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2020
214.蝉の声
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窓を開けた途端、上がる音量。炎天下も鳴り止まぬ求愛の暴力。蝉が苦手だ。そんな俺の隣で彼はそれを愛でる。精一杯、今を生きる姿を愛せる彼と、鼓膜への振動を嫌う俺。間にあるのは懐の広さだとか見ている視野の違いだとか、感受性の深さだとか。違いに触れたいと願っても風のようにすり抜けていく。(了)2020.08.01
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