上 下
60 / 112
✿03:淫紋の次は淫呪かよ、知りたくなんかない!!

***04.初めての…(1)※

しおりを挟む
 癒月は彼の形のいい唇から漏れたことばに違和感を覚えた。

「そ、そんなっ、ちがっ」

 違う。
 その発せられたことばの持つイメージに自分が重ねられていることがショックで目がくらみそうだった。
 しかし、グレイはそんな癒月のことなど気にしていない。

「そう? でも、こんなにぐしょり濡らしちゃってんだから……」

 言いたいことはわかっている。
 こんな、あさましいのは。
 癒月は、ぎゅっと自身の顔を両手で覆った。

「……言わないで」

 懇願するようなどこか弱弱しい声に、どくんとグレイの脈が上がった。

「冗談っ。ほんと、そういうのはねぇ」

 急に急いたように自身の上を脱ぎだしたグレイに、「え?」と驚いて癒月は彼を見上げる。
 そこにいたのは、煽られて興奮した一匹の男の余裕のない姿だった。

(す、すご……)

 乱暴に着衣を投げ捨てたグレイの上半身は鍛え上げれられていて癒月はそれをじっと見つめてしまう。
 癒月も勇者として、スキルに頼っていた半面もあるが、数々の敵を打ち破るために、それなりにトレーニングをしていた。だからこそ、グレイの盛り上がった肉の隆起には、感嘆がこぼれる。これまで体を作るのにどれだけの努力と時間とそして忍耐を要したのだろうか、と。
 そういう考えを巡らしていると急にこの目の前の男が、たくましく、また素直にすごいと認めることができる。
 だからといって。

「んっ。え、ええっ」

 ちゅっと癒月の胸元へとグレイの唇が落ちてくる。そのまま、胸部をついばむよな淡いキスが襲う。
 だからといって、こういう行為・・・・・・を許さるとは限らない。

「は、あ、ええっんっ!」

 驚いている癒月に対して、グレイは胸の次にその唇にキスを落とした。そして、それは、容赦がなかった。
 癒月の唇の隙間からグレイの舌が侵入してくる。そして、それは歯列をなぞるように、癒月の内側を堪能すると弱い上顎をなぞる。

(あ……っ、なんだか、ぞくぞくしてぇ)

 それだけで、ぶるぶるっと癒月の下半身から蜜が零れ落ちていく。
 苦しくなって、彼から逃れようとしたが、グレイは離してくれない。無理だと訴えるために、どんどんと彼の厚い胸板を叩いた。

「ん、んん~!」

 それでも深く口内を愛撫されて、急にどくんと心臓が跳ね上がる。

「ん、あ……っ」

 ようやくグレイが唇を離してくれた。新鮮な空気に肺が広がる。けれど。

「うわ……また、イっちゃったんだね。ここ」

 グレイの指摘に、癒月は先ほどの悦の理由を知った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

処理中です...