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✿03:淫紋の次は淫呪かよ、知りたくなんかない!!

***24.俺を挟むな!(2)※

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「っ!」
 しかし、いくら癒月がカンジの胸板を叩いたところでびくともしない。それどころか、カンジに余計に深く口内をまさぐられて、ぞくぞくとした感覚が、背筋を這いあがっていく。
(だ、だめだ……っ、これっ)
 呼吸が苦しくなって、癒月は首を振って逃れようとしたが、それすらカンジの執拗でねちっこいキスは離さない。
(う……くそ……っ!)
 生理的に涙が、瞳からあふれてくる。しかし、こんなところで泣いてたまるかと癒月は必死になってこらえる。
 だが。
「んんっ!!」
 グレイがつっと癒月の胸の尖りを強くつまんだその衝撃にビクンと肩を揺らしてしまう。
 すると、カンジが唇を離した。
「ちょっと、邪魔しないでくれる? おっさん」
「誰がおっさんだ。そのせりふ、そっくりそちらに返すからな」
 ようやく、空気をいっぱいに吸える。癒月は必死に肺を膨らませた、のだが。
「んっ!!」
 今度はグレイに唇を奪われてしまう。
「んっ、ほら、ユージィンはこういう、優しいキスのほうが好きだよな?」
 グレイは角度を変えて何度も癒月の唇の上に甘いキスを落とす。
 それは、無理に癒月を翻弄させようとするものではないのだが、何度もリズミカルに口先を合わせるたびに、じれったくなってきて、気分がおかしくなる。
「んあぁ、ぐれ、いさぁん」
 キスの合間に彼の名前を呼ぶ癒月を見て、カンジがむっとして、癒月の下半身へと手を伸ばした。
「っ!!」
 キスと胸の愛撫だけで、癒月のものは少し硬くなって、静かに立ち上がりかけている。
 そんな癒月の花芯に向けて、カンジはふっと息を吐いた。
「はぁっ!? ひ!」
 癒月はびくりと身体を震わせる。
「ふふ、ユージィンちゃんのここ、そろそろ、触って欲しいって、言い出してるんだけど?」
「な、ちがっ!!」
 慌てて起き上がろうとする癒月の唇をグレイが奪ってそのままベッドへと沈ませてた。
 今度は深い。
「ふ、ああ……」
 ねっとりと絡みついてくるグレイの舌に、ぞくぞくと快感が走る。
「あ、今、ぴくってなった。かあいい」
 カンジが癒月の花芯の状況を愛でるように、笑う。それが、癒月の羞恥を煽る。
(そんな、これはっ……!!)
 もじもじと太ももを閉じようとした癒月であったが、そこをカンジに掴まれて、左右に開かれてしまえば、もう、隠すこともできない。
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