SLAVE番外編 屋敷のホワイトディ 媚薬入りにて発情せり 【本編お気に入り80overありがとうSS】

阿沙🌷

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🍫12.

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「いやはや。お見事でございますな」

 男らの悦と官能に満ち溢れた屋敷の中を闊歩するふたつの影があった。
 ひとりは屋敷を取り仕切る藤滝、そしてその隣を歩むのが彼の大きな支援者のひとりであった。

「まったく貴公の発案には驚かされます」

 藤滝が頬を緩めて言う。

「屋敷全体を鑑賞用に拵えてしまうとは……」

「お主のように若くはないからなぁ」

「ご謙遜を」

「まあ、それにしても、見事見事だな。あちこちで狂い咲いて乱れている者ども、みな美しい。流石は、原石を磨くことに関して右に出るものはいない藤滝殿だ」

「またまた、そんな」

「こうやって、闊歩する楽しみを味わわせていただけていること、感謝いたしますよ」

「こちらこそ、いつもご支援いただきまして、誠にありがとうございます」

 そんなやりとりのさなか、弥助たちの交合する廊下へとふたりは出た。
 彼らの様子に、「おお……」と感嘆する男の隣で藤滝は瞳を冷たく光らせた。
 男のすることに藤滝は進んでことを運ばせた。だが、想像以上に楽しんでいる・・・・・・青年の姿に、ちりりと胸の奥が焼き付くような感覚。

「どうなされましたか?」

「あ、ああ、いえ。なんでもございません」

 男に声を掛けられて、藤滝は我に返った。そして、思う。
 待っていろ、と。
 この饗宴が終わり次第、お前は――。

 そんな視線を送る藤滝にすら気が付かずに青年は悦をむさぼりあうふたつの肉の間で、喘ぎ、果てて、また上り詰めるのであった。

(了)








======


 ようやくです。ようやく終わりました。

 短いものにしようとしていたのですが、諸事情あり筆を一時的に止めてしまい、そのため季節に置いて行かれたかたちになりましたが、何とかエンド・マークを付けられました。
  長らくお付き合いいただけまして、本当にありがとうございました。

 今だ終わりそうにない本編のほうも徐々にですが一歩ずつ進めてまいりたいとおもいます。

 それでは。

 
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