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門倉は、なんでそんなこと、しなくちゃならないんだよ、というヘケイベツの視線を送る。
「いつも、俺ばっかりじゃないですか」
「そりゃあ、誰かさんの性格がねじまがっているからだろうに。俺はまっとうな健全な日本男子だってーのに」
「じゃ、俺だってまっとうで健全ですよ?」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない!」
「あー、もう、頭痛くなってきた。なんなんだよ、お前。死ぬほど、わけわからん。話していてこんなにストレスかかる人間はいないよ」
「おほめにあずかり光栄至極」
「ほめてねー!」
「ところでこの子供は一体何匹いるんだ?」
「やん。門倉さんったら、自分の子供のことなのに……全部で、七十二匹です♡」
「は?」
なんでそんなに買ったんだよ。ばかなのか。
「そういうさげすんだ目で見られると、俺、感じちゃう」
「あ、そういうのいいんで。やめてもらえますか、松宮くん。さて、これ、どうするんだよ。このままこいつらに部屋を占領されているの、困るだろ」
「困りませんってば、だって可愛いんだもん。あ、それとも……」
松宮はニヤリと笑った。
「俺たちがやってるとこ、この子たちに見られちゃうのが恥ずかしいんですか? 門倉さん」
「ばああああかああああ! あほか! なんでそういう発想になる!? って、ええ!?」
松宮は急に前かがみの姿勢を取り出した。
「おいおいおい、待て待て待て。俺は知らん。俺は知らんぞ」
「はあっ、なんか、こう、今の結構、腰にキちゃいますね……想像しただけで」
「よし、帰ろう。俺は帰る」
「無事帰れると思うなっ」
「うお!」
松宮は逃げようとする門倉にタックルする勢いで抱き着いた。後ろから抱きつかれた門倉の尻に松宮の中心が当たる。
「うおおおおおお! やめろ、ギブ! っていうか、なんで興奮してんだよ! 変態! 俺は家に帰る!」
「何言ってんの? ここは俺んちではあるけど……門倉さんの家でもあるんだよ」
「うーわ! 変態だ! 変態がいるううう! ひえええ!」
「さーて、じゃあ、門倉さんには、その変態のお味をしっかり確かめもらわないとね」
「ひげええええええええ! もむなあああああ!」
松宮が門倉の前に腕をスライドさせて、その部分に触れだす。ズボン越しとはいえ、これはまずいとばかりに、門倉は松宮から逃れようとして、身をよじった。
「いい加減にしろ!」
松宮の抱擁から逃れた門倉は、松宮と向かい合った。
むっとなって大声を出せば、松宮がしゅんとうなだれた。
「……だって、門倉さんが悪いんですよ」
小声で、松宮がつぶやく。
「俺の発火源ってあなた以外にないでしょう」
(了)
「いつも、俺ばっかりじゃないですか」
「そりゃあ、誰かさんの性格がねじまがっているからだろうに。俺はまっとうな健全な日本男子だってーのに」
「じゃ、俺だってまっとうで健全ですよ?」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない!」
「あー、もう、頭痛くなってきた。なんなんだよ、お前。死ぬほど、わけわからん。話していてこんなにストレスかかる人間はいないよ」
「おほめにあずかり光栄至極」
「ほめてねー!」
「ところでこの子供は一体何匹いるんだ?」
「やん。門倉さんったら、自分の子供のことなのに……全部で、七十二匹です♡」
「は?」
なんでそんなに買ったんだよ。ばかなのか。
「そういうさげすんだ目で見られると、俺、感じちゃう」
「あ、そういうのいいんで。やめてもらえますか、松宮くん。さて、これ、どうするんだよ。このままこいつらに部屋を占領されているの、困るだろ」
「困りませんってば、だって可愛いんだもん。あ、それとも……」
松宮はニヤリと笑った。
「俺たちがやってるとこ、この子たちに見られちゃうのが恥ずかしいんですか? 門倉さん」
「ばああああかああああ! あほか! なんでそういう発想になる!? って、ええ!?」
松宮は急に前かがみの姿勢を取り出した。
「おいおいおい、待て待て待て。俺は知らん。俺は知らんぞ」
「はあっ、なんか、こう、今の結構、腰にキちゃいますね……想像しただけで」
「よし、帰ろう。俺は帰る」
「無事帰れると思うなっ」
「うお!」
松宮は逃げようとする門倉にタックルする勢いで抱き着いた。後ろから抱きつかれた門倉の尻に松宮の中心が当たる。
「うおおおおおお! やめろ、ギブ! っていうか、なんで興奮してんだよ! 変態! 俺は家に帰る!」
「何言ってんの? ここは俺んちではあるけど……門倉さんの家でもあるんだよ」
「うーわ! 変態だ! 変態がいるううう! ひえええ!」
「さーて、じゃあ、門倉さんには、その変態のお味をしっかり確かめもらわないとね」
「ひげええええええええ! もむなあああああ!」
松宮が門倉の前に腕をスライドさせて、その部分に触れだす。ズボン越しとはいえ、これはまずいとばかりに、門倉は松宮から逃れようとして、身をよじった。
「いい加減にしろ!」
松宮の抱擁から逃れた門倉は、松宮と向かい合った。
むっとなって大声を出せば、松宮がしゅんとうなだれた。
「……だって、門倉さんが悪いんですよ」
小声で、松宮がつぶやく。
「俺の発火源ってあなた以外にないでしょう」
(了)
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