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プロローグ
プロローグ 女神からの依頼
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「やあ!よく来たね!ようこそ私の空間へ!」
広い部屋、本当に何もない広い部屋で何故か目を覚ました俺は目の前にいる綺麗な女の人にそう告げられた。
「…どこなんだよここは?あんたは誰だ?俺はどうしてここにいる。」
「まぁまぁ落ち着いて?順を追って説明するから。まぁそこの椅子にでも座りなよ?」
「そこってどこに…って」
指を指された方を見るとさっきまで何もなかったはずの場所に椅子が現れていた。
この女の人がいまだしたってことなんだろうか…?
そう言えばさっきこの人『私の空間』って言ってたような…
「とにかく座りなって!話はそれからだよ」
「はぁ…じゃあ」
言われるがままに俺は現れた椅子に座る。
すると何もない空間から膝の上に湯飲みに入ったお茶と和菓子が現れた。
これもこの人が出したってことなんだろうが…
何者なのか謎が深まるばかりになってしまった。
「それ、君の国の甘味でしょ?上手く再現できてるかわかんないけど…それ食べながら話そうよ」
女の人は自分の椅子を取り出すと座ってお茶をひと啜りする
「それで…君がここに来た理由…だったかな?」
「…ああ」
「君がここに来た理由はね…」
「理由は…?」
「ただの偶然!」
「え?偶然?」
「そう。たまたまここの魔力と君の心臓の波長が共鳴してここに呼び出されたの」
「わけが分からない…」
「まぁ普通の反応だよね。」
「それで?俺はどうしたら元の場所に戻れるんだ?」
「…それがね」
女の人は言いにくそうに俺から目を逸らす。
「まさか…」
「そのまさか。ここに来たらもう元の世界には戻れないんだよ。」
「やっぱりか…」
「ごめんね?戻してあげたい気持ちはあるんだけど…」
「いやそっちが規制を課してるわけじゃないんだし謝ることはない。
それで…俺はこれからどうなるんだ?」
「君にはクラスメイトと同じく別の世界に行ってもらうよ」
「クラスメイトと同じくって…」
「君は元々クラスメイトと一緒に異世界に召喚されるはずだったんだよ。」
「それが何故かここに飛ばされてきてしまったと」
「君みたいに元の姿を保ったまま飛ばされてくるのはとっても珍しいね。」
「そうなのか」
「うん。この空間は人の子は普通は入れないからね。」
「そう言えば今更なんだが…」
「ん?どうしたの?」
「あんたの名前を聞くのを忘れてたと思ってな」
「あー…そう言えば名乗ってなかったかも。
では改めて…私の名前はファラ!
わけあってここの管理人をしてる君たちの世界でいうところの神様だよ。」
「神様…」
「そう。信じられないかもしれないけど神様なんだよ!」
「いやまぁ信じるけど。」
「ほんと!?」
「なんでそんなにうれしそうなんだ…」
「ほら私って一般的なのに神様っていうと嘘だ!!って言われちゃうんだよね」
「神様に一般も何もないだろ」
「あるんだよ!私は新人でまだなんの称号も実績もない一般なノーマル神様なの!」
ファラは失礼しちゃうと言いたげな顔でプリプリと怒りながらそういう。
神様の世界にも色々あるんだな…今後約に立たなさそうだけど勉強になった。
「俺の名前は…」
「いやそっちは大丈夫だよ!キミの名前はもう知ってるから!」
「…今なんて?」
俺、ここにきて一回も名乗ってないんだが…
ファラのはそういう力があるんだろうか?
