上 下
54 / 87

第7話 二度目と、初めて(13/13)

しおりを挟む
繰り返し繰り返しレイの内を犯せば、レイは快楽に溺れ、涙に濡れて、俺にもうやめてくれと縋った。
どこか残念ではあったが、泣いて縋るレイの姿にも、俺はまたぞくぞくした。
あのレイが、あの強く美しい男が、俺の腕の中でとろとろに蕩けて、涙ながらに懇願している。
俺は、その事実にそれなりに満足して、レイを、もう休ませてやろうと思った。
けれど、そんな俺に、レイは良すぎてどうにかなりそうで怖いなどと言う。
……そんな言葉を聞かされては、そのどうにかなってしまう姿を、見たくなってしまうじゃないか。
怖いものなんて何も無さそうな、巨大な魔物の前でも笑って剣を振るような男が、怖い程に感じて、快楽に乱れ狂う、その姿を。

俺が残念な思いを口にすれば、レイは恐怖を必死で堪えて、半ばヤケクソの様ではあったが、俺に叫んだ。
自身を俺の好きにしていいと。
レイは、その身の全てを、心までも、俺に委ねた。
なぜ、こうまで健気に尽くせるのか。
お前の俺への献身は、ちょっと度が過ぎている。
けれど、その思いが俺にはたまらなく嬉しくて、たまらなく熱を呼ぶ。

もっともっと、お前の内を俺でいっぱいにしたい。
俺以外のことはカケラも考えられないくらい、俺で満たしてしまいたい。

レイの両足を上げさせると、俺はその奥へとさらに深く入り込んだ。
それだけで、レイは顔色を変えて、ビクビクと身体中を震わせる。
奥を強く突き上げれば、レイはあられも無く身を捩って快楽に喘いだ。
嬌声の止まないレイの内を、さらに奥へ奥へと突き続ければ、レイの内は俺を強く締め付け更なる奥へと誘う。
「くぅ……ぁ……こわ、ぃ……っ、ルス……っっ」
掠れるような、泣いているような声が、イキ続けるレイの口から雫と共に零れた。
レイの瞳孔は完全に開いてしまっている。
ビクビクと跳ねる身体は、もうレイの制御を離れてしまっているのだろう。
俺はレイを慰めるように、声をかけて口付ける。
「大丈夫だ。俺がついている」
ふ。とレイが天井を見上げたまま嬉しそうに笑う。
きっともう、その目は焦点を合わせられないのだろう。
それでも、俺の言葉に、レイは安心したらしい。
「ルス……ぅ、んんんっ、ルス……っっ」
快感に翻弄されながらも、俺の名を呼ぶレイに、昂る想いを全て込めるようにして、腰を深く鋭く叩き付ける。
「ああっ、あああぁぁあっっルス、激し……ぁっっんんんんんんんっっっ!!」
ふるふると首を振って、少しでも快感から逃れようと離れるレイの腰を、逃がすまいと押さえ込んで、懇願するように告げた。
「レイ……逃げないでくれ。俺の腕の中で、思う存分乱れてほしい……」
「ぁ……っ、ルス、ぅぅんん……っっ」
僅かな抵抗を見せていたレイが、ガクガクと身体を震わせながらも、必死で力を抜いて俺の腕に身を委ねる。
「……いい子だ」
俺の声に、レイは涙溢れる瞳をまた嬉しそうに細めた。
本当に、俺の声に従順で、可愛い奴だ。
「レイ……愛してる……」
愛を込めて突き上げれば、レイは応えるようにその内側でぎゅうぎゅうと俺を絞る。
こいつの感じる胸の突起を齧ってやりたいところだが、この姿勢では足が邪魔で難しいな。
代わりに、と快感に逸らされた首元を舐め上げれば、レイは身体の全てを震わせた。
「あぁっ、んんんんんんっっ!」
どうやら、もうどこを舐めても随分と感じてくれるらしい。
俺よりも細い、しっとりと汗ばんだ首筋へ丁寧に舌を這わせれば、レイはさらに首を逸らして身悶えた。
「あぁあっっ、ぁあ、いや、だ……っっ、んんんっ、また、く、る……。ああっ! なんか、すご、んんんっ、ぁぁっ、すごいの、が、くるぅううううっっっ」
レイがぞくぞくと快感と恐怖に身体を震わす様が、俺の腕にまで伝わってくる。
「あっ、あっ、あっっっ!!! ぁぁあんんんんんんんんんんっっっ!!」
レイは一際跳ねて力強く締め付けてくる。
熱い熱いレイの内側で繰り返し絞られて、俺の熱も、もう破裂しそうだった。
「……お前の中に、注ぐぞ」
「んっ、俺、ルスのっ、全部っ、んんっ、受け止める、からっ、ん、ああっ!」
イキ通しに近いレイが、僅かな呼吸を諦めてまで、健気に俺の言葉に応えた。
俺はたまらなくなって、舐めていたその首に歯を立てる。
「やあ、ああんっっ、そんな、ことっっあぁぁあああっっ!!」
痛みに応えるように、レイがその内をびくりと締める。
そこをさらに最奥まで穿てば、俺の物からも、どくりと精が放たれる。
「んっ、んんんんんっっ、ぁあっ熱いっっ! ルスの、あつ、いぃいいいいいっっ!!」
レイがビクビクと腹を引き攣らせて、ぎゅうっと眉を寄せる酷く苦しげなその様子に、繰り返し押し込まれたそこへ叩きつけられた熱は、もはや痛みに近いのではないだろうか。と頭の隅がぼんやり考える。
それでも、俺は自身の種を全てレイの腹に収めたい衝動に従って、緩やかにレイの腰を揺らし続けた。
ふ。と目の前でレイの瞳から光が途絶える。
途端、全身の力が抜けて、人形のように崩折れるレイの身体を、俺は抱き止めた。
……どうやら、意識が飛んでしまったらしい。

