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✿03:淫紋の次は淫呪かよ、知りたくなんかない!!
***22.一触即発に近きもの(2)
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癒月が口を出すと、グレイがより一層、強く癒月の身体を抱きしめた。
「そうなの? あんな男のところにいたのかい?」
「いや、いたっていうか。その、いろいろとありまして……」
(と、いうよりいろいろありすぎて、わけわかんないしなーこれ)
すべての元凶はあの得体のしれない美少女野郎ただ一人の欲望から発しているのだが。
(ソウビめ……次あったとき、はっきりときっぱりと俺をこの因果から解放しろって突きつけてやらなくちゃな……!!)
癒月のお腹は怒りではちきれんばかりにまで達していた。だが、そんなふうに怒ってばかりではいられない。
いまや、癒月をはさんでふたりの男が一触即発に近き事態にまで展開している。
(ほんと、俺、運が悪い……っていうか、なんでこいつらそんなに仲が悪いんだよ……)
「おいで、ユージィンちゃんっ。俺とルオーレのとこ、戻っておいでよ」
カンジが癒月に向けて手を伸ばしてくる。それをグレイが跳ねのけた。
「何言ってんだよ。いまや彼は俺にぞっこん。俺と一緒にいるよなぁ、な?」
「い、いや、俺に聞かれましても……」
「ほら、本人は戸惑っちゃっているじゃなぁい!! な? 俺と帰ろうな」
「え、あ、で、でもぉ」
「うっせえな、こいつは俺のものだってわからねぇのか? ん?」
「そっちこそ!! 最初にユージィンちゃんを拾ったのは俺らなんだからな!!」
(いや、それはたぶん、グレイのほうかな……その日、俺は逃げたけど)
いたたまれなくなって身を縮ませた癒月をグレイとカンジが奪い合う。
(ああ……どうしてこんな目に……)
トホホな気分に癒月は涙さえ出てきてしまいそうになった。
「それじゃ、どっちがユージィンちゃんを楽しませることができるか、勝負で決めちまおうぜ!!」
「は?」
なにそれ。癒月はカンジの言い出したことに唖然とする。
「へえ、いいじゃないか。俺たちのラブラブっぷりをこの男に見せつけちゃおうな」
「いや、あのなんで俺……」
「じゃあ、決まり。先にユージィンちゃんをイかせたほうが勝ちな」
「おう、乗った!!」
「いやいやいや、待って待って!!」
癒月は焦った。
「俺の意見は!? ねえ、イかせるって、ちょい、なんで? それってそのソッチ方面でイかせるの!? はあ!?」
「大丈夫だよ、ユージィンちゃん。俺はこんなグレイの野郎になんか負けない」
「そうだ、安心しろ。なんたって鈍感屋のカンジをこてんぱにして、俺がお前を愛してやるからな」
「いや、どっちも結構です」
「そうなの? あんな男のところにいたのかい?」
「いや、いたっていうか。その、いろいろとありまして……」
(と、いうよりいろいろありすぎて、わけわかんないしなーこれ)
すべての元凶はあの得体のしれない美少女野郎ただ一人の欲望から発しているのだが。
(ソウビめ……次あったとき、はっきりときっぱりと俺をこの因果から解放しろって突きつけてやらなくちゃな……!!)
癒月のお腹は怒りではちきれんばかりにまで達していた。だが、そんなふうに怒ってばかりではいられない。
いまや、癒月をはさんでふたりの男が一触即発に近き事態にまで展開している。
(ほんと、俺、運が悪い……っていうか、なんでこいつらそんなに仲が悪いんだよ……)
「おいで、ユージィンちゃんっ。俺とルオーレのとこ、戻っておいでよ」
カンジが癒月に向けて手を伸ばしてくる。それをグレイが跳ねのけた。
「何言ってんだよ。いまや彼は俺にぞっこん。俺と一緒にいるよなぁ、な?」
「い、いや、俺に聞かれましても……」
「ほら、本人は戸惑っちゃっているじゃなぁい!! な? 俺と帰ろうな」
「え、あ、で、でもぉ」
「うっせえな、こいつは俺のものだってわからねぇのか? ん?」
「そっちこそ!! 最初にユージィンちゃんを拾ったのは俺らなんだからな!!」
(いや、それはたぶん、グレイのほうかな……その日、俺は逃げたけど)
いたたまれなくなって身を縮ませた癒月をグレイとカンジが奪い合う。
(ああ……どうしてこんな目に……)
トホホな気分に癒月は涙さえ出てきてしまいそうになった。
「それじゃ、どっちがユージィンちゃんを楽しませることができるか、勝負で決めちまおうぜ!!」
「は?」
なにそれ。癒月はカンジの言い出したことに唖然とする。
「へえ、いいじゃないか。俺たちのラブラブっぷりをこの男に見せつけちゃおうな」
「いや、あのなんで俺……」
「じゃあ、決まり。先にユージィンちゃんをイかせたほうが勝ちな」
「おう、乗った!!」
「いやいやいや、待って待って!!」
癒月は焦った。
「俺の意見は!? ねえ、イかせるって、ちょい、なんで? それってそのソッチ方面でイかせるの!? はあ!?」
「大丈夫だよ、ユージィンちゃん。俺はこんなグレイの野郎になんか負けない」
「そうだ、安心しろ。なんたって鈍感屋のカンジをこてんぱにして、俺がお前を愛してやるからな」
「いや、どっちも結構です」
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