全てを見通すような超人的な力が。
「おっと。ここまで違う話ばかりしてたね。ここからは本題に入るよ」
「やっとか」
「偶然とはいえここに引き寄せてしまったお詫びに私から君にプレゼントをあげる」
「プレゼント?」
「うん。これだよ」
そう言ってファラが渡してきたのは分厚い本だった。
「これは?ただの本に見えるけど…」
「それはスキルブックだよ。その中から二つ好きなものを二つ君にあげる」
「スキル…」
漫画やアニメでよくあるいわゆる特殊能力ってやつか…。
「でもなんで二つ?お詫びなら一つでもいい気がするが」
「もう一つはこれからするお願いに対しての先払いだよ」
「お願い?」
「そう。君には異世界で暴走した勇者の処理をしてもらいたいんだ」
「勇者って…俺のクラスメイトのか?」
「君のクラスメイトに限ったことじゃない。大きな力を持ったがゆえに自我を失って暴れ始めたり
世界を支配しようと魔王になったりする異世界人たちが割といるんだ。
君にはそうなってしまった異世界人たちを元に戻すもしくは殺す仕事をしてほしい。
クラスメイトを殺すことになるかもしれないから心は苦しいだろうけど…引き受けてくれないかな?」
「いいぞ」
確かに仲良くしているクラスメイトを殺めなければならない時が来るとなるとちょっと心苦しいがあいつらは簡単に暴走するようなやわなやつじゃない。
それに俺が止めることでどうにかなるのなら喜んで力を貸す。
「ありがとう。」
「あ、それとスキルはこれとこれで頼む。」
俺はそう言ってスキルブックをファラに渡す。
俺が選んだスキルは『変形』と『吸収』だ。
なんでこの二つにしたかといえばびびっときたから…としか言いようがないがきっとこのスキルは俺の役に立ってくれると確信した。
「もっと強いスキルじゃなくていいの?」
ファラの言い方からしてあまり強いスキルじゃなさそうだが…
まぁそこは使い方次第だと思うから問題はない。
「ああ。元々強いスキルじゃなくてもうまく使えば多分強くなるからな」
「そっか。いい選択だね」
「…もう時間か」
手を見ると俺の体は段々と薄くなってきていた。
きっと俺がここにとどまることが出来なくなってきているのだろう。
「…うん。君がここに居られる時間はもうない。もうすぐ異世界へと飛ばされる。なにか言い残すことはない?」
「…なんか処刑されるみたいないい方だな…まぁないけど。」
「これからの君の冒険に幸を…」
ファラがそう言うと俺の体が淡く光った。
今までに感じたことのないような不思議な感覚があった。
「何をしたんだ?」
「ちょっとした幸運のおまじないをね。」
ファラによるまじないが済んだ後俺の体は完全に消滅した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完全に一人になった後…
ファラは一人空を見上げていた。
…といってもこの空間に空なんて概念はないため天井を見ているだけになるが。
「あの子…大丈夫かなぁ?」
ファラはさきほど見送った少年のことを案じていた。
「うーん。流石にクラスメイトと戦ってもらう可能性があるのはのはちょっとかわいそうだったかも…?」
彼にも仲のいい友達がいるのかもしれない。
勇者全員が赤の他人ならクールそうな彼ならきっと何事もなくどうにか出来ただろう。
しかしもしその友達が暴走して彼と戦うことになってしまったら…
きっと彼は辛い思いをするだろう。
「…どうか彼に不幸が起きませんように」
ファラはそう小さく呟くとその場から姿を消すのだった。
広い部屋、本当に何もない広い部屋で何故か目を覚ました俺は目の前にいる綺麗な女の人にそう告げられた。
「…どこなんだよここは?あんたは誰だ?俺はどうしてここにいる。」
「まぁまぁ落ち着いて?順を追って説明するから。まぁそこの椅子にでも座りなよ?」
「そこってどこに…って」
指を指された方を見るとさっきまで何もなかったはずの場所に椅子が現れていた。
この女の人がいまだしたってことなんだろうか…?
そう言えばさっきこの人『私の空間』って言ってたような…
「とにかく座りなって!話はそれからだよ」
「はぁ…じゃあ」
言われるがままに俺は現れた椅子に座る。
すると何もない空間から膝の上に湯飲みに入ったお茶と和菓子が現れた。
これもこの人が出したってことなんだろうが…
何者なのか謎が深まるばかりになってしまった。
「それ、君の国の甘味でしょ?上手く再現できてるかわかんないけど…それ食べながら話そうよ」
女の人は自分の椅子を取り出すと座ってお茶をひと啜りする
「それで…君がここに来た理由…だったかな?」
「…ああ」
「君がここに来た理由はね…」
「理由は…?」
「ただの偶然!」
「え?偶然?」
「そう。たまたまここの魔力と君の心臓の波長が共鳴してここに呼び出されたの」
「わけが分からない…」
「まぁ普通の反応だよね。」
「それで?俺はどうしたら元の場所に戻れるんだ?」
「…それがね」
女の人は言いにくそうに俺から目を逸らす。
「まさか…」
「そのまさか。ここに来たらもう元の世界には戻れないんだよ。」
「やっぱりか…」
「ごめんね?戻してあげたい気持ちはあるんだけど…」
「いやそっちが規制を課してるわけじゃないんだし謝ることはない。
それで…俺はこれからどうなるんだ?」
「君にはクラスメイトと同じく別の世界に行ってもらうよ」
「クラスメイトと同じくって…」
「君は元々クラスメイトと一緒に異世界に召喚されるはずだったんだよ。」
「それが何故かここに飛ばされてきてしまったと」
「君みたいに元の姿を保ったまま飛ばされてくるのはとっても珍しいね。」
「そうなのか」
「うん。この空間は人の子は普通は入れないからね。」
「そう言えば今更なんだが…」
「ん?どうしたの?」
「あんたの名前を聞くのを忘れてたと思ってな」
「あー…そう言えば名乗ってなかったかも。
では改めて…私の名前はファラ!
