夏の熱さをおそれているか

阿沙🌷

文字の大きさ
上 下
2 / 26
✿初稿

2.

しおりを挟む
「まじ俺、今日ラッキーなの。さっき花荻くんが出たもん、わ~い、若いオス、若いオス、若いオス!」
「うちのに変なことしないでくださいね」
「ベッドの中にお持ち帰りしちゃうとか?」
「そういうことは控えてください」
「あはは、前にあったもんね。前の担当だっけ? 俺がすこ~し、しゃぶろうとしただけで」
「退職しました。それ、犯罪ですからね」
「その一歩手前ですぅ。同意がない子を誘ったりはしませんの~」
 どうだか。いや、そういう方面で松葉――いや松宮はしっかりしている。手を出す相手はちゃんと選ぶ人間というべきか。
「あなたがいつもそういう態度だから、いつまでたっても、ぼくがあなたの担当をしていなければならないんですよ」
「あ~、そういえば、そうだねぇ。ベテランとか大御所には新人育成かねて若い編集つかせるもんねぇ」
 松宮はデビューしてから数年。年月だけでいえば新人から中堅くらいだろうが、この編集部はほぼ松宮のまんがに食わせてもらっているといえるような状態だ。他の編集者の勉強にならないかと担当編集を千尋と交換したことがあるのだが、長く持って一ヶ月、最速は一日でギブアップしていった。
「それができないんですよ、あなたの場合。すぐに編集者をつぶす」
「あは。俺、ちーちゃんがいい!」
「勝手にいっていてください」
「それじゃあ、ほかの出版社にいこうかなぁ」
「知ってますよ、他社で挿絵の仕事、受けていたの」
「あは、バレた」
「とがめはしませんが、それでこちらの締切を守れないというのなら」
「お尻ぺんぺんでもする? あ、いや、ちーちゃんのほうがしてほしい側だっけ?」
 頭にきたので、わざと音を立てて乱暴に受話器を置いた。少しの沈黙。編集部内に重たい空気が流れる。
「あの……千尋さん……?」
 不安げに花荻が話しかけてきた。ちょうどそのとき、また電話が鳴った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

処理中です...