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✿03:淫紋の次は淫呪かよ、知りたくなんかない!!

***17.呪いを受けて(3)

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「普段はあんなふうになって、うっすらしているから、誰にもばれない」
「いや、あのさぁ……」
「けれど、ずーっと胎内に呪いは残るからな」
「なんでよ」
「さあ?」
「さぁって……。これ、解く方法とかないのかよ」
「魔王を篭絡」
「それ以外」
「魔王を魅了」
「それ以外」
「魔王を性的接待して篭絡」
「結局篭絡しかねーのかよ!!」
「だから、それ以外にやつを倒す方法がないのだ」
「だからって!! でも、俺はまっとうな男子で、本当に正統派として生きてきたんだぜ!!」
「ん? そうなのか?」
「そーだよ!!」
「では、お主の持っているその唯一のスキルはいったいどういうことなんだ?」
「は?」
(スキル? 俺の持っていたスキルはすべてあの魔法院事件で、すっかりゼロになってしまったはずなんだが……)
「気になるのなら、一覧を呼び出せばいい」
「は? ……“スキル”!」
 ばんっと目の前に出てきた四角い画面。そこに所持しているスキルの一覧が羅列されるはずなのだが、癒月のスキル一覧は真っ白だ。
 それもそのはず――。
「あっ!!」
 だったのだが。
「なんで!? 俺、一個だけ、スキルが残っている!?」
 その一覧の中に、一つだけ項目が残っていた。
 癒月は有頂天になる。
 なにせ、失ってしまったものの一部といえど、それが残っていてくれたというのは!
 しかし、その項目を読み上げて、一気に気分は冷え込んだ。
「……なんじゃこれ?」
「おお? どうしたのだ、癒月?」
「だから、これって、いったいなんで? 前に俺が持っていたスキルにはこんな名目のものはなかった」
「と、いうことは。スキルゼロのぽんこつ男が、自力で習得したスキルということになるな!!」
「まてまて、いつ、俺がこんなものを習得したんだよ!?」
「しかも、これは、大魔王討伐にとても有利だ! でかしたぞ、我が勇者よ!!」
「俺は、もう、頭が痛い」
 そのスキルの名は――メスイキ(魅了)。
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