俺は、体液でぐしょぐしょになっているレイの体をそっとベッドへ下ろす。
ずるり、と俺のものが抜けた後からは、どろどろと大量の液体が流れ出てきた。
内側の粘膜までもが一緒に出て来てしまっている入り口は、内も外も擦り切れて真っ赤に腫れ上がり、見るからに痛々しい。

明らかに、やり過ぎてしまった。
同意の上ではあったが、結果がこれでは、俺が一方的に蹂躙したようなものだろう。

レイの白い首筋には、昂りから発作的に残してしまった歯形があった。
じわりと赤が滲んだ傷痕。そっと舐めれば、血の味がした。
「レイ……すまない……」
答えのない謝罪が、静かな部屋にぽつりと落ちる。
どこか贖罪をするような気持ちで、力を失ったその身体を丁寧に清める。
レイの身体は、やはりどこもかしこも美しい。
無駄なところの何ひとつない、実用的な筋肉のみで構成された肢体。
自分と違わぬほどの出撃回数があるはずなのに、レイの胴には傷が一つも残っていなかった。
四肢にいくつか残っている傷痕を、これはあの時の、こっちのはあの時の……と記憶を重ねていると、二つほど俺の知らない傷がある。
今度尋ねてみよう。俺もレイも、ここ数年はそれぞれが遠征で長い間顔を合わせずに過ごすことも多かったからな……。

レイが意識を飛ばす前に、後処理について尋ねておいたあたり、自分は確信犯だと思う。
レイの献身にあまり甘えすぎないようにしなくてはな……、毎晩こんな調子で抱いてしまえば、レイが壊れてしまうだろう。
俺は、自戒しながら、寝顔すら美しいこの男にそっと口付ける。

明日、目覚めたらこいつは何と言うだろうか。
やり過ぎてしまった。すまなかった。許してくれ。と、レイに伝えるべき言葉を胸中で呟きながらも、俺は確信していた。
レイは必ず、俺を許してくれるだろう。と。
ふ。と緩む口元をそのままに、愛しい男の頬をそっと撫でた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

食事届いたけど配達員のほうを食べました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか? そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

王子妃だった記憶はもう消えました。

cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。 元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。 実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。 記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。 記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。 記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。 ★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日) ●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので) ●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。  敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。 ●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

処理中です...