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2021
その指が奏でるもの
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俺の指先が弾くのは引き金、彼のはピアノの鍵盤。ターゲットを追う日々から、ささやかな安息の時間はいつものバーだ。薄暗い店内を流れる彼のジャズが俺の身体にも染みこんでくる。演奏が終わった。真っ先に彼が視線を向けるのは俺だ。「今日も来てたんだね」嬉しそうに微笑む彼は俺の正体を知らない。(了)
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