零れる。
「隊長は、こんなにたくさん泣く方なのですね」
イムノスが、楽しそうに言って、俺の涙を舐めた。
泣かせてんのは、お前だろ……。
小瓶の中身は空になったのか、俺の腰はベッドの上に戻されたが、瓶はまだ入れられたままだ。
腹の中がめちゃくちゃ熱い。
「隊長、四つ這いになってください」
言って、イムノスが両手首の鎖を高い位置に掛け替える。
俺は、両腕だけを上に持ち上げられる形になった。
ってかよくそんなあちこちにわざわざフックをつけてあるな。
「舐めてください」
言葉とともに、眼前にイムノスのものが差し出される。
俺の中に入っていたそれを、仕方なく舐め始める。
「もっと口の中に全部入れてくださいね」
俺が口を開けると、それは一気に奥まで突っ込まれた。
「おぁ、っ……ぅえ……っ」
喉の奥に入ったそれに、嘔吐しそうになる。
イムノスは俺の髪を大事そうに撫で回す。
「……っ、ぅ、……」
っ、いってーな、その辺傷があんだよ、触んなよ。
じっとしてるわけにもいかねーし、俺は吐き気に襲われながらもゆるゆると頭を振る。
頭から響く痛みと、息苦しさで段々意識が混濁する。
「……ん、……ぅ……」
不意に、どくん。と心臓が大きく脈打った。
喉の辺りまで心臓が上がってきているような、変な感じだ。
ただでさえ苦しい息が、内側からも掻き乱されてゆく。
これ……まさか、あれか、さっきの、媚薬的なやつだったの、か……。
「ん、……んんっ、ぅ……んっ……」
「おや、隊長顔が赤いですよ。そろそろ効いてきましたか?」
イムノスの、いつもの冷静な声に、どろりとした欲が混ざっている。
まるで、魔物の気配にそっくりだ。
「ぅ……ん……っっ」
腹の奥から広がる熱が、頭にまで届いて、ジンジン痺れてくる。
つられるように、イムノスの息が徐々に上がってゆく。
「ああ……、頬を染めた隊長が、美しいその唇で、私のものを……」
うっとりした声が、熱い息とともに吐き出される。
いや、お前が……やらせてんだろ……。そう思う俺の頭も、もうかなり回らなくなっているのが分かる。
これ……は、まずい、な……。

イムノスのものが硬さを増して怒張する。
じっとしていられなくなったのか、俺の喉奥をイムノスがガツガツと突いた。
「んんんっっ、――っっっ!!」
痛みも苦しさも、全てが混ざって快感になる。
なんだ、俺……、感じてんのか……?
「隊長の、中に、出しますよ。全部飲んでくださいね」
こんな奥で飲めるかっっ。せめてもうちょい抜けよ!!
俺の心の叫びも虚しく、頭を掴まれて喉の奥までぶち込まれたそれが弾ける。
気管に入らないように必死で嚥下するも、いくらか咽せる。
うぇ……すげぇ、気持ち悪ぃ……。
ゲホゲホ咽ってんのに、それでも心臓がどくどく煩いし、頭もジンジンするし、なんだかクラクラして、ヤベェ。
「は……、ぁ……っ……」
ぽたぽたと口端から涎が溢れてシーツを濡らす。
息が上がって、顔が熱い。
からだが、おかしい。

潤んだ視界でぼんやりと顔を上げれば、イムノスの欲の宿った瞳に射抜かれる。
ぞくりと背を走った悪寒さえ、すぐさま快感に変わった。
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