メスイキ無双ッ!異世界勇者スキルがパァでパーティ追放→ドスケベスキルと淫呪のせいでエロ負けしそうだが篭絡して勝つッ!【休載中】

✿01:あっこれって追放ですね知っています

*19.グレイの旦那(3)

「なっ」
「だってそうでしょう。この世はあるかないか。それだけ。なかったのなら、なにかで埋め合わせる。そういうもんじゃん。ちょうど、俺さ、溜まってきてたところだし。ユージィンちゃんなんて、すっごく好み、ね?　わかった?」

　甘くなど、ない。
　甘かったのは癒月のほうだった。

「……そんな」
「もぉ、そんな身構えないでって。悪いことはしないから。ただちょっと気持ちよくなってお互いハッピー。ね、わかる?」

　ひどい。聞きたくない。
　まるでそれは。

「俺が体を売ってどうこう、みたいじゃないか」

　つい口に出てしまった本音。だが、それすらもグレイはあざ笑う。

「えー、だって、そういうことでしょ。それとも、本当は持っていたりするの?」

　癒月はぶんぶんと首を横に振るしかない。

「ね、それじゃ決まり。わかっているよね」
「……」
「無銭飲食は悪いこと。きみは悪い子じゃない。それくらは、わかっているかって聞いてるの?」
「まるで脅しだ」
「そんなことないよ。何も代価を払わないガキのほうが悪いんじゃないかな」

　癒月はぎゅっと唇をかみしめた。




　宿といってもそれはさびれたもので、ローズタウンの一番影のあるような場所に佇んでいた。通された部屋の隣からは甲高い声が聞こえてくる。つまりはそういう場所だったらしい。

「ほら、リラックスして?　そんな物騒な顔してちゃ、何も盛り上がらないんだけど」

　まるで末法だ。
　こんなこと、あっていいはずがない。

「もー、つまんないなぁ。もしかして、したことないの?　あ、あたり?」

　癒月は悔しさにこぼれそうな涙を必死に抑えた。

「まー、いいけど。俺はすること、するから。おいで」

　癒月は男に手招かれて、立ち止まる。けれど、逃げ場などないに等しい。

「あの……」
「ほら、おいで」

　それは有無を言わせない口調だった。しかたなく癒月は彼の傍による。

「そうそう、いい子いい子。可愛いね」

　ちゅっと軽いキスが上から降ってくる。けれど、グレイの手は行為を遂行するのだという強い意志の元、動いた。癒月の服を脱がすと、そのままベッドへと進められる。簡素な木製のベッドが部屋にはあり(正確にいうとそのベッドしかこの部屋にはなく)、促されたまま癒月はベッドに横たわった。

　裸だ。
　恥ずかしいが、
ここで身を隠すような余計なことはしたくない。すべては身から出た錆。いや、だからといって、こんな仕打ちは。

「え?　泣いてるの?」

　癒月の頬をつーと静かに伝っていくものがあった。それに気が付いてグレイがふっと軽やかに笑う。

「ほんと、初めてなんだねぇ。わー、嬉しいなぁ」

「そ、そんなのは!!」
「まー、いいからいいから」
「んっ」

　唇をついばまれているうちにその交差は次第に深まっていく。癒月は、唇の隙間から侵入してきた舌に驚いて身をよじった。