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2020
351.ただ一人
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雨が振っている。傘のないぼくはただひとり、薄暗闇の中に閉じ込められそうな昇降口で立ち尽くしていた。「お、今帰り?」どんと背中を叩かれて転びそうになる。「お前かよ」「そうだ、俺だが。帰るぞ」今度はぐいっと腕を引っ張られた。強引なやつ。気がついたら彼の差す傘の中に収まっていた。(了)2020.12.04
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