わけあってここの管理人をしてる君たちの世界でいうところの神様だよ。」
「神様…」
「そう。信じられないかもしれないけど神様なんだよ!」
「いやまぁ信じるけど。」
「ほんと!?」
「なんでそんなにうれしそうなんだ…」
「ほら私って一般的なのに神様っていうと嘘だ!!って言われちゃうんだよね」
「神様に一般も何もないだろ」
「あるんだよ!私は新人でまだなんの称号も実績もない一般なノーマル神様なの!」
ファラは失礼しちゃうと言いたげな顔でプリプリと怒りながらそういう。
神様の世界にも色々あるんだな…今後約に立たなさそうだけど勉強になった。
「俺の名前は…」
「いやそっちは大丈夫だよ!キミの名前はもう知ってるから!」
「…今なんて?」
俺、ここにきて一回も名乗ってないんだが…
ファラのはそういう力があるんだろうか?
全てを見通すような超人的な力が。
「おっと。ここまで違う話ばかりしてたね。ここからは本題に入るよ」
「やっとか」
「偶然とはいえここに引き寄せてしまったお詫びに私から君にプレゼントをあげる」
「プレゼント?」
「うん。これだよ」
そう言ってファラが渡してきたのは分厚い本だった。
「これは?ただの本に見えるけど…」
「それはスキルブックだよ。その中から二つ好きなものを二つ君にあげる」
「スキル…」
漫画やアニメでよくあるいわゆる特殊能力ってやつか…。
「でもなんで二つ?お詫びなら一つでもいい気がするが」
「もう一つはこれからするお願いに対しての先払いだよ」
「お願い?」
「そう。君には異世界で暴走した勇者の処理をしてもらいたいんだ」
「勇者って…俺のクラスメイトのか?」
「君のクラスメイトに限ったことじゃない。大きな力を持ったがゆえに自我を失って暴れ始めたり
世界を支配しようと魔王になったりする異世界人たちが割といるんだ。
君にはそうなってしまった異世界人たちを元に戻すもしくは殺す仕事をしてほしい。
クラスメイトを殺すことになるかもしれないから心は苦しいだろうけど…引き受けてくれないかな?」
「いいぞ」
確かに仲良くしているクラスメイトを殺めなければならない時が来るとなるとちょっと心苦しいがあいつらは簡単に暴走するようなやわなやつじゃない。
それに俺が止めることでどうにかなるのなら喜んで力を貸す。
「ありがとう。」
「あ、それとスキルはこれとこれで頼む。」
俺はそう言ってスキルブックをファラに渡す。
俺が選んだスキルは『変形』と『吸収』だ。
なんでこの二つにしたかといえばびびっときたから…としか言いようがないがきっとこのスキルは俺の役に立ってくれると確信した。
「もっと強いスキルじゃなくていいの?」
ファラの言い方からしてあまり強いスキルじゃなさそうだが…
まぁそこは使い方次第だと思うから問題はない。
「ああ。元々強いスキルじゃなくてもうまく使えば多分強くなるからな」
「そっか。いい選択だね」
「…もう時間か」
手を見ると俺の体は段々と薄くなってきていた。
きっと俺がここにとどまることが出来なくなってきているのだろう。
「…うん。君がここに居られる時間はもうない。もうすぐ異世界へと飛ばされる。なにか言い残すことはない?」
「…なんか処刑されるみたいないい方だな…まぁないけど。」
「これからの君の冒険に幸を…」
ファラがそう言うと俺の体が淡く光った。
今までに感じたことのないような不思議な感覚があった。
「何をしたんだ?」
「ちょっとした幸運のおまじないをね。」
ファラによるまじないが済んだ後俺の体は完全に消滅した。
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完全に一人になった後…
ファラは一人空を見上げていた。
…といってもこの空間に空なんて概念はないため天井を見ているだけになるが。
「あの子…大丈夫かなぁ?」
ファラはさきほど見送った少年のことを案じていた。
「うーん。流石にクラスメイトと戦ってもらう可能性があるのはのはちょっとかわいそうだったかも…?」
彼にも仲のいい友達がいるのかもしれない。
勇者全員が赤の他人ならクールそうな彼ならきっと何事もなくどうにか出来ただろう。
しかしもしその友達が暴走して彼と戦うことになってしまったら…
きっと彼は辛い思いをするだろう。
「…どうか彼に不幸が起きませんように」
ファラはそう小さく呟くとその場から姿を消すのだった。
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