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2019
12月④スープ/マフラー/おはよう
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スープ 2019.12.10
冬の朝には必ずスープが出てくる。
コーンポタージュ、卵と海藻、ミネストローネ。
よくこんなにもバリエーションがあるなぁと今日になって気が付いた。
「ごめん、風邪引いたみたい」
俺より早起きなあいつが布団で蓑虫になっている。
優れない体調が心配だ。
当たり前だった朝食が幸せな事だと初めて知る。
マフラー 2019.12.11
真っ赤な運命の糸で
編み込まれたマフラー。
彼女が作ってくれたのだろうか。
毎日制服の上で揺れるそいつを
どうにかして君から引っペ返したい。
「おはよう」
手を上げて笑いかける僕の
ドロドロとした心中を君は知らない。
小指に流れる目に見えない糸を
断ち切って、どうか、
僕の方に振り向いて。
おはよう 2019.12.12
冬の朝は目覚めが悪い。
夜と朝の境界線はぼんやりとしていて、
民家の影のグレーと
斜めから降り注ぐ陽光のイエローの
縞模様がアスファルトに落ちる。
それでも決った時間に起きるのは
彼が道を通るから。
爽やかに駆け抜けていく
ランニングシューズの
軽やかな音に耳を澄ませて、
そっと布団をめくった。
冬の朝には必ずスープが出てくる。
コーンポタージュ、卵と海藻、ミネストローネ。
よくこんなにもバリエーションがあるなぁと今日になって気が付いた。
「ごめん、風邪引いたみたい」
俺より早起きなあいつが布団で蓑虫になっている。
優れない体調が心配だ。
当たり前だった朝食が幸せな事だと初めて知る。
マフラー 2019.12.11
真っ赤な運命の糸で
編み込まれたマフラー。
彼女が作ってくれたのだろうか。
毎日制服の上で揺れるそいつを
どうにかして君から引っペ返したい。
「おはよう」
手を上げて笑いかける僕の
ドロドロとした心中を君は知らない。
小指に流れる目に見えない糸を
断ち切って、どうか、
僕の方に振り向いて。
おはよう 2019.12.12
冬の朝は目覚めが悪い。
夜と朝の境界線はぼんやりとしていて、
民家の影のグレーと
斜めから降り注ぐ陽光のイエローの
縞模様がアスファルトに落ちる。
それでも決った時間に起きるのは
彼が道を通るから。
爽やかに駆け抜けていく
ランニングシューズの
軽やかな音に耳を澄ませて、
そっと布団をめくった。
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