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✿04:男の味なんて知りたくなかった

****10.昨夜のことは忘れよう(9)※

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「おい、何するつもり!?」

 グレイの行動に、カンジが驚いて、指を抜いた。
 癒月のなかには、グレイの雄のみになる。

 二本もの男の指の存在が消えて、ほっとしたのも、つかの間だった。

 グレイが大きく腰を打ち付けたきたからだ。

「~~ッ!!」

 大きく弾けた。

 癒月は必死にグレイにしがみつくしかできなかった。
 下から突き上げてくるグレイの雄は、激しく脈打ちながら、癒月の内部を押し進んで行く。

 グレイが我慢できなくなったらしい。

 癒月はそのまま、ふたたび男に押し倒されて、彼の下になった。

「あ! ずりい!」

 カンジが抗議の声をあげたが、それすらふたりの耳には届かない。

 グレイが腰を使ってくる。
 
 何度も奥を貫かれて、癒月は意識が飛びそうになり、必死だった。
 
 引き抜かれるときに内壁をずるずると摺り上げられる感触も、奥を突かれるときの苦しいはずなのにたまらない感覚も、すべてが癒月のなかで高ぶって行く。

 びくんと、癒月の指先が、跳ねた。

 それがやってきて、癒月は頂点の波のなかで、ただただよう。
 
 だのに、グレイはまだ兆しを見せたままの状態で、達したばかりで敏感になっている癒月の中をえぐった。

「ひ――、や、と、とめてっ」

 癒月は、声を振り絞って、懇願したが、グレイはそのまま腰を進めてくる。

 だめだ、このままでは、壊れてしまう。

 恐怖と同時に、激しくなったグレイの腰使いに翻弄され、ついにグレイは果てた。

 ずるりと引き出されたそれに続いて、中に放出された欲望が、とろりと蕾のなかから顔を出した。

「おい、先走りすぎだっつの」

 カンジがグレイに絡んでくる。
 
「の、わりには、互いに食い足りていないみたいだな」

 グレイが苦笑した。
 
「ユージィンちゃん、あと、もうちょっと、つきあってくれる~?」

 カンジに尋ねられて、癒月は答えた。

(もうどうにでもなれ)

 ゆっくりとうなづいた。
 
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