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✿02:そんな陰謀……いや淫謀知りたかねーっ!

**13.買い出し

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 遅い朝食――というより、昼食と兼用の朝食を取ったあと、ルオーレは真面目に仕事をしにでかけた。
 どんな仕事をしているのかとカンジに聞いたところ、畑仕事、と帰ってきた。
「いやぁ、俺はさ、焦がしちゃうから、そういうのは全部ルオーレにお任せさ」
(それ、スキル使わなければよくね??)
 けれど思ったことは口に出来ない。彼らは現在癒月の命綱だ。金もなく行く宛もない癒月が雨風を凌ぐための。
(まあ、真面目に勇者やってたときは野宿とか平気でやっていたんだけどなぁ……)
 人間、甘い汁を吸うと甘い汁にどんどん甘くされていくのものだ。
(それより……気がかりなのは……)
「な、買い物いこ!」
「へ?」
「ユージィンちゃんのお洋服とさ、今晩のおかず!! デートってことで一緒に行かない?」
 カンジのお誘いを断ることは今の癒月には出来なかった。


「わー、ここが市場!?」
「へっへーん、すごいだろ」
(いや、その逆。……しょぼい。つっても、俺はあの王都の市場が頭にこびりついているからな。こういう閉ざされた町にしてはいろいろと物が集まっているじゃないか……)
「じゃあ、まず衣料品から……って、ユージィンちゃん!?」
 癒月は思わず、刀剣類を揃えた屋台を発見して、それらに見惚れてしまった。
「もう、何してんのさ!」
「あ、いや、つい……」
「ふーん、男の子だもんねぇ、剣とかキョーミあるんだ……」
「べ、別に!!」
「そーいや、俺、外にめちゃくちゃ剣ラブな行商人の知り合い、いるわ」
「は?」
「そいつもそんなふうにお目々をうるうるさせて刀剣見てるんだぜ、うーわ、ユージィンちゃんがお外出れたらそいつと仲良くなれるかも。レーニャって言うんだ」
「へ、へぇ?」
(だからなんだってんだよ……)
 口の減らない男に辟易する。癒月はただ王都に残してしまった愛剣モントトレーネのことを思い出して、すこし悔しい思いをしていたのだ。身一つでこの辺境へと流されたのだから。
「おっと、みてご覧、あのでっかい男がこの町随一の大工、で、あっちのがパン屋の旦那。あいつらもともと騎士団にいたらしいけど女のとりあいで喧嘩して、まー、その喧嘩が派手で町一つぶっ壊したらしくて、ここに流刑されたって話だ」
 本当に口の減らない男だと思いながらカンジを見上げる。
「あっちの薬草売ってる老人いるだろ。気をつけな。あれは王都で痴漢して流刑人。とんだジジイだ」
(どんだけやばいやつばっかりなんだよ、ここ……